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(番外編)純愛♎︎狂愛17
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百目鬼「マキ、支度できたか?」
マキ「う、うん」
さっきのフレンチトーストの甘みが残ってる気がして、百目鬼さんをチラチラ見てしまう。
今日は、いよいよ、姫香さんの結婚式。僕は、香織さんに変装し式場に向かう。そろそろ矢田さんが迎えに来る時間。
マキ「おまたせ」
百目鬼「おい、腕時計は外しとけ」
マキ「あっ…」
結婚式に参列するためのフォーマルドレスを着ていたから、デザイン的に不釣り合いだった。残念だけど外していかなきゃいけない…。
シュンとしていたら、百目鬼さんに頭を撫でられた。
百目鬼「家に置いといてまた取りにくりゃいいだろ」
なぜかそっぽを向いてる百目鬼さん、でも、家に今晩も寄っていいってことは、夕飯くらい一緒に食べれるかな?
僕はうなづいて、迎えに来た矢田さんの車に乗り込んでシートベルトを装着。車のトランクに百目鬼さんと矢田さんが荷物を詰めたら出発だ。
矢田「百目鬼さん、どうかされましたか?」
百目鬼「…どうもしないから余計なおしゃべりするな。手荷物貸せ!」
矢田「そうですか?耳赤いですよ。体調悪いんですが?」
百目鬼「矢田、てめー車の中でその話したら殺すぞ」
矢田「ハイッ!黙りやす!!」
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式が始まる3時間前に会場入り。
式は小さなチャペルで互いの家族のみで行われる。
姫香さんの母親の今日の体調は万全、彼女は本物の妹の香織さんと、式開始30分前にいらっしゃる予定。その時、新郎の家族の方もいらっしゃる。
姫香さんが式を挙げるチャペルは、式場の隅に位置していて、新郎新婦それぞれの控え室が付いている。
新婦の控え室に、姫香さんと、香織さんの格好をした僕と、杏子さん。
新郎の控え室に、輝樹さんと、檸檬さん。
チャペル内にスタッフの格好の百目鬼さん。
式場の入り口付近に、一般客に変装した七三分けの頭をした矢田さんがそれぞれ見張りに立っていた。
姫香さんの控え室には、盗聴器やカメラがないかチェックした上で、二つあった窓を塞ぎ、外から見えなくした。部屋の中央に衝立を四角く囲み、作業することが決まっていた。控え室に入って1時間。花嫁は化粧が終わり、いよいよウエディングドレスに着替えようとしていた。
妹役の僕は、一応護衛も兼ねてるので、新婦の控え室内にいた。
マキ「お化粧も髪もとっても綺麗」
姫香「そう…かな」
マキ「そうだよ、どうしたの?不安?」
姫香「怖い…、また、いつ現れるか…、嫌な視線がつきまとってる気がして…」
マキ「……大丈夫、式が始まっちゃえば、誰も入れない」
姫香「…うん」
マキ「……大丈夫、お姉ちゃんのことは私が守る」
ニコッと僕が優しく微笑むと、姫香さんは安心したように笑った。
暫くして。杏子さんの携帯が鳴り響く。
杏子「はい。え!?」
杏子さんの緊迫した声で、僕は緊張した。
杏子「ドア、開きます」
杏子さんがドアを開けると、そこには百目鬼さんが、百目鬼さんは険しい表情で杏子さんに耳打ちして、部屋の前から移動した。
何かあったんだ。
ついにストーカーが現れたのかもしれない。姫香さんには悟られないように杏子さんがこっそり僕に耳打ちした。
杏子「新郎の部屋のドアが開かないって、中の輝樹さんと檸檬は無事みたい、ストーカーが来てるみたいよ」
今日こそ絶対に捕まえてみせる!
ーコンコン
ドアのノックに緊張が走る。
杏子さんがゆっくりドア開けると、そこには式場の女性スタッフが。
スタッフ「電報をお預かりしてましてお届けにあがりました」
杏子「ありがとうございます」
電報を一枚預かり、杏子さんがドアを閉める。
ドアに鍵がかかった音で、緊張感が和らぐが、その電報が怪しかった。
姫香さんは、式の日を誰にも教えてなかったからだ。杏子さんは姫香さんの許可を取って、姫香さんから離れた場所で、そっと電報の袋を開けた、もしかしたら、カミソリとか入ってるかもしれない。封筒を開けるとそこには電報の厚紙だけ。
その厚紙をゆっくり開いたら、電報がバン!ッと大きな音を立てて爆発した。
「きゃっ!!」
部屋には杏子さんと姫香さんの悲鳴が響く。
音は派手だったが、爆発は電報の中身がはじけた程度、驚いた杏子さんが尻餅ついたが、目に見える限りでは被害はそれだけ。
しかし…
ーガシャーン!!
電報の爆発のすぐ後、それを合図にしたように、塞いでいた窓ガラスが割れて大柄な人影が侵入してきた。
それは、白のタキシード着た、派手な髪の男で、いかにもヤンキーな顔。耳にはピアスが無数にあって、右の唇に丸いピアスまでしていた。
男はすぐに花嫁の隠れてる衝立をなぎ倒し、懐から出した二つ折りのポケットナイフを鮮やかに組み立てて、ウエディングドレスとベールをつけ、これから幸せな結婚式を迎えるはずの花嫁をひっつかんで、ナイフを正面に振りかざす。そこには、杏子さんと入り口に駆けつけたスタッフの格好の百目鬼さん。
ナイフを見て固まってる2人を見て。ストーカー男は狂ったように怒鳴り散らす。
男「邪魔すんな!!姫香は俺の花嫁だ!!」
いきり立って興奮状態の男は、ナイフを入り口側と花嫁と交互にちらつかせ、花嫁は恐怖で縮こまって震えてた。
男「邪魔するなら八つ裂きにしてやる!姫香と結婚するのは俺だ!!」
新婦の控え室は、一瞬にして凍りついた…
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