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〔裏番外〕狂愛♎︎純愛29
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マキの言葉に、俺の感情は渦を巻く。
自分ではどうしようもないぐらいグチャグチャで、勝手な事ばかり湧き上がっていた。
大事にされてないだろ!昨日だって無茶苦茶に犯されて…幸せ?お前、あんなんで幸せなのか?それともハードSEXが良かったからか?そりゃいつもお前は俺を怒らせる!心配させる!でも!いい恋人じゃないのは俺もだし、泣かせるし!悲しませるし!怒鳴るし!めんどくさいのは明らかに俺だろ!こんな性癖でこんなめちゃくちゃなクズ。
お前はめんどくさくはない。手がかかるし、嘘つきだし、すぐヘラヘラするが、誰より人の気持ちを考えられて、誰より無邪気で、誰より真っ白な心を持ってて、誰かの気持ちを救う事ができる、それに……何より可愛いだろ…。
寝坊助で、甘いもの大好きでリスみたいにほっぺ膨らませて、何でも美味しそうに食べて、愛嬌あるし、みんなから好かれてるし、本当は寂しがりやで、甘えたで、恥ずかしがり屋で、耳真っ赤にして。いつもは人の事からかってばっかなのに、料理を教えて手を握っただけで、肩をフルフル震わせて、顔真っ赤とか馬鹿だろ!すぐに人に跨って妖艶に微笑んで惑わすくせに、奉仕される側が苦手で恥ずかしがるとか意味分かんないんだよ!小悪魔なら小悪魔らしく最後まで小悪魔でいろよ!クソ可愛いんだよ!
我慢?ああ、我慢したさ、俺がしたい事全部我慢したさ!撫でくりまわしたいのも、甘やかし尽くしたいのも、誰にも見せたくない独占欲も。俺はいい恋人じゃなかった。だけど俺なりに必死に恋人らしくしてきた!〝普通〟の恋人になれるように頑張って我慢した。その時間は無駄だったのか?
俺は大事にはできなかったけど…大事に出来るようにした…なのに、お前は、俺が苦しんでるとか…、付き合って〝くれた〟って…。
俺たちは、付き合ってたんじゃないのか?
それとも…
別れたい、けど、俺を傷つけないように自分を卑下してるのか?
さっきはいつ会える?って、聞いたくせに、本当は会う気もなかったのか?
喜んだ俺が間抜けだったのか?
なぁマキ…、俺の知ってるマキは本物か?
それともお前は、俺の知らない茉爲宮優絆なのか?
百目鬼「……」
マキ…俺と付き合ってて
…幸せだったなんて…嘘だろ
俺がお前を大事に大事にしてたの、伝わらなかったのか?
お前が笑っていられるように、これでもあれこれ考えんだ。〝普通に〟大切にできるように、これでも努力したんだ…
なぁ、俺の気持ちはお前に伝わらなかったか?
伝わるわけもないか、結局、泣かして犯して…、こんな俺が何ができたっていうんだ?マキに、ちゃんとした恋人だと思てもらってすらいない…。
付き合ってくれたって…
付き合ってる=恋人の意味じゃないだろ?まだ、ペットみたいに思ってたのか、愛玩具のつもりだったのか?
お前が何考えてるか分からない。
マキなのか、茉爲宮優絆なのかも…
本当は、俺のことどう思ってるんだ?
百目鬼「…」
睨むように見つめても、マキの表情は変わらない。
優しく微笑んでいるかのような表情で俺を見つめたまま、俺の答えを待っている。
マキが、何考えてるか分からない。
ただ、マキは、俺といない方が幸せだってことだけが分かってる。
マキにいつ会えるか聞かれるだけでグラつくほど、俺は、マキに執着してる…。
そして付き合い続ければ、また、昨日のように乱暴するだろう…
何を迷ってる…
何を躊躇してる…
マキが大事なら、そうするべきなんだ。
せめて…最後くらい、傷つけないで終わりたい……。
マキ「…」
百目鬼「……お前が…
そうしたいなら、そうしろ…」
マキ「……」
マキの表情が読み取れない。
マキがどう思ってるのか知りたい。
だが
いつもみたいにヘラヘラするのは見たくない。別れても平気だって顔なんか見たら、また酷いことをしそうで、目を閉じた。
マキ「…百目鬼さんは…」
言いかけた言葉は、聞かせてもらえなかった。
マキにとって素直でいられるのは、俺じゃないなんだと、ダメ押しされた気がした。
マキ「…ワカッタ」
マキは、〝別れたくない〟と言わなかった。
〝ワカッタ〟と、静かに呟いた…
別れたくないと泣くわけもない…
マキは、いつでも消えれるように準備してたんだ。
行き先は、あの清史郎の元だろうか?
誰でもいい、マキを笑顔にしてやれるなら、その方がいい。その方がいいに決まってる。
マキは
俺無しで生きれるんだから……
やけに耳に響くのは、マキのしてる青い腕時計の秒針。
腕時計は束縛だと言われたのを思い出し、反省した。知ってたら、腕時計なんか選ばなかったのに…
北海道であの腕時計を手にしたマキは、本当に喜んで、ありえないくらい感情的に涙を流しながら、顔をシワくちゃにして
『…死んじゃいそう…』
『好きで…死にそう…』
そう言って、キラキラと星屑を写した綺麗な涙をボロボロこぼした。
あと時、全部俺ものだと思った。
あればっかりは、どう考えても演技には見えなかったし、あのあとマキは本当にずっと可愛かった。
笑顔には出来なかったけど、心から喜んでくれた。喜んで貰えるように出来たんだと…
やっと…好きなやつに喜んでもらえることをすることが出来たんだと…
そうか…
あの頃から…
もう、可愛いやつってだけじゃなかったんだな…、とっくに境界線を犯していたんだ…
後のことは任せろ…
瀧本は俺が必ずとっ捕まえてやる。
朱雀のことも、俺と会わなければ心配ない。
あの時、北海道の星降る夜に、お前を俺だけのものにして閉じ込めてしまえばよかったなんて頭を過る俺は、
もう人じゃないんだろう…
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