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(番外編)純愛>♎︎狂愛2
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退院の日が決まった。
毎日ベッタリ僕の看病してくれた清史郎さんは、今日は僕と住むところを探しに出掛けてる。
僕の一人暮らしのマンションは解約する。
あんなことがあったのだから、住まいを移すべきだと断固として譲らない、面倒だから了承した。
元々、百目鬼さんと同棲したくて荷物は開けてなかったから、直ぐに事は済む。
荷物は清史郎さんが預かって貰って、枕元に並べてあったキーホルダーは持ってきてもらった。
退院したら夏休みまで1週間もないからって大学に休みの連絡を入れてる。
僕を捕獲する気満々の清史郎さん。
僕の方は適度に泉が息抜きさせてくれるから、清史郎さんのことはほっといてる。
僕は、何の希望しないから好きにすればいい。
ーピロン♪
メールの着信音に携帯を覗き込む。そこにはむつの名前。
《おつー( •̀ .̫ •́ )!。お前最近見ないな、レポート溜まってんのか?(笑)菫ママが夏休みにヘルプに入って欲しいってよ。お前のとこいつから夏休み?海行こうぜ海!お前パーカー着用な!水着だけとか、お前の後ろに男女問わず列ができそうでこえーから、露出の少ない格好にしろよ、襲われてもお前を助ける暇はないぜ、俺と華南は修二見張るので精一杯だからよ。
つよしに声かけてるし、泉の野郎も呼べよo(*゚▽゚*)o夜は花火しようぜー!》
マキ「ふふふ、むつ君可愛い♪」
むつは、菫ママの店でお姉様方相手にマッサージをしている。僕が菫ママに紹介したら、菫ママの店のお姉様方が「ヤンチャなイケメンがいる!」って囲み、予約が殺到。
むつは必死にお仕事して。今では近所のオカマバーからも予約が入ってて大人気。キッチリ勉強してたから、腕は良いし、若くて生きが良いからお姉様方が取り合っちゃって、むつはむつで媚びたりせずに正直だから、Mっ気のある人はわざと怒らず様なこと言ってブツブツ言われながらマッサージされるのが流行ってるらしい。ふふ、超ウケる。流石むつ君。
悪いけど、今はむつ君に会うほどの元気はない。海には行きたいけど…、すごく行きたいけど…。
修二とむつと華南に会いたいな…
でも、泉は泉でダメって言うそうだし
清史郎さんは清史郎さんでダメって言いそう
ーコンコン
ドアをノックする音に、噂をすれば何とやらなのかと思って、泉か清史郎さんだったら、今は泉がいいなーって思ってたら、違ってた。
ドアを開けて入ってきたのは、スーツ姿の若い男。どこか見覚えのあるような気もしたけど、すぐにピンとこなかった。
「未成年の癖に個室とは豪華だね」
嫌味ったらしく部屋を見回す男は、真っ直ぐ僕の横に来た。
20代半ば?といった感じだけど、妙な貫禄がある。立ち姿から見下した感じと態度のデカさが伺える。
「また寄生してるのか」
その言葉にハッとして、この男が誰なのか分かった。
腹違いの兄、成一(せいいち)さんだ。
成一「災難にあったんだってなぁ、の割に元気そうじゃねぇの、どんなに惨めな姿になったかって楽しみにしてたのに。
いなくなって清々したと思ったら、また現れやがって、まだ親父の金狙ってんのか?」
憎しみの籠った目で見下ろされる
この人は、ずっとずっと僕を恨んでる。
普段は母親思いの良い人だけど、僕にだけは、鬼のような顔で睨んでくる。
マキ「いいえ、お金なんかいりません。なんなら遺産相続放棄の書類書きますよ。ここの入院費は自分で払ってます。清史郎さんとは、たまたま再会して、今回の入院でどおしても看病したいと…」
成一「…ふーん」
聞いてるのか聞いてないのか、成一さんは何か言いたそうに僕のことをジッと見てる。まとわりつくような瞳で
マキ「あの、なんのご用でしょうか?」
成一「お前、売専してんだろ。頼みたい事あるんだけど幾ら?」
僕のこと何か調べた?
マキ「僕は売専はしてません」
成一「嘘つけよ、ネットの世界では〝マキ様〟って有名だぜ」
マキ「そんな事実はありません」
体は売ってない。性癖の悩みを聞いてお手伝いしてただけだ。
成一「ふーん、そう。じゃあ、一晩体貸してよ。うちの会社の知り合いにソッチの人がいてさ、契約渋ってんだよ。親父が体調悪くて出てこられないの知ってるからって言いたい放題。なぁ、そいつを体使って落としてきてよ。今まで散々母さんの世話になっただろ?恩返ししろよ」
マキ「頼子さんは、そんなこと望む人じゃない」
頼子さんは、愛人の子供である僕を、キチンと教育してくれたすばらしい人だ。彼女おかげで、僕は大学に行ける頭があると言って良い。
成一「俺の母親の名前を口にするな!汚らわしい泥棒が!」
成一さんは僕の胸ぐらを掴んで今にも殴りかかりそうな勢い。
その時
「すいませーん、ここは病院ですよー」
呑気な声が聞こえてきた。
とても聞き覚えあるけど、この声を聞くのはだいぶ振り…
部屋の入り口に僕と成一さん2人で視線を向けると、そこには、めちゃくちゃ懐かしい顔があって、いつものように、陽気な顔してた。
禅「うわー、なんだか物騒なことになってるけど。助けがいるか?」
真剣味のかける声でそう言った禅さん。
去年振りで思わずポカンとしちゃったら、禅さんは今にも吹き出しそうだった。
そして、後から泉も顔を出す。こっちはメッチャ冷たい目で成一さん見てる。超怖い。
成一「フン、相変わらず男をたらしこんでやがるんだな。
あんたも気をつけないと破滅させられるぜ、俺はこいつの兄だ、こいつには酷い目にあわされたから何しても良い権利があるんだ」
胸ぐらから手を離し、静かに笑う成一さん。
まぁ、僕に何しても良い権利はあるだろうけど、この2人に喧嘩を売るのは非常によろしくない。
禅「ふーん、兄って事は、茉爲宮家の人な訳だ。俺、神明禅」
突然自己紹介しだした禅さん。
ニカッと笑ってなんだか楽しそう。
一方禅さんの名前を聞いて何かに気づいた様子の成一さんは、ハッとして禅さんを見て、なんだか慌てだした。
成一「…まぁ、いい。例の書類は書いてもらいにもう一回度改めて来るから、その時は覚悟しろよ」
そう言って成一さんは病室から出て行く。
泉と禅さんとすれ違う時、気まずそうに会釈して、足早に出て行った。
僕は、竜巻が去ったみたいにあっという間の出来事に口がぽっかり空きっぱなしだった。
実の父が体調不良だなんて今初めて知ったし。清史郎さんは何も言ってなかった…。となると、成一さんは会社の仕事継いでるんだろうし負担がいっぱいかかってイライラしてたんだな…、そんな時に僕がまた清史郎さんと接触してると分かっていても立っても居られなかったんだろう…。成一さん大丈夫かな?
って考えていたら、目の前の状況に頭回ってない僕を見て、禅さんが驚いてた。
禅「ワオ、重症じゃん」
泉「禅さん、邪魔しに来たなら帰って頂いて結構ですよ」
禅「冷たい冷たい泉君。変なの追っ払ったのに褒めてもくれねぇの?ご褒美くれても良くねぇか?」
泉「マキ大丈夫ですか?」
禅「無視!」
相変わらず息の合った漫才に、なんだか胸の中があったかい、だからかな?
ホッとしちゃて…
マキ「あはは…、久しぶり…なのに…息ぴったり…ふふ…ハハッ…」
泉にとってはいつものことだけど、僕のこんな姿を初めて見る禅さんはギョッとしてた。
泉「マキ、禅さんなら居て居ないようなもんですから」
禅「…」
マキ「ふふっ、修行して…気配消せるようになったのかもね…ふふっ…あは…ハハッ…ッかしいな…止まんないや♪」
泉「よしよし、頑張りましたね」
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