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〔裏番外〕狂愛♎︎<純愛33
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〔裏番外〕狂愛>♎︎<純愛
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俺の言葉に、マキが唖然としていた。
ほらみろそらみろ!
だから言葉にしたくなかった。俺の頭の中はまともじゃない、何にも触らせたくない、そんなの無理だと分かってるから、まともな考えが出来てるうちに、一定の距離を保ってられたら良かったのに。
だから言ったんだ!
マキは何も分かってない!俺は我慢してたんだ!!普通のやつはそんなこと言わずに呑み込める!!普通はそこまで独占しない!!普通のやつなら!!
マキ「…」
百目鬼「ッ……だから…言ったろ。俺はまともじゃない、窒息するんだぞって」
本当に監禁したら、泣く羽目になるのはそっちなのに、監禁されたいだの泣かされてもいいだの…許せば良いってもんじゃない!自己犠牲でそうするな、俺は何も犠牲にしたくねぇんだ。
百目鬼「……ッ…帰る」
マキ「…」
押さえつけてきたマキの肩を離して、離れようとした…
だが…
マキ「………、可愛いッ‼︎♡」
体当たりするほどの勢いで俺の腕の中に飛び込んできた。マタタビを前にする猫のようにキラキラするジュピター色のでっかい瞳は、好き好きオーラ全開。マキは俺に抱きつきながら、左手で俺の頭をグリグリ撫でてきた。
マキ「ふふふ♡拗ねてたの?♡拗ねてたの?♡悪くないよ全然可愛いィー‼︎♡♡」
百目鬼「はッ?!チョッ!!マキ!!」
ゥオイ!!何が可愛いだ!!
やめろ!!髪がボサボサになる!!
こいつやっぱり頭がおかしい!!
嫉妬のどこが可愛いんだッ!?
戸惑う俺をよそに、マキはグイグイグイグイ抱きしめる。
いくら離れろと言ってもちっとも離れない。
マキ「超可愛い♡♡」
百目鬼「おい!いい加減に…」
マキ「ふふふ♡ヨシヨシ大好きだよ♡」
百目鬼「俺は動物じゃねぇ!!」
いつまでも離れないマキは、あの子犬を抱いていたように心底楽しそうに嬉しそうな顔してる。
むつ「コレが可愛いなんてマキは趣味悪りぃよな」
いつの間にかひょっこり車の影から覗き込んでいた、むつ。
しまった、ココがどこか忘れてた。
マキ「ふふふ♪いいんだもん♪むつには百目鬼さんの可愛らしさが分からなくても♪僕の可愛い百目鬼さんなんだから♪」
むつ「うえ〜、〝僕の可愛い百目鬼♡〟だってぇ〜」
マキ「うふふ♪むつく〜ん、人は誰でも可愛い一面があるんだよ♪そんな観察力で今後も修二と華南を可愛くできるのかなぁ?」
むつ「はあッ!?出来るし!!」
大声をだしたむつを修二が後ろから取り押さえて口を塞ぎ、ついでに華南も顔を出してきやがった。
修二「もう、周りに聞こえちゃうよ!」
華南「百目鬼さん、マキを引き取るなら早めにしてくださいよ。昨日とか、マキの奴キングのこと抱きしめて1日中『一緒に住みたいって言ったら〝また〟嫌がられるかな?ねぇキングどう思う?』って、寂しがってましたよ」
マキ「きゃあー!!ちょっ!華南ッ!」
華南「早くしないと、夏休み終わるし、マキの奴部屋決めて引っ越しちゃいますよ。一緒に住めばいいのに」
何故みんなして俺にそんな事を進める!
俺は監禁する男だぞ!
百目鬼「無責任な事を言うな!」
思わず低い声が出た。
俺に抱きついてたマキが、ビクッと体を強張らせる。
むつ「はあ??無責任なのはお前だろ!お前が一緒にいてやらねぇから、犬飼うことになったんだろ、犬が邪魔ならマキを片時も離すなよ」
百目鬼「無責任なのはお前だ!ダメに決まってんだろ!どっちも却下だ!」
マキ「…」
むつ「はあ?意味分かんねぇ!監禁してぇほど好きなくせに!」
百目鬼「監禁は犯罪だろ!」
むつ「はあ?お前がしたいっつったんだろ!」
百目鬼「想像は自由だ!だが現実な出来るわけない!」
むつ「マキがされてぇってんだからいいんじゃね?」
百目鬼「チッ!お前は何にも分かってねぇ!」
むつ「何も分かってねぇのはてめーだろ!」
俺とむつの言い合いに、華南の腕の中で子犬のキングがウ¨ーッと尻尾を丸めながら唸ってる。華南は仕方ないな背中を優しく撫でながら優しい目をした。困った子達だね、と肩を持ち上げる。
華南「キング、お前は参加しなくていいよ」
「ワフッ…」
華南に撫でられ犬コロのキングは落ち着いたようだが。こっちには、ピシャリと鋭い雷が落ちた。
修二「いい加減にしなさい!」
百目鬼「ッ!」
むつ「ッ!」
修二「2人とも分かってません!」
滅多に怒らない修二が、ムッとしてまたお怒りだ。奏一譲りの圧のある鋭い眼差しは、ヒヤリと刺す奏一の睨みを受け継いでいる。
修二「こんなとこで大きな声出したら近所迷惑だよ」
百目鬼「すまん…」
むつ「ちぇ、お前のせいで怒られたじゃんか」
修二「むーつー」
修二にピッと睨まれて、むつは口を尖らせながら俯いた。
修二「百目鬼さん」
百目鬼「ぅ…」
修二にこんな風に怒られるのは2度目…
修二には、俺のほとんど知られてる、何を言われるか……正直奏一の拳並みに怖い。
修二「なんか勘違いしてるでしょ」
百目鬼「?」
修二「華南やむつが言ってるのは、〝同棲〟一緒に住んだらって言ってるの」
百目鬼「……だから…それじゃマキが…」
修二「百目鬼さん。監禁と同棲は別物でしょ」
百目鬼「…しかし…」
修二「もっとシンプルに考えなよ。グダグダ不安並べても解消できないんだから、根本を見ようよ」
マキ(!)
修二「マキを24時間守りたい一緒にいたいんでしょ?マキも一緒に居たがってるだから。一緒に居ればいいじゃん、昨日だって手放せなかったんでしょ?離れがたかったから止めたんでしょ?百目鬼さんはマキと一緒に住みたいの?住みたくないの?二者選択だよ」
むつ(あっ、それ、俺がいつも修二に言ってるやつ)
まるで奏一を見ているような、お兄さんぽい喋り方の修二は、昔の儚くも悩み事に押し潰されそうだったイメージは今は微塵もない。
百目鬼「だが…俺はすぐに…、お前なら危機感が分かるだろ…」
修二「百目鬼さんは、悪く考えすぎ、昔は切り離して。マキとはこれから作っていく関係でしょ。そのためには我慢しすぎない、だってだって駄々こねてないで、マキに話してみればいいじゃん、したいこと話したいこと、いっぱいいっぱい口にすればいいじゃん、そんな眉間にシワ寄せてマキを見つめても伝わらないよ。パートナーにも話して頼ったり甘えたりしなきゃ、百目鬼さんカッコつけても意地張っても誤解されちゃうし」
華南(……)
フッと優しく微笑む華南は、お前もなとでも言いたげに柔らかい笑顔で見守る。
昔の修二には、無い言葉が、どこからか種をもらってきて、修二の中に根付いてる。
修二「いくらマキのこと大好きだ大事だ大切だって心の中で思っても、マキにはちっとも伝わらないの、誤解されるのが嫌だったり、マキを理解したいなら、言いたいこと言えば?本当は離れたくないって顔に書いてあるんだから、もう、監禁だなんだ言わないで、一緒に住んでみたら?」
百目鬼「………」
呆気に取られた。
10も下の子供は、確かに今だに10も年下だが、俺と出会ったあの頃から、8年…。
大人の男になっていた。
むつに気持ちがバレるのが怖いと震えていた修二に、気持ちを打ち明けとろ説教されるとは思いもしない…。
修二「心配ならいらないよ、もしなんかしそうなら、いつでも僕たちや兄貴が百目鬼さんを止めてあげるよ」
むつ「えー、俺も入ってるのかよ」
華南「ククっ、いざとなったら先人切る癖に」
修二は…
いい相手に巡り会えたんだな…
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