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〔裏番外〕狂愛♎︎<純愛1
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カーテンの隙間から、朝の光が差し込む。
その光はベットに降り注ぎ、猫っ毛の髪をキラキラと光らせていた。
タオルケットを抱いて眠るマキは、寝返りを打って仰向けになった。
ボーッとしながら見える視界には、白い天井。
マキ「夢…?」
さっきまで百目鬼さんと抱き合ってたはずなのにと、全部が夢だったんじゃ無いかと嫌な事を想像して、もう一度瞳を瞬く。
両手を広げてベットの上を探っても、隣には誰もいない。
見える白い天井に、さっきまで見ていたはずの温もりより、今口にした不安が真実なんじゃないかとジワジワと恐怖が蝕む。
マキ「昨日のは夢で…、僕と百目鬼さんは仲直りしてないのかも…」
賢史「昨日の刺激的な夜を覚えてないのか?」
不意に覗き込んできたのは、ニヤついた男、賢史。
マキは絶句しながら瞳を瞬き、自分が何も着ていないことに気がついてタオルケットを手繰り寄せた。
賢史「イイねぇ、ヴィーナスみたいに綺麗だぜ、隠されてると暴きたくなる男の欲求を刺激してる。淫乱ちゃんで経験豊富なのに、胸がピンクなんて凄いエロエロだな。歩けないならシャワー連れてこうか?立てないだろ」
両手を広げて立ってるのは、私服姿の賢史。
マキは瞳を見開いて、タオルケットの中でモゾッと身を縮める。タオルケットの中の自分は、全裸。しかも、鈍い痛みとドロッとした溢れる感触が下半身にはあった。
マキ「…自分で行けるよ♪」
ヘラッと笑い、パニックなのを押し殺す。平然と答えるマキに対して、賢史はマキのあられもない姿を下から舐め回すように見つめた。
賢史「遠慮するなよ」
マキ「…どおして賢史さんが居るの?」
テンパってすぐに認識できなかったが、見回して気がついた、この部屋は百目鬼の部屋。
賢史「どおしてって、覚えてないのか?昨日はマキが…」
ーバタンッ!!
賢史の言葉を遮るように寝室の扉が破壊するかのごとく蹴破られ、殺気立った怒声が響く。
百目鬼「賢史ィイー!!」
飛び込んできた百目鬼は、いつかと酷似する状態で姿を現した。シャワー上がりの濡れ髪、体もろくに拭かずバスタオルを腰に巻いていた。
百目鬼「見んな!触んな!近づくな!!」
百目鬼は濡れた体で床をボタボタと濡らしながら鬼の形相で賢史に突進して胸ぐらを掴んみ壁に押し付けた。まさに殺人でも犯しそうな勢い。しかし胸ぐら掴まれた賢史は、百目鬼の怒り狂う様を見てゲラゲラ笑いだした。
賢史「ギャハハハハッ!!」
百目鬼「ッ!!てめぇー!!」
マキはタオルケットを握りしめたまま、目をパチクリ。
賢史「ギャハハ!どんだけ必死だよ」
百目鬼「うっさぁい!何勝手に入ってきてんだ!!」
賢史「いやぁ、昨日は激しかったろうから朝の支度手伝ってやろうと…」
百目鬼「いらねぇーんだよ!覗きたかっただけだろうが!!」
賢史「見るぐらいイイだろ、別に減りゃしないんだし」
百目鬼「減るんだよ!!」
賢史「相変わらずスゲー独占欲だな、マキちゃんドン引きしてない?」
百目鬼「ッ!!」
賢史「ウッソピョーン♪、顔真っ赤にして喜んでるよ。ギャハハハハ」
百目鬼「ッッ!出てけぇええーーッ!!」
百目鬼は怒り心頭。
賢史はゲラゲラお腹を抱え。
マキは百目鬼の態度に驚いてお目めパチクリ。
激震の百目鬼は、怒りのあまり巻いていたバスタオルが、ハラリと床に落ちた。
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【side百目鬼】
前日に煽られるだけ煽られて、
俺は、ついに我慢する事ができなかった。
また、無闇に掴んで縛りつけた…。
昨日から今朝に掛けて、マキは驚くほど素直でいた、質問すれば言葉を濁すようにめらう瞬間はあっても、けして言葉を飲み込んで誤魔化すことだけはしなかった。
俺の腕の中で、どんな俺でも好きだと言うマキ。治したい事があるなら、2人のルールを作って、一緒に頑張ればいいと言ったマキ。
果たして、自己犠牲ばかりのマキは、作ったルールを守る事が出来るのだろうか。
そこが問題だ。
昨日は、マキがみんなの前で泣いたり素直な気持ちを口にするたびに、何度マキを隠してしまいたくなったか…。
俺が好きだと言いながら、賢史や奏一にベタベタさわられて、奏一に至ってはベタ褒め。
奏一の方ができた男だっていうのは100も承知だ。だけど…、あんなに懐いて…、あんなに安心した顔を…。俺がさせてやりたかったのに。
マキには、ああいうお兄ちゃんタイプが合ってるのかもしれない…。俺とは比べものに塗らないくらい気が利いてる。
だが、マキが奏一を褒めるたび、奏一の姿を見た時のあの安心しきった顔を見た時。俺の中でブチブチと何かが千切れて抑えがきかなくない。
いつもなら、俺の隣に寄ってきて、猫みたいに擦り擦り寄って来て、嬉しそうな笑顔でニコニコ笑うのに。
昨日は、俺との間に距離を作り、引きつった笑顔で、こっちの反応の一挙手一投足に渡り神経張り巡らせてビクついていた。
俺が酷い振り方したんだから、当たり前なのかもしれないが。
マキが無邪気に戯れて笑顔なのが、当たり前だった。
それが、もう無いのかと思うと寂しいと思ったが…、奏一にあの安心しきった笑顔を向けてるのを見た時、我慢していたものがガラガラ崩れたのが分かった。
マキの無邪気な笑顔が俺に向けられるのも、好きだと言ってあの不思議なジュピター色の瞳で見上げて来るのも、俺のものじゃなくなる。
マキのあの嬉しくて涙でぐしゃぐしゃになる顔も、突っ張って苦しいと言わないキレ気味の顔も、とろけたエロい顔も…
全部誰かのものになるんだ…
分かってたつもりだったが。
いざ目の前に突きつけられたら…
俺は、マキを掻っ攫ってた…
俺のもんだ!
誰にもやらない!
俺が閉じ込めて!
俺で溺れさせてやる!
俺なしじゃ生きられないくらい!
これは、修二を閉じ込めて酷いことしたのと同じ感情だ…
これじゃあ、あの時の繰り返しだ。
だけど、マキを掻っ攫った。
ガキみたいに独占欲丸出しで、マキを一晩中抱いて、俺の痕をつけまくった。
まだ、重大な問題が残ってるというのに…
マキ「百目鬼さん?」
賢史を家から放り投げ、戻ってきた俺は、思わず寝室にマキがいることを考え深く見つめていた。
マキはおずおずとタオルケットの中から顔を出して、こちらを伺っていた。
マキ「お仕事?ごめんね、すぐ支度しするね」
気遣い屋のマキは、タオルケットを被ったまま服を着ようとしやがったから、首根っこ掴んで抱き上げた。
マキ「わっ!?」
百目鬼「洗ってやる、体は拭いといたが中が残ってる」
マキ「え!?仕事は!?」
百目鬼「中洗うくらいそんな時間かかんないだろ?それとももう1ラウンドヤるつもりか?」
マキ「無理無理!今ヤッたら腰ぬけちゃって歩けなくなっちゃうよ。まだ中がジンジンしてて、ちょっと触っただけで…
ぁっ…んふ…、どうしよう…、百目鬼さんのが溢れてきちゃった…」
こいつは、馬鹿なのか?
百目鬼「…」
いや、これがこいつの素だ。
どんな瞬間も俺をキレさせる魔性。
マキ「はにゃ?何そのギラついた目は…、ダメだよ、仕事でしょ?ダメッ!あっ!百目鬼さぁん!!」
百目鬼「…お前が悪い」
溺れてるのは…
マキか…?
それとも……
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