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〔裏番外〕狂愛♎︎純愛8
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俺は、一体どおすればいい…
マキを大事にしたい。だけど、近づけば、あの薄ら笑いを壊して辱めたい。
遠ざけても、結局、一瞬にして捕まるんだ。
あの魔性と、無垢な反応に…
俺の手に抱き込んで閉じ込めて、もうやめてと懇願されても絶頂を与え続けて泣かしたい、俺が好きだと言わせ続けたい…
穏やかな恋愛が出来ない俺は…
異常者以外の何者でもない…
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最近、マキの様子がおかしい…。
いつもは、1分と空けずにメールの返事が来てたのに、30分くらい空くようになった。
別に、俺のは急用ではないのだが、朝は〝朝飯食ったか?〟夜は〝夜遊びしてないか?〟とか、生存確認的なメールだ、元々マキの夜遊びを監視してた時のメールが今だに続いてるだけなんだが…。
矢田「ど、百目鬼さん…」
百目鬼「あ?なんだ」
矢田「す、すす、少し休憩されては?」
仕事に没頭する俺のデスクには、山盛りの吸い殻が積んである灰皿、辺りは薄っすら煙で霧のようになっていた。
矢田「禁煙されてたんじゃ?」
百目鬼「そんなもんしてない、事務所では控えてただけだ」
マキといる時は吸わないタバコ。事務所にマキが出入りするようになってからは、事務所内でもなるべく吸わないようにしてた。
確かに、マキと再開前は1日二箱だったのが、再開して一箱に、最近は1日に半箱まで減少していた。
が、今目の前にあるのは、明らかに一箱強の吸い殻。
バツが悪くなって、灰皿を給湯室に持って行くと、檸檬がわざとらしく俺の横を通り、俺にだけ聞こえる声で、ボソッと言った。
檸檬「可哀想、ほったらかされて」
はあ!?
俺は放ったらかしにはしてない!!1日に1回はメールして、時々夜電話してやってる。そういうもんじゃないのか?俺は義務は果たしてる!!
クソッ!
無視しようとしたが、結局気になって、仕事終わりに、マキに「今からお前の家に行く」って電話した。
マキ『え?、お仕事大丈夫?』
マキは冷静だった。
そこは「本当♪嬉しい♪」じゃないのか?!
怒り任せにマキの家に飛び込んだ。
マキ「いらっしゃい♪、百目鬼さん」
そこには、電話でそっけない声を出したマキの姿はなくて、嬉しそうに尻尾振ってるマキがいた。
あれ?俺、早まった?
またセックスになってしまうのかもと脳裏を過ぎったが…
マキは意外に普通に俺と過ごした。
時々、眠そうに目を擦ってて、エッチに持ち込む、なんてそんな素振りは見せなかった。
マキ「ふあぁ〜」
何度目か分からない欠伸。
しまった、マキのやつ、俺が泊まりの回数減らしたから、上手く寝れてないのかもしれない……
百目鬼「眠れてないのか?」
心配でそう聞いたのに、マキの答えはふざけたものだった。
マキ「うん…、オナニーしすぎてシーツ汚して何度も洗ったから、百目鬼さんの匂いしなくなってきちゃって…、なかなか熟睡できないの」
ア〝?
百目鬼「おい、ふざけるな」
マキ「ふふ、本当だよ♪」
ヘラヘラ笑うマキ、俺は、一生懸命言葉の中身を考えた。ってか、なぜそもそもそんな難解な謎解きみたいなことしなきゃならない、ストレートに寂しいとか何とか思ってる事言えばいいんじゃないのか?なんだそれ?ふざけた言い方しやがって、下ネタはもうやめろ!
百目鬼「お前は本当にセックスのことしか頭にないのか。俺が好きだって言うのは、俺じゃなくて、俺とのセックスが目的なんじゃないのか?」
マキが益々妖しく笑う。
マキ「ふふ、百目鬼さんのことが好きなんだよ」
百目鬼「…」
マキ「百目鬼さんが嫌なら、無理にセックスしなくててもいいよ」
違うだろ?
百目鬼「………跨ったり勝手にしゃぶったりしてる癖に。…俺は、嫌だなんて言ってない…」
好きなら、もっと言うことあるんじゃないのか?
マキ「ねぇねぇ百目鬼さん、セックスの回数減らすなら、勃起したチンコの型取らせてよ、お手製バイブにして、それで我慢するからさ」
百目鬼「……やっぱチンコが好きなんじゃねーか」
だめだこりゃ、話しにならない。
マキ「百目鬼さん」
百目鬼「あ?」
呆れて返事した俺の首に絡みついて、マキが唇に吸い付いてきやがった。
柔らかい唇の感触にヌルッと舐められて、グラッと傾いた理性とマキの行動に腹が立った。
マキ「ん…」
百目鬼「くっ…こら!止めろ!」
直ぐに引き剥がし、距離をとる。
たった一度のキスに、馬鹿みたいに反応して、だけど、俺はこんなことがしたいんじゃない!もっと話しをしたり、側にいるだけで満たされるようなちゃんとした〝普通〟の恋愛をだな…
マキを睨むと、マキはヘラッと明らかな作り笑いでヘラヘラとり繕っていた。
その頭には、幻覚の猫耳が消えていた。
まるで、仕事の受け答えみたいにテキパキ喋るマキ。
しまった…言いすぎたのかも…。
そうは思っても、どの言葉がダメだったのか、分からない。
俺はただ、ちゃんとしたいだけだし、セックスばかりじゃない関係を作りたいだけなのに、マキには伝わらない…
マキ「…ふふ。おやすみのチューでした♪♪僕、やっぱ眠たいからもう寝るね♪。百目鬼さん今日はもう帰るんでしょ?」
百目鬼「ああ…、帰ってまとめておきたい資料が…」
マキ「今日は来てくれてありがとう、嬉しかった♪」
俺を、追い出そうとしてるのか?
百目鬼「………」
マキ「あんまりお仕事無理して体調崩さないでね♪」
檸檬『マキちゃんに嫌われちゃいますよ』
檸檬の言葉がよぎり、胸が痛む。
セックスしないと嫌われるのか?
俺のやり方は、マキに分かってもらえないのか?どうしてだ、修二との過去の話をした時、マキは誰より俺を理解してくれた。長年の呪縛を解いてくれた。マキなら多少苦労しても上手くやっていけると思った。〝あの惚れ薬のマキなら〟、俺と上手くやっていけるんじゃないかって…
マキ「おやすみなさい、百目鬼さん」
玄関に案内されて、呟くように言ったマキ。
その時俺は、考えた。
檸檬『マキちゃん可哀想』
マキは、下ネタ混じりじゃなきゃ本音を上手く言えない。それを信じるなら、マキの行動の理由は、〝寂しいから〟だ。
だが、一緒にいるとセックスばかりしたがる。だから、流石に疑いたくもなる。マキの気持ちも、好きだという対象も…
もしかしてマキは、本当に、俺から離れようとしてるのか?
最近変なのはそういうことか?
こんなに優しくしてやってるのに、セックスしないとそうなるのか?
檸檬『避けるなんて、可哀想ですよ。マキちゃんあんなに可愛いのに』
可愛いがどおした!可愛いのは分かってんだよ!嫌ってほどな!その可愛さを武器に、跨って誘惑して俺を暴走させて…
『うん、…好きな人から貰ったの……』
グッ…
泉『マキが寂しくて、今から夜遊びしに行こうっていってますよ』
うぅ…
考えに考えてグルグルしだし、改めて、マキを見た。
マキは、ニコニコしている筈なのに、その笑顔には感情が無く見えた。
猫耳もしっぽも見えない。普段ウザいぐらい見えてるのに、肝心な今、見えてこない。
寂しくて、でも言えなくて、胡散臭く笑ってる?
………………。
百目鬼「…………クソ…」
吐き捨てるように言葉が漏れ、舌打ちした。
その答えを、俺が悶々と考えたって埒が明かない。
マキを肩に担ぎ上げて寝室へ向かう。ドアを乱暴に開け放ち、ベッドにマキを放り投げた。
不意をつかれたからだろうか、マキは瞳をパチクリさせて驚きを隠せない。
素のマキだ。俺が何したいか分からなくて、キョロキョロパチクリ困惑してる。
俺は、そんなマキと一緒に布団に潜り込み、無言で抱きしめて添い寝した。マキは完全に余裕をなくし、オロオロと瞳が慌ただしい。
そして不思議なことに、猫耳が復活して、完全に猫耳が〝困ったちゃん〟になってた。
ハハッ、素直なマキがいる。
そう思ったら、もっと意地悪したくなった。
百目鬼「今日は仕事が残ってる、お前が寝るまでくらいならこうしといてやるから、そうすれば少しは匂いがつくだろ」
そう言った途端、マキは頬を桜色に染めた。
瞳をパチパチと忙しく瞬いて、どんどんその色を濃くしていく。まさに、赤面。
困惑したマキは、何かをグルグル考えているのか、困った風に眉が寄り、若干苦しそうでもあった。だが、マキの縮こまってる手が、俺の体に遠慮がちに手を伸ばし、恐る恐るキュッと抱き締め返してきた。
マキは、戸惑った瞳をしながら、俺を見上げる。面白いので優しく頭を撫でてやる、俺の腕の中で、欲情の色を濃くした瞳で切なげに俺を見上げながら、瞳を瞬く。
誘ってるのとは違う。
なぜかそう思った。
マキ「…」
百目鬼「おい、そんな目で見るな。寝ろ、目をつぶれ」
マキ「…」
でも、流石に見られ続けて理性が持つわけない。仕事も残ってる。
暫く抱きしめていたが、マキは、俺を誘惑せず、固く目を閉じて大人しく腕の中にいた。
なんだ…、やればできるんじゃないか。
マキは恐らく、俺の仕事が残ってるっていうのを気にしたのだろう。でも、マキはそれでも性欲に従って跨ってくると思っていた。
だけど、今のマキは、大人しく腕に収まってる。
マキも、分かってくれないもんかな…
こういうのが〝普通〟だって…
こういう穏やかな時間も必要だって…
マキ「…百目鬼さん…好き…」
マキは、小さく懇願するように呟く。
百目鬼「…おやすみ、マキ」
あやすみたいに優しく頭を撫でてやる、大事に大事にしてるって、分かって欲しい。セックスばかりじゃないって…
この気持ちが伝わるように……
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