アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
お兄ちゃん相関図模様
-
不思議な少年マキは、ニコニコと不敵に笑いながら俺をとあるマンションに連れてきた。
そこは結構綺麗目なマンションの一室。
間取りは2K、大学生の一人暮らしには少し広めか?
入って最初に驚いたのは、物の無さだった。
奏一「引越したばかりか?」
リビングまで通されて、あまりに生活感の無い部屋にそう尋ねると、マキはクスクス笑った。
マキ「引っ越してきたのは3ヶ月前だよ。僕って収納上手なんです♪
飲み物何がいいですか?僕未成年なんでお酒は無いですけど、お茶、コーヒー、紅茶とありますよ。奏一さんは紅茶派?そうならオススメがあるんです♪」
奏一「なら、それで」
マキは嬉しそうに「良かった♪」と、可愛らしく笑う。
…マジで、女の子にしか見えない。なんか変な気分だ。
リビングには、修二が好きなラ⚪︎センの絵が飾ってある。どうやら趣味は同じようだ。
マキは玄関とリビングの間の廊下にある狭いキッチンに立ち、オススメの紅茶とやらを鼻歌交じりに用意してる。
数分してお湯が沸き、ヤカンに手を伸ばしたマキが、大きな声を出した。
マキ「アッッ!!」
もくもくと湯気が出ているのに、湧いているか見ようとしたのだろう、蓋を開けたもんだから熱い湯気が立ち上り手を火傷した。
奏一「おい!早く冷やせ!!」
マキは、火傷して引っ込めた手を握りしめたまま突っ立てた。俺はマキの手を掴んですぐに水道水で冷やし、冷凍庫から氷を出そうとしたが、そこには氷は無かった。
奏一「氷が無い…」
マキ「…まだ作ったことなくて…」
えへへ、なんて子供っぽい顔して笑ってる。さっきまでのちょっと影を含んだ怪しい顔は、いつの間にか見受けられない。夜の暗闇でそう見えただけか?
しかし、氷が無いのか…腫れなきゃ良いが。このスッキリ綺麗すぎる台所を見ると、マキが普段から料理をしてないのがすぐ分かる。隅のゴミ箱にはコンビニの弁当のゴミでいっぱい。
一人寂しくコンビニ弁当か…。お湯も沸かせないんじゃな…
奏一「一人暮らしでお湯も沸かせないのか…」
マキ「えへ♪なんか緊張しちゃって♪」
奏一「緊張?なんで」
マキ「…僕、一人っ子だから、お兄ちゃんいたらこんな感じかなぁって♪」
お茶目にテヘっとか言いながら、マキは可愛らしく笑って俺を上目遣いで覗いてきた。
明るいところで見ても、女装してるマキはやっぱり女の子みたいに見える。
マキから茶葉を取り、俺が代わりに紅茶を入れる。缶の蓋を開けた瞬間ラベンダーのいい香りがした。
マキ「ふふ、いい香りでしょ♪それ、疲労回復やリラックス効果があるんですよ♪」
奏一「へー」
紅茶を準備し終わり、ニコニコしてるマキの冷やしてる手を改めてよく見た。
奏一「大丈夫そうだな…」
赤くなってる場所はない。しかし、色白の細い手だな…。
マキは、俺にを握られながら呟いた。
マキ「修二見てると、奏一さんみたいなお兄ちゃんがいて羨ましい…」
奏一「…そうか?俺は口煩いし過保護だし厳しいぞ」
マキ「ふふっ、修二は奏一さんに絶対の信頼がありますよ。奏一さんは自分をよく見てくれてるって、それに兄でありながら父親であり、色々教えてくれるって。母のためにいっぱい働いて、その間のわずかな時間全部修二のために使って家族を支えてくれる、凄い兄貴だって。
兄は何もかも犠牲にしてダメな自分を守ってくれた
『僕ちゃんの〝一番の理解者だ〟』って」
え?…
…一番の…理解者?
俺は…修二を…支えきれてなかったのに?…。
拉致事件の後、修二が百目鬼を庇う話しは聞いたが、修二からカミングアウトされなかった。そこからずっと俺に言えず、俺からは触れていいものかも分からず、俺はただ見守ることしかできなかった。
マキ「そんな顔しないで奏一さん、修二は奏一さんが大好きだし。それに奏一さんがいて、むつや華南がいて、みんながいて、今幸せなんだよ」
そんな顔?俺今顔に出したか?
奏一「ッ、お前…、マキ君は修二の…」
マキ「聞きましたよ。百目鬼さんとのこと、修二からも百目鬼さんからも、むつや華南からも。あっ、僕ホテルにいましたから」
奏一「!?」
マキ「ほら、修二が飲んだ変な薬の解毒剤を届けた人が居るって聞いてるでしょ?アレ僕なんです」
エッ!!。た、確かに協力者が居たと聞いていたが…この子が?
マキ「修二に聞いてもらっても良いですよ、数回しか会ってない僕の言うことなんか胡散臭いでしょ?」
奏一「…」
マキ「あっ、でも今僕と居るって言わないで下さいね。修二は僕の家知ってるから飛んでくるよ、修二が居たら、修二が奏一のことなんて言ってたか話すのジャマされるし、大事な話ができなくなっちゃいますから。ね?♪」
ニコニコしてるマキに、リビングへ押され、俺は修二に電話することにした。マキは紅茶をリビングへ運び、先に口をつけてる。
修二『え?マキのこと?』
電話口の修二が、驚いてる、そりゃそうだ、いきなり電話で聞いたら驚くだろ。
奏一「今日道端で偶然会って、女の子の格好で話しかけられた。なんか懐かれてるみたいで…。アドレス交換させられたんだが…」
修二『あちゃー…、あのね兄貴、マキはすっごい不思議な奴かもしれないけど、人の気持ちの分かる凄く良い子だよ。兄貴のことカッコイイってしょっちゅう言ってたから、テンション上がっちゃったのかも』
奏一「あの子は、確か大学生だったよな?」
修二『マキは女装家じゃないよ。大学にはちゃんとした格好で行ってるよ。変装は好きだけど。普段は普通だよ、勉強は真面目にやってるし、マキは凄く頭いい医大生だから』
奏一「はっ!?」
あまりの驚きにマキを見ると、マキはニコニコこっちを見てた。
修二『将来カウンセラーになりたいって、心理学の勉強してるちゃんとした子だから、安心して。
あーでも…』
奏一「でも?」
修二『ううん、なんでもない。兄貴には変なことしないと思うし。それより兄貴、百目鬼さんと喧嘩したりしてない?』
奏一「あーその話しは心配ないから、仲良く飲みにも行ってるし問題ない。じゃぁ、明日早いからおやすみ修二」
修二『あ!ちょっ…』
長くなりそうなのでブツッと切った…。
だが。
修二…、変なことってなんだ…、まさか…、襲われるとか?いや、でも付き合ってる奴がいたよな?
思わず不審な目で見ると、マキは肩をすくめた。
マキ「あら、僕は益々怪しい奴になっちゃった?」
奏一「いや…、修二はキミのこと凄く人の気持ちのわかる良い子だと言ってた」
マキ「……身分証明書見ます?」
奏一「いや、いい。話しを聞きたい」
マキの座ってる場所の向かい、ローテブルを挟んで座ると、マキはラベンダーの香り漂うティーカップを俺の前に置いた。
マキ「奏一さんのお店の調査に百目鬼さんが入ってから、修二にバイトを休ませたでしょ?アレは、百目鬼さんに接触させないため?修二が気にしてた」
奏一「違う…。犯人が捕まるまで俺は一箇所にとどまれないから…、安全に配慮した。修二が犯人と出くわしたら、あいつは絶対無茶して捕まえるに決まってる」
マキは、俺の答えが本当か探ってるんだろう、真っ直ぐ見つめてくる瞳は、俺の仕草の隅々まで見てる。
マキ「さっき、修二に百目鬼さんと飲みに行ってると言ってましたけど和解されたんですか?」
奏一「修二と百目鬼は和解した」
マキ「奏一さんと百目鬼さんですよ」
奏一「俺は…」
マキ「修二が心配してましたよ」
奏一「……許してはいないが、今の百目鬼の事はちゃんと知っとこうと思ってるだけだ」
マキ「…」
奏一「依頼のことはこっちがお願いしてるんだから、揉めたりしない、安心しろ」
修二は心配性だ。俺に迷惑かけたって、高校卒業を機にやたら俺の心配してくるようになった。
ご飯食べてるかとか寝れてるかとか、いい人いたらすぐ会わせてねだとか、自分の時間大切にしてねとか。心配してるのはこっちなのに…
マキ「奏一さん、百目鬼さんと問題ないならなんで日に日に疲れた顔になっちゃってんです?営業妨害の件もあと一歩ですよね?」
奏一「それは…」
マキ「…別に心配事があるんですよね?僕に百目鬼さんとの関係聞いてきたり、だから、そうゆうことなのかと…」
奏一「そういうことッ!?」
マキ「修二君に何か聞きたそうだったけど、聞けてなかったみたいだし。それは、男同士について知りたいけど、弟には聞きずらい…って顔に書いてありましたよ」
奏一「うっ………」
マキ「僕でよかったら何でも答えますよ♪。それで悩みが解決すれば、奏一さんも元気になって、修二も元気になるでしょ?♪」
何でも答えますって…
何でも聞けるわけないだろ
マキ「知り合いや全く知らない人より、僕の方が聞きやすいでしょ?」
可愛らしい顔のマキがニコニコこっちを見つめる。
今更だが俺は、こういう風に見つめられるのに弱いのか?
奏一「……まぁ……。その…、一つ確かめておきたいんだけど」
マキ「なんですか?♪」
奏一「マキ君って、本当に男の子?」
俺の質問にマキは瞳を瞬き、クスクス笑い出す。
マキ「あは♪僕ってそんなに可愛い?♪」
そうお茶目に笑ったマキは、クスクス笑い、スッと立ち上がると、なぜかワンピースのファスナーを下ろしだし、服を脱ぎ始めた。
奏一「え!?や!ちょっ!」
俺は男が脱ごうとしてるのに、見た目があまりにも女の子みたいだから慌てた、マキに変な風に恥ずかしくて止めようとワタワタしたが、マキはお構いなしに袖から腕を抜いて色白の肌が見え始める。
ちょッ!何で脱ぐ!!
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
621 / 1004