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(番外編)純愛>♎︎狂愛
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【修二side】
買い物から帰ってきたら、マキが居なくなってた。
慌てて部屋の中を探したけど、マキの荷物は部屋にそのまま。電話しようとして携帯を取り出したら、未読のメールが表示されてる。メールは華南からで、『マキと出かけてくる、夕飯までには戻るよ』とのこと。
もう、びっくりしたなぁ…。
マキは、だいぶ元気になったけど、どこまで元気かは分からない。未だに百目鬼さんの話題は口に出さない。
昔は、失恋のショックでかなり遊び歩いたらかしい、それは本人も言っていたし、泉さんからもやんわり注意された。
マキは、百目鬼さんと別れた現実を受け止めることができたのだろうか…。今回の別れは、積み重なったお互いの嘘や歪みが原因だ。だから、キチンと向き合ってもらわなくては困る。
マキの気持ちは痛い程分かる。僕ちゃんがもし、むつと華南と別れることになったら、きっとマキと同じような行動を取ったかもしれない。
誰にも言えず。自分の中で消化もできず。現実を否定しながら自分を責めて…。
百目鬼さんの気持ちも分からなくはない。
僕の友達っていうのが一番ネックになって、大事なことを見ないようにしている。
百目鬼さんのやってることは矛盾だらけだ、それをどうやったら分かってもらえるのか。マキはマキで、百目鬼さんが暴走するのは自分のせいだと言っちゃってる始末だし。
マキと百目鬼さんが二人っきりの時、どんな風なのかは僕ちゃんには分からないけど、昔百目鬼さんが、僕に昼間は優しくて夜になるとキレちゃてたからあんな感じだろうと思うけど、一つ不思議に思うことがあるんだよね。百目鬼さんがキレる原因の一つは、好きな人に好かれないからだ。でも、マキは好きだと言ってるし、本当に心から百目鬼さんが好きなのに、そんなに暴走するだろうか?
マキは百目鬼さんと付き合ってから体調を崩したり怪我をしたことはない。
「昨日は百目鬼さんと愛し合っちゃった♪」とかチャラケて歯型見せてきたことあるけど、普通に歩けてるし、乱暴されたようには見えないんだけどな…。僕ちゃんの時は、キレて無茶されると次の日学校いけないとかあったのに…、だから、百目鬼さんは昔よりSEXが優しくなったんだと思ったんだけど…。百目鬼さんはマキに乱暴してしまうと言ってた…。これってどっちの言い分が正しいのかな?マキはマキで無理してでも平気な顔しちゃうタイプだし、百目鬼さんは百目鬼さんで、マキを壊物を扱うみたいに恐縮しちゃってるし。
マキの言葉を借りるなら、ヒヨコに好かれて潰れないかビビるライオンだ。
百目鬼さん、マキはヒヨコなんかじゃない、そんな弱い生き物じゃないのに。
百目鬼さんはこのままマキを迎えに来ないつもりなのかな?
ープルルル♪プルルル♪
手にしていた携帯が震え、出てみると、それは華南だった。
華南は僕ちゃんに、「悪りぃ修二…」とすまなさそうに言ったあと、ビックリするようなお願いをしてきた。僕ちゃんは開いた口が塞がらなかったが、断れる状況にない。
そうして1時間後、華南とマキは帰宅した。
大きなお土産を持って…
マキ「見て見てぇ〜修二ぃ〜♪!!」
マキの腕の中には2匹の柴犬の子犬。
そして華南が手にするケースの中に、さらに柴犬の母親と、子犬がもう2匹。
華南「悪りぃ、修二、1日・2日だから」
華南は凄く申し訳なさそうな顔してる。
この柴犬たちは、華南の知り合いの飼ってる犬。今日遊びに行ったらしいのだが、飼い主が妊婦で産気づいたらしく、病院に担ぎ込まれたから預かってきたという。
人助けはいいんだけど…
ってか!命をホイホイ預かってくるな!
修二「緊急だからしかたないにしても、産後の犬ってデリケートじゃないの?」
華南「そこは、大丈夫、こいつ俺にすげー懐いてて、こいつ桜っていうんだけど、お気に入りのバスタオルがあれば結構落ち着いてるから。子犬は1ヶ月だから、そんな心配ないよ。それに、他にもいっぱい犬がいて、色々大変でさ、とりあえず、桜は避難させたかったんだ。俺んち犬飼ってるし、ばあちゃんちが柴犬飼ってるから、俺が面倒見るし」
華南がそこまで言うならまかせるけど、僕ちゃんは犬を飼った経験がない。
マキ「修二♪こっちの元気なのが、元気くんで、こっちの女の子が姫ちゃん、そっちの鼻の周りが黒いのが熊くんで、桜ママにベッタリなのが武蔵くん♪♪」
キラキラした笑顔で子犬の元気くんと姫ちゃんを抱きしてめてるマキは、本当に幸せそう。
マキってこんなに犬が好きだったんだ、知らなかった。
しかし、むつが帰ってきたら大変なことになると、僕ちゃんは思うな…。
夕飯の時間になって、むつが帰ってきた。僕ちゃんの予想どうり、むつ鼻凄い顔してリビングの隅にいる犬の居るゲージを睨んだ。
むつ「なんじゃこりゃ!!」
劇画タッチの激しいリアクションで驚き、愛らしい子犬たちを睨みつけるから、気の弱い武蔵くん以外の三匹がむつに向かって吠えまくる。
むつ「ちっこ!!ずんぐりむっくりの毛むくじゃらじゃん!!」
マキ「可愛いでしょぉ♪♪抱っこする?」
マキはゲージの前から離れず、ずっと子犬たちを構ってた。むつに向かってキャンキャン吠える元気くんを抱き上げて、むつに差し出す。
むつ「いやいや、無理無理、めっちゃ吠えてるし俺じゃ落としそうだしこえーよ」
マキ「そんなことないよ、ちゃんと抱っこして胸のところでキュッとしてあげると落ち着くんだよ」
そう言って、キャンキャン吠える元気くんを自分の胸の中に抱き込むと、子犬の元気くんは嘘みたいに大人しくなった。
マキ「ふふふ、お利口さんだねぇ」
むつ「怖ぇ〜、マキのやつ、犬まで手なづけるのか…」
マキ「むつくんだって直ぐに慣れるよ、この子達お利口さんだもん、犬はね、怖がったりするとそれを感じ取って犬まで落ち着かないから、ビビらなきゃ大丈夫だよ、それに子犬だよ可愛犬いでしょ♪」
その後もマキは、犬たちと戯れて一人はしゃぎまくった。
犬たちの相手をしてるっていうより、もう犬の仲間入りだね。
むつはやっぱり犬たちと仲良くできず、睨めっこしてた。睨むの辞めればいいのに。
華南は手慣れてて、親犬桜のお世話。でも、マキが近づくと、桜はマキに擦り寄っていく。流石マキ。
夕飯を食べてる時もずっとゲージの子犬たちを眺めてる。
いつもだったら食べ終わったら一番風呂に入るのに、マキはずっと子犬たちを撫でていた。子犬たちは、母親に寄り添い、そろそろおねむの時間。
修二「マキ、子犬たちも寝たし、お風呂に入ったら?」
マキ「…うん」
聞いてるようで聞いてない生返事。今日は華南もまだ入ってないから、後ろがつかえてるのに。子犬たちに夢中。
マキ「やっぱり、大好きなママのそばが一番いい顔してるよねぇ…」
うっとり眺めながら言った言葉に、含みはないのだろうけど、マキの後ろで僕ちゃんと華南とむつは視線を交える。
それって、大好きな百目鬼さんと重ねてる?
修二「マキ…、僕ちゃんと一緒にお風呂はいる?」
マキ「えっ!いいのー♪やったぁ♪」
子供みたいにはしゃぐマキに、影は見当たらない。だけど、マキは隠すの上手いから…、まだ少しんぱい。
マキ「ねぇねぇ洗いっこしよう♪♪」
修二「ハハッ、むつとした洗いっこがそんな気に入ったの?」
マキ「修二の上から下まで綺麗綺麗してあげるから、後ですんなり使えるように♪」
むつ「どこ洗おうとしてるんだ!!」
マキ「ふふふ、修二の秘密の園♪」
むつ「マキてめーは修二と入るな!」
マキ「ヤダもん♪修二が誘ってきたんだもん♪」
むつ「修二の穴は俺と華南のだぞ!」
華南「まぁまぁ、むつくん」
華南はニヤニヤしてるし。むつは言い方。マキは、わざとむつを怒らせてゲラゲラ笑ってる。もう!三人とも下品!
マキ「さ、一緒に入ろう修二、隅々まで洗って、あ・げ・る♪♪」
マキは楽しそうに後ろから抱きついてきて、僕ちゃんの顎をスルッとなでる。
修二「マキ…、むつをからかうのやめなよ」
マキ「ふふふ、だって可愛いんだもん♪」
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