アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
〔裏番外〕狂愛♎︎純愛24
-
マキと最悪な状態になっていくにつれ、奏一との関係は良くなっていく。
奏一と会う場所を居酒屋に変えた。
ここは、知り合いが経営してる夜月と言う居酒屋。万が一の時は、裏口がある。
奏一とは、仕事の他にポツポツと昔の話しや普通の話題なんかを話すようになっていた。
奏一は、日に日に疲れた顔になっていた。営業妨害のダメージもあるのだろう、奏一は他の社員の安全を第一に考えて、見回りなどしていて心労も多いいし、何でも抱え込む。
さらに、俺には気になることがあった。奏一の店の羚凰というガキだ。店に行くたびに、威嚇してきやがってた。
奏一を困らせてなきゃ良いんだが…。
悩み事は無いかと聞いたら、突っぱねられた。まぁ、俺なんかに話したくは無いだろう…。奏一の役に立てるなら、何だってしたいが、俺が奏一の悩みを聞くとかは、奏一にとってされたくないことだろう…。
謝る俺に、奏一は複雑そうな顔を浮かべ、口を開いた。
奏一「………悩みって言うか、聞いてみたいんだけど、百目鬼は修二の前の恋愛事情とかどうだった?」
え?
俺の恋愛事情?そんなのが聞きたい?俺なんかの話しを?そんなの聞いても気分が悪くなるだけだと思うが…
何故そんな事を聞くのか分からないが、奏一が聞くんだ、正直に答えた。
百目鬼「…修二の前は、お前が好きだった」
奏一「ッ、その前だよ」
しまった。奏一の気分を害したかも…。言葉には気をつけなけりゃ。
俺は、言葉を慎重に選んで、奏一の前に好きになったやつの話しをした。
男を好きなことに気づき、苦しんだ過去。気持ちを口にすることもなく。好きな奴を泣かしたいと思ってしまう性癖のこと。
奏一と、〝普通に過ごせてた〟思い出も、その裏側には俺は欲にまみれてたと、告白した。俺の中に純愛は存在しない。
奏一「………お前、修二の事諦めたのか?」
…すまない奏一。俺が今だに修二に会ったりするから、不安にさせるんだよな。だが、安心してくれ、本当に、本当に今は、修二の幸せを心から願ってる。修二をどうこうしたいと思う事はもう無い。
修二の卒業式で、修二の幸せそうな声を聞いた。
1年半後、俺の前で、むつと華南の事を話しながらハニカム修二を見れた。
ちゃんと分かった。修二を笑顔にしてやれるのは、俺じゃない。
マキに叱られて、ちゃんと修二と向き合った。マキに救い上げられて、修二の幸せを心から望めるようになった。
百目鬼「…………諦めた。…だけど、気持ち悪いかもしれないが、奏一と修二のことは好きだよ。どうこうしようとは思ってない、ただ、幸せになって欲しい…、俺に言われたくないだろうけど…すまん」
信じてもらえなくても良い。でも、もう俺が修二や奏一に危害を加えることだけはもうない。奏一が近づくなというなら、この依頼が終わったら、2度と関わらないと約束する。
奏一「……新しく好きな奴は出来たのか?」
唐突な言葉に驚いたが、奏一にとっては重要な問題だろう。俺が、修二じゃない誰を好きになって付き合ってるなら、その方が安心できるに決まってる。
奏一「俺はてっきりこないだ一緒にいた修二の友達のマキって子に手を出したのかと思ってたよ」
ッ!!
ドクンッ、と心臓が脈打った。
強張った身体中から冷や汗がジワッと染み出た。
奏一「でも流石に違ったな、〝修二の友達〟に〝手を出せる訳ない〟もんな…」
百目鬼「…」
ードクン、ドクン
やはり、そうだよな…
そうなんだよ…
俺は、やっちゃいけない事をしてる…
マキは、修二の友達だ…
許される関係じゃ無い…
俺が反省できてたなら
そんな非道なことが出来るわけ無い…
マキを俺の餌食にするべきじゃ無い…
マキ『百目鬼さん、…好きだよ』
マキと居ると心がざわつく…
マキ『百目鬼さんのしたことは許されることじゃ無い、だけど、キチンと向き合って、背負って前進しなきゃ、それが修二の望むことで、罪滅ぼしじゃ無いの!』
マキには沢山救われた…
マキ『僕…泣くとか最悪でしょ』
それなのに自分は弱みを隠そうとして…
マキ『同情とか大っ嫌い!』
自分に対する愛情に飢えてて…
マキ『僕…死んじゃいそう…』
ちょっと甘やかしただけで、死ぬほど喜んで
マキ『百目鬼さんの望む僕でいたい』
儚い…
マキ『ねぇね見て見て!コレ百目鬼さんにそっくり♪♪』
可愛くて…
マキ『えへへ♪可愛いティーカッププードルにはキスしたい♪♪』
可愛くて…
マキ『ずっと側にいたい…』
可愛い過ぎる…
なのに、笑顔にはしてやれない…。
奏一「百目鬼には悪かったけど、マキ君にたまたま会って聞いた。〝付き合ってない〟って笑われたよ」
付き合ってちゃいけないんだ…
奏一「…俺、あんたのこと憎むのもう疲れたんだ…」
百目鬼「え?」
奏一「許せない気持ちはあるけど、許してしまいたい」
百目鬼「……そんなこと、言うな。俺は一生許されないことをした」
マキにも手を出してる。
泣かしてばかりいる。
奏一「時々思うんだ…、あんたも修二も変わろうとして必死で、修二は本当に強くなった。あんたも変わった。俺だけが前進してない。それに、あんたに修二を汚されたと考えてる俺って、修二を汚れたって言ってるみたいじゃないか…」
百目鬼「……奏一、俺が全部悪いんだ…すまない」
俺と出会わなきゃ…お前たち兄弟は幸せに暮らせてた…
マキも、泣かなくて済んだ…。
奏一「…あんたが昔みたいな優しい目をすると、苦しくなる…」
百目鬼「俺は、優しくなんかない。優しいのは奏一や修二だ…優しすぎる。俺のことは憎んで許さなくていいんだ。お前と修二が幸せになるように、邪魔しないように影から協力するから、いつでも使ってくれ」
俺が、優しいんじゃ無い。修二や奏一や…マキが優しいんだ。
瀧本の件も、マキの事も、早急になんとかしなきゃならないな……
奏一と久々にたっぷり話をして、今日は全て俺のおごりだと奏一にはタクシー代を渡して店から出した。もちろん奏一は怒ったが、俺達が何者かにつけられてる事を教えると、すんなり帰ってくれた。
会計を済まし、あとから店を出た俺は入り口を出たすぐ横で待ち構え、次に慌てて現れた男を捕まえた。
百目鬼「コソコソつけ回しやがって、どこの下っ端だ」
胸倉つかんで壁に押し付けたら、30代前半のひげ面に帽子を目深に被った素朴そうな男は、縮み上がって両手を挙げた。
男の雰囲気から、瀧本や朱雀関係の人間には見えない。警察に突き出すと脅したら、男はシドロモドロ言い訳始め、どれも信憑性にかけたので〝念入りに丁寧にお話ししたら〟白状した。男は、探偵だった。
探偵は依頼人の名前はさすがに隠し通したが、探偵事務所に乗り込んで、所長に話しをつけた。
所長は依頼人に話を通し、依頼人が俺に話したい事あると出向い出来た。
その男を見た時、俺は怒りが湧き上がった。
そいつは、結婚式場でマキに抱きついていた、マキの初恋相手。
清史郎「初めまして、私、茉爲宮清史郎と申します。優絆の育て親です」
百目鬼「ゆうき?」
清史郎「あなたの事務所で、〝マキ〟と呼ばれているのは、本名〝茉爲宮優絆〟といいます。家出中の私の大事な子です」
なッ‼︎?
僅かに含みのある清史郎の言った〝マキの本名〟という言葉に、激震が走った。
.
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
690 / 1004