アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
〔裏番外〕狂愛♎︎純愛37
-
背中にこんな傷を作って、神に内緒でこの件を片付けようとしてたのか?
無理に決まってんだろ!
マキ「僕のせいだから。お願い!百目鬼さんに言わないで!」
マキは必死に俺に縋る。
だが、俺が瀧本のことを教えたのはこうなるのを防ぐためだ。
賢史「は? !お前馬鹿だろ!!」
マキ「だって僕のせいだから!僕のせいで奏一さんにも百目鬼さんにも迷惑かけたから!百目鬼さんは優しいから自分を責める!だから僕1人で片付けるつもりだった!」
いやいや!お前らおかしいだろ!お互いがお互いを守ろうとしながら、全然見当違いな事してる。神は出来もしないくせにマキを遠ざけたり、マキはそんな細っこい体で大きな神を守ろうとしたり…
賢史「そういう馬鹿な考えを止めろって俺は言ったんだ!!大体…ッ!?」
縋るマキの肩に触れた時、俺はマキの異変に気が付いた。
マキ「馬鹿じゃない!百目鬼さんに迷惑かけた後始末しただけだもん!」
必死に叫びながら縋るマキの体は、物凄く熱くて、マキの顔をよく見たら、目の瞳孔が開いてて明らかに様子がおかしい。
賢史「おい!なんか飲まされたのか?!」
マキ「お願い!百目鬼さんに言わないで!」
マキは混乱してるのか、こっちの話がちっとも耳に入らない。
賢史「神に隠せるわけないだろ!もうバレてる!それにすぐに神が来る!
何飲まされた?お前今普通じゃないぞ」
マキ「ッ…、駄目…洗わなきゃ…汚い…」
神が来ると聞いた途端狼狽えたマキは、フラフラ歩き出し、部屋の隅にあった自分の服を拾い出す。
賢史「待て待て、まだ加害者を部屋から出し終わってない!」
寝室には、俺とマキと現場検証の警官だけだが、隣のリビングには、瀧本をはじめとした取り巻きの男たちの取り調べをしながら服を着せていた。
マキの腕を掴んで止めたが、マキは暴れる。
マキ「離せ」
賢史「お前今まともな判断できてないぞ!落ち着け!何飲まされた!それに精液まみれで外に行くな!そんなんで隠せる訳ないだろ!神にバレバレだ!」
神にバレるという言葉に、マキはピタッと暴れるのをやめた。
取り敢えず、体を拭くように促し、綺麗に拭いて服を着せる。これで一時的になら背中の傷は隠せる。
何か変な薬を飲まされてるだろうマキには、病院で落ち着くまで本人の希望を叶えるしかない、今パニックを起こされて泡吹かれても、医者じゃなきゃどうともできない。
やっとの思いでマキに服を着せ終わり。下には救急車も到着した。神には悪いが、このままマキを病院に運んじまった方が良いかもしれない。
そう思ったが、遅かった。
百目鬼『瀧本ぉーーーー‼︎‼︎‼︎』
リビングで百目鬼の怒声が響く。
檸檬や高が百目鬼を制止する声と、瀧本の悲鳴が同時に聞こえた。
しまった!!マキを落ち着かせるのに時間使い過ぎた…
慌てて寝室のドアを開けると、獰猛な猛獣と化した神がブチ切れ、大人の男5人係りでおり抑えられていた。
瀧本はというと壁にへばりつきブルブル震えてやがった。
百目鬼「それで脅したのかッ!!」
牙剥き出しで叫んだ神の視線の先には、全裸の瀧本が腕につけてる腕時計を震えながら必死に外そうとしていた。しかし、ビビって震える瀧本は、腕時計を外す事ができずモタモタしながらやっとの思いで外しつ床に置いた。
腕時計のことを知り怒り狂う神。神がああなったら誰にも止められない。神は怒りが収まるまで暴れ回る。俺も過去に何度神の暴走を止めに入ってぶっ飛ばされたことか…
現に5人係りで抑えても神はジワジワ前進し、非力な檸檬は払いのけられ、神は今にも瀧本を殺しにかかりそうな状態。
神をお縄にする羽目になることだけは全力で止めたい
噴火し続ける火山に飛び込む思いで止めに入ろうとしたら、俺の後ろからマキが飛び出した。
マキ「百目鬼さん!やめて!」
賢史「危ない!」
俺の制止を聞きもせず、マキは百目鬼と瀧本の間に飛び出した。
怒り狂う百目鬼は、完全に目がイっちまってて。今、最もするべき事が何か見えてない。今の百目鬼は誰にも手につけられない朱雀時代の百目鬼そのものだ。
腕を振り回し、取り押えるものをなぎ倒す。これ以上は押さえつけてられない。
百目鬼「ぶっ殺してやる!!」
檸檬「百目鬼さん!!」
賢史「神!やめろ!」
火山状態のまま暴走機関車のように前進をやめない神に、周りの警官たちも加わり抑えに係り必死で止める。
ブチ切れてる神の瞳には殺意以外の何も映ってない。俺たちの声も全く届いてない。
マキ「百目鬼さん!!」
止まらない神に、マキが無謀にも抱きついた。
下手すれば、ぶっ飛ばされちまう。
神は怒り狂ってる時。その時の事を覚えてないほど頭真っ白になる。だから、呼びかけても無駄だ。
マキ「ごめんなさい、百目鬼さん。ごめんなさい」
細い腕でギュッと必死に神を抱き締め、神の名を呼んだ。
すると、神の体の力が抜けていき、動きが止まった。
マキ「百目鬼さん…ごめんなさい…」
マキの必死な掠れ声に、神の動きが完全に止まった。
神の顔は、怒り狂った色が薄れ、自分の胸に抱きつき震えるマキを、悔しそうで悲しそうな複雑な瞳で見つめていた。
嘘だろ……、神が…止まった……。
正直驚いた…
神と知り合って神が止まったのを初めて見た。
マキ「百目鬼さん…」
抱きついて顔を埋めるマキに、神は複雑な悲しい表情をして、そして歯を食いしばり、マキを引き離して、なけなしの理性を絞った様子で質問した。
百目鬼「なぜ…、俺に連絡しないで、瀧本に着いてった…」
マキ「…それは、瀧本が僕の家に突然来て…、奏一さんの店の嫌がらせ辞めさせたいなら一回プレーさせろって言うから、交換条件したの」
よくもそんな嘘がスラスラつけるもんだ、本当は、神の過去をばら撒かれたくなかったら言うこと聞けって言われたんだろ…。
さすがに神は、今さっきの取り調べの内容までは知らないだろうが…
百目鬼「……、じゃあ、てめぇーは、奏一への営業妨害をやめさせるために、瀧本達に着いて行ったって言いたいのか?」
マキ「ごめんね、僕のせいで奏一さんまで巻き込んで、僕1人で片付けられると思って…、心配させてごめんね」
おーおー、すっかり女王様の顔に戻ってやがる。さっきまでブルブル震えて錯乱してやがったのに。背中が出血してるなんて分からないほどしゃんとしてやがる。
しかしその言い訳。凄いマズイと思うんだけど…
ほらほら、神の鎮火したはずのものがふつふつと煮えて、拳握りしめて怒りに震えてやがる…
百目鬼「………ッ、ざけんな」
マキ「え…」
誤魔化そうとするマキの姿に、神の怒りが大爆発。
百目鬼「ざけんなッ!!お前みたいな面倒くさいガキ、もう知るか!終いだッ!!お終いにしてやる!」
.
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
704 / 1004