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俺たちのバランス〜修二〜
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6月、朝の天気予報で梅雨入りが発表された。
今年は昨年より早いらしい。
梅雨はジメジメして嫌いだと言う人もいるけど、僕はどちらかというと好きな方。小学生の頃は傘もささず濡れて歩くとか普通にやってた。
むつは、晴れてないとスカッとしないと優つそう。
華南は、降らないと夏が大変だしな、と現実的。
僕ちゃんは、むつや華南と一緒にいる時の雨が好き。だって、1本の傘に2人で入ってくっついてても誰もおかしいとは思わないから…
そんな理由でもないと、もう寄り添って歩くこともない…。
僕たちは大人になった…
大学2年生になった僕ちゃんは、今日も家へ帰る。
僕たち3人の家へ…
ここに住むようになって、もうすぐ1年になろうとしてる。
大学から電車で帰り、降りた駅でスーパーに寄ってから帰るのが日課。
男3人だから、食材は減りが早い。いつも両手に荷物で帰る。
マンションの玄関ホールをくぐるたびに、「ああ、ここに一緒に住んでるんだなぁ」って実感する。こんなこと言ったら2人に怒られちゃうけど、僕は、今だに夢のような毎日を送っている。
僕らは毎日仲良く度々喧嘩したりと忙しい。
元々悪ガキ3人だったから、そのノリが抜けないのと、喧嘩の原因は大体むつ。まぁ、むつが怒らない日は無いんだけど、それでも今年の5月頃から少しづつ落ち着いてきてる。
何故なら、むつが転職したからだ。
深夜の飲食店から昼間のマッサージ店へ。
そしてそのために、金髪の髪をアッシュベージュに変えた。
本当は1度黒に戻したんだけど、マキが「可愛いーッ♪」ってゲラゲラ笑うから怒って規定ギリギリの明るい色に染め直した。
凄く可愛いかったのに、勿体無い…。
修二「ただいまー」
まだ誰もいない部屋に帰り着く。
3人の中で帰宅が1番早いので、いつも誰もいない部屋に電気を点けるのも日課。
廊下を通ってリビングに入ると、広々としたリビングに、テレビ、ローテブル、そしてソファーがテレビの方に向いて部屋のほぼ真ん中にある。
カウンターキッチンの前にもテーブルがあり、椅子が四脚。キッチンはほぼ僕のテリトリーだから、いつも綺麗にしてあって、分かりやすく名札がカゴや引き出しに書いてある。そうしないと、時々むつがしまう場所をごちゃまぜにしてしまう。
買ってきた食材をしまって、部屋干しの洗濯を見に行ったら、リビングのソファーには、むつの脱ぎ散らかしたパジャマがあった。
これもいつものこと。一緒に住み始めた最初の頃はちゃんとしてたけど、段々と手抜きになってきた。僕がやらなくても、華南もやってあげちゃうから、むつは甘やかされちゃってる…、深夜働いてた頃は1人だけ時間帯が違ったから、仕方ないかと思ってたけど、もう違うんだから、一回ビシッと言わなきゃダメだよな…。
洗濯物は乾いてなくて、取り込んで乾燥機に突っ込み、その間急いで夕食の準備。
早くしないと2人とも帰ってきちゃう。
1年以上毎日料理していたから、手際も栄養面もそこそこできてると思う。
大体準備ができたので、最後に味噌汁に味噌を溶いていたその時、後ろからガバッと抱きつかれた。
修二「わっ!?」
華南「ただいま修二」
修二「アッ…ん…か、なん…」
後ろから腰を抱かれ、耳元で囁きながらうなじにキスされて思わず仰け反った。
華南「今日はエプロン着けてねぇーの?あの紐解くのが俺の日課なのに…」
ニヤニヤしながらそんなことを言う華南は、完全なスケベオヤジ。
修二「ちょっ、火を使ってる時はやめてって毎日言ってるじゃん」
華南「いやー、分かっちゃいるんだけど、台所に立つ修二のうなじがさぁ、誘ってるように見えちまうんだよなぁ」
修二「誘ってないし!」
華南「何?味噌汁作ってるってことは、もう夕飯できたの?」
修二「うん、そ…」
言いかけたところで、華南が僕ちゃんの顎を掴んで後ろを振り向かせるようにして唇を奪う。
修二「んふッ…はぁ…アッ…んん¨!」
早急に貪られて心拍数が跳ね上がる。華南のキスはいつも激しくて、油断すると直ぐに痺れて持ってかれてしまう。グツグツと味噌の沸騰する音が聞こえてきてて、やめなきゃいけないとおもいながら、僕ちゃんのお尻に華南の熱いものがグリグリと押し付けられて、馬鹿みたいに体が反応しだす。
あっ、華南のキス…気持ちいい…
もう…ダメ…
ーガチャ
むつ「ただいまー!」
むつが玄関を開けた音でハッとして、華南を押しのけたら、華南がクスっと笑って開放してくれた。
だけど、リビングに顔を出したむつは、僕を見て直ぐに何があったか察する。
むつ「あー!!修二がエロい顔してる!!華南また修二に手ェだしたなぁ!」
は、恥ずかしい…から、いちいち言わないでよむつ!
華南「ただいまのチューしてただけだよ」
あれで!?あ、危なく理性が崩れそうだったんだけど…。
むつ「じゃあ、俺もするし」
修二「む、むつ、ご飯出来てるから」
むつ「おい!俺だけ軽いやつで済まそうとしてるだろ!なんで華南とばっか、やっと俺も一緒の時間増えたんだぞ」
修二「うん、そ、そうだね…」
ひー!!むつ君に本気のキスされたら絶対とんじゃうよ!ど、ど、どうしよう…。
同棲してもうすぐ1年。
むつが転職して2ヶ月…
夢のような生活は、甘みを増すばかりで…
なんだか時々怖くなる時がある…
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