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嵐に巻き込まれるのはいつも百目鬼
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俺の下で、俺と繋がったままのマキが、シーツを握りしめて泣いている。
小さい子供のように震えるマキは、何だか別人のようでいて、マキの中身を考えると、こんな姿も納得するような不思議な気分だ。
ずっと頭を撫でてるけれど、マキは泣きじゃくる。あまりに泣くからその涙を無くしてしまいたくて、頬を伝う涙を舐めとった。
百目鬼「マキ、…マキ、泣くな…」
マキ「う¨っ……くは……かわ…いく…な…い…」
百目鬼「あ?」
ぐしゅぐしゅと涙と鼻水で凄いことになってきて、ポツリとマキが口にする…。
マキ「…ぼく…は…真っ黒だぁぁっ…」
百目鬼「…お前が真っ黒?だったら俺はどうなる…」
マキ「ど…めき…さんは…一所懸命だし…ちゃんと…頑張ってる……、ぼ…くが…全部台無しにしてるんだぁぁ¨ぁ¨」
ブルブル震えるマキは、今までのマキと余りに違いすぎて、戸惑う、どうしていいか分からない…
百目鬼「ワザとキレさせてたって言いてぇーのか?」
マキ「…………………」
百目鬼「チッ!、言いたい事あんなら言えよ!!」
マキ「ッ…………………、
………………………………
…どぉ…めきさん…は………」
百目鬼「俺がどうした」
マキ「……………僕の…こと…」
百目鬼「…」
マキ「…………修二みたいに
好きにはなれないでしょ?」
こいつは…何を言ってる?
それはどおいう意味だ…。お前を修二のように好きになれってことか?あり得ない。それは俺が一番したくないことだ…。修二みたいに?修二は修二、マキはマキだろ?!
マキは恐らく承知の上だ…。その言葉を聞いて俺がどんな気持ちになるか分かってる…
あんなことは二度としたくない、俺がそう悩んでるのを知っててそう言ってやがる。
百目鬼「…無理だ…」
マキ「うん…。
ね?僕って最低でしょ?」
俺は、今。マキの本音に触れてるんだよな?
マキは、本気で修二みたいに、俺に狂う程愛されたいのか…。あんな惨劇を知ってて…、俺がそんな自分から変わりたいのを知ってて……
マキが好きなのは…狂ってる方の俺?
俺は今恐らく、酷い怖い顔をしている。
マキの瞳がみるみる色あせる。涙が再び溢れてきて、ジュピター色の瞳からこぼれ落ちた。
百目鬼「お前は……俺に変わって欲しくなくて、キレさせてたのか?」
強張った声が低くなる…
マキを怯えさせてるかもしれない…
マキは静かに首を横に振る。
マキ「ううん。百目鬼さんは、カッコいいよ。可愛いし、優しいし、頑張ってる。…だけど、また溜め込むと歪む…。って…僕はただ、百目鬼さんに僕にときめいて欲しかっただけ、僕にドキドキして欲しかっただけ…、全部失敗して怒らせちゃうけど…。僕は自分の歪みと一生懸命戦う百目鬼さんを好きになった…」
…こいつは馬鹿だ…、お前がやってることは威力がありすぎるんだよ
百目鬼「…」
なんて答えればいい?
複雑で重い…、俺の過去が…重くのしかかる。
マキ「ふふ…、可愛くなかったでしょ?」
マキの心が閉じていく、俺は俺の気持ちを言葉に出来ないでいるだけなのに、マキはヘラヘラ笑いだす。
違う、俺は……
百目鬼「お前は何がしてぇーんだ、好かれてぇーのか嫌われてーのか、肝心なところでヘラつくな!」
マキ「…僕の中身なんて真っ黒で欲深くてドロドロしてるんだよ?分かったろ?こんな僕のことなんかス………、可愛いとは思わないでしょ?」
百目鬼「ああ¨?お前、真っ黒で欲深いなんてよくこの俺に言えたな、〝一緒にいられれば満足〟なんてほざいてる人間が、俺に向かって〝僕のことなんか〟だと?そんなちっちぇー欲ぽっちでよくそんなにこと言えたな」
マキ「でも、僕…、百目鬼さんが治したいと思ってるのに、〝狂う程愛されたい〟とか言っちゃうんだぜ!!」
百目鬼「確かに驚く…、お前の言ったことは俺ん中穏やかにしない、……でも、俺よりお前の方が黒いなんてあり得ない、お前の方が黒いなら、お前は俺に独占されたら窒息する」
マキ「違う…違う…」
百目鬼「………だから…言ってんだよ、ムカつくのに可愛いって、今だって、お前の頭ん中は、自分のことより俺のことだ…、全部のことが納得しなくても、気持ちが動いちまうことってあるだろ。俺は心ん中ぐちゃぐちゃで、お前にムカついたりイラついたりすんのに、思っちまうんだよ…今も…、お前は可愛い…」
マキ「ッ!…………」
素直じゃないマキのことはイラつくしムカつくし…。性格的には合わないんじゃないかって…
俺たちは求めるものが同じでどちらも愛されたくて合わないんじゃないかって、俺も思ったし、水森泉に警告された時強く納得したはずなのに…
俺は…マキを追いかけて…キスした…
俺の獰猛な猛獣を毎回微笑んで受け止めるマキ。
俺の悩みを理解してくれるマキ。
俺を好きだというマキ。
マキの中身は確かに強烈だった…
俺の凶悪な部分が欲しいと言われるなんて…。俺が何十年も否定して、消したくて、ずっと自分の中でも憎んでる部分を、〝好きだ〟と言われるなんて…。
なんてこと言いやがるんだって怒りが湧きながら…、俺が否定し続けたことにマキが触れる…
俺は俺を否定しながら…、こんな俺は一生誰にも愛されないんだと思っていた…愛されちゃいけない…。この凶悪な俺を殺すまで…、誰とも心を通わせられない…と…………………………。
マキも何かを抱えてそんな風に思ってるんじゃないだろうか?…
いや…きっとそうだ………
〝自分は愛されない存在だと思ってる…〟
マキはなんで俺なんかを好きになっちまった…
マキは…もっと幸せになっていいはずだ…。愛するのも愛されるのも下手な俺なんかの元じゃ、きっと幸せになんかならないのに……
マキは…
もっと幸せになるべきだ…
百目鬼「ちゃんと可愛いから、もう、自分を虐めるなよ」
俺にはこんなことしか言えない。
涙を舐めとりながら、顔をくっつけてスリッと頬をよせながら目尻にくちづけて、そのまま何度もくちづけて、唇にキスして慰める。
慰めのキスから甘いキスへ
甘いキスから深めるキスへ
その頃にはマキの涙も止まってた。
そして、あまりに泣くから黒のカラコンが片方取れて、ジュピター色の瞳が俺を見つめる。
頭を撫でながらキスを繰り返していたら、段々マキが積極的に舌を絡めてきた。
マキ「百目鬼さん…好き…」
切なく求めてどんどんキスに熱が入り激しくなる。
マキ「……めきさん…動い…てぇ…」
散々号泣した癖に、涙の残るその瞳は激しく欲情して俺に絡みつく、俺の下で腰を浮かしてゆるゆると動き強請ってきやがった。
涙目で欲情しているマキの強烈な色香で俺の理性は傾く。
百目鬼「ッ!!…」
こんなマキにキレちまうほど、俺はどうしようもねぇ男にはなりたくない…
しかし、涙に濡れるマキは、わずかに震える唇で…
願った。
マキ「ぼく…を…ーーーーー。」
ーブチッ!
願いを口にした切なく震える唇に激しく噛み付く。
ドロドロになって繋がり絡みつく中に熱い肉棒を打ち込み、消えそうなその存在を強く強く抱きしめた。
マキ「ああァーーー百目鬼さぁん!!」
百目鬼「叶えてやるから…喘いでろ」
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