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(番外編)純愛>♎︎<狂愛10
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僕の瞳に映るのは…
見た事ないほど怒り煮えたぎる
本物の百目鬼さん…
え?
ええ??
僕は、驚きで口を開けたまま、パソコン画面と僕の首根っこを掴む人物をキョロキョロ見比べて瞳を瞬きまくる。
マキ「え?…ど…あ…、え?…」
パソコン画面には、やっぱり倒れてる百目鬼さんが映ってて。
僕の後ろには阿修羅の進化系で煮えたぎる恐ろしい百目鬼さんがいる。
人間驚くと声も出ない。
どうして?とか、怪我は?とか、画面の人誰?とか、どうしてここが?とか、聞きたい事が山ほどあるのに言葉が出てこない。
その間に、成一は壁まで後ずさって、助けを呼んで喚いてる。
僕は、全く思考が追いつず口をパクパクさせてると、僕の首根っこ掴む百目鬼さんが益々お怒りに…。
とにかく怒りの圧力が凄くて僕の思考はパニックのまま。
マキ「ふぇ…、ぇ…あ、お、お怪我は?」
かろうじて出た言葉。
目の前の百目鬼さんはさっきまでリンチされていたはずのに超ピンピンしてる。あんなにフルボッコにされてたのに、痣一つないし、服も汚れてない。
ーゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!
百目鬼「そんなことしか言えないのか」
あっ、やばい…火に油を注いだ…
成一「ど、どうしてここにいる!?」
ギャーギャー騒いた成一は、自分の部下が部屋に到着すると同時に強気な態度に戻り、百目鬼さんと僕はあっという間に10人くらいに囲まれた。
成一「お前は、あそこで倒れてるし、あそこからここまでは2時間はかかるはず!!」
成一さんが言った言葉は僕も聞きたかった言葉。僕も一緒になって百目鬼さんを見つめると、百目鬼さんは怒りのオーラをそのままに、僕を百目鬼さんの足元の畳に落とした。
マキ「痛ッ!…ぅわぷッ」
尻もちついて痛がってると、上から何かが覆いかぶさる。見ると、百目鬼さんのジャケット。見上げて百目鬼さんを見ると、血走った恐ろしい睨みで〝着ろ!〟って無言の圧力。
はうっΣ(°×°ll )
ササっとジャケットを着込んでみるものの、百目鬼さん僕の生足をギロッと睨む。
うぅ…
ススッとネグリジェのヒラヒラの中で体育座りして足を隠し、ちぢこまる僕を見て、百目鬼さんはやっと動き出す。
ポケットから携帯を取り出して、電話を掛けた。
あれ?百目鬼さんの携帯がいつもと違うのになってる。
百目鬼「俺だ、画面を切換えろ」
電話の向こうの誰かにそう言うと、パソコンの画面がパッと切り替わる。
その映像は、壮絶な絵面だった。
成一「なッ!!!!」
マキ「………」
絶句する僕と成一さんが見たのは、画面いっぱいに人が倒れてる映像。
そして、画面の隅で矢田さんが手を振ってた。矢田さんは痣だらけでボロボロ。
倒れてるのは、先ほど映ってた百目鬼さんをリンチしてるのを傍観してた奴らだ。20人近くが全員お寝んねしてた。
成一「どうなってんだ…どうやって…」
青ざめる成一さん。
百目鬼さんは携帯をしまい、丸まる僕をヒョイっと軽々抱き上げた。
百目鬼「単純だ。あれっぽっちじゃ俺を押さえておくのは無理だ。お前が立ち去った後直ぐに制圧した」
成一「はッ?!…や…さっきまで…」
さっきまで、ボコられたり、倒れてる百目鬼さんが映ってたと言いたいのだろう、パソコンを指差しアワアワしてる。
百目鬼「録画したのを流してた。貴様が覗いてるとランプがついてたからな」
成一「はッ?!ッ…ッ…」
百目鬼「20人もいたのにって言いたいのか?200人いても結果は同じだぞ。俺をやりたきゃ、軍人連れてこいよ」
成一「ッ!!」
その場にいた全員が、地響きのような低く凶悪なオーラの声にビビってたじろぐ。
百目鬼さんは、周りを人睨みして、僕を抱えたまま出口の方へ向きを変える。
百目鬼「こいつは返してもらう」
成一「ま、待て!」
待てと言ったくせに、百目鬼さんが振り返ると、成一はビクッと方を震わせた。
成一「そいつは、…ゆ、優絆の家はここだぞ!!連れ出すなら誘拐で警察に通報してやる!!」
百目鬼「ァ¨ア¨?」
ビクッッッ!!!
成一も、その場にいる全員心臓が青ざめるくらいの恐怖で真っ青です。
こ、怖いです。めちゃめちゃ怖いです。
滝本のヤリ部屋でブチ切れた百目鬼さんも怖かったけど、地鳴りのように静かにキレる百目鬼さんもめちゃめちゃ怖いです。
百目鬼「やれるもんならやってみろよ」
成一「ッッ!!!」
警察に通報して捕まるのは誰か、分かってるみたいで成一の表情は歪みまくり、震える指で百目鬼さんを指差して怒鳴り散らす。
成一「お前ら!やっちまえ!!」
それを合図に、後ずさってた取り巻きの男たちは、我に返ったように一斉に飛びかかってきた。
百目鬼さんは、僕を抱っこしてるから両手が塞がってる。
慌てて降りようとしたけど、全く動じない百目鬼さんは、パッと僕を肩に担いで片手で押さえた。
ヒュッ………
ゴッゴッ
バンッ
ゴッ…
バタバタバタ…
人が、その場に次々倒れていく。
それは、一瞬の出来事で何が起こったのか…
飛びかかってきた人たちが、全員床で呻いてる。
強ッ!凄ッ!強ッ!
ええっ!?
百目鬼さん強いぃー!
カッコいい!!
百目鬼「次は、てめぇか?茉爲宮成一」
成一「ヒッ…」
喉を引きつらせ、成一はその場にへたり込む。
そんな成一さんを百目鬼さんは虫ケラを見るように見下ろした。
百目鬼「二度とこいつに関わるな。どんなことをしても無駄だ。弁護士の方も手は打ってある。今の会話も、倉庫でのやり取りも録音してる。それにお前が会社でやってる悪どい事も調べはついてる。お前のことを全部暴いて丸裸にするだけの用意がある。動くだけ無駄だ。
もう一度言う、
二度と茉爲宮優絆に関わるな
こいつは、てめぇーの物じゃねぇぞ!」
成一「ヒィィー………」
成一はガクガクブルブル震えて涙を流し頷いた。完全に戦意喪失。
それを確認すると、百目鬼さんは踵を返してその場から僕を連れ出した。
僕を抱きかかえたままズンズン進む百目鬼さんの体にキュッと抱きつき、僕はやっとぐちゃぐちゃの思考から抜け出した。
ほら…やっぱり…、誓約書なんて偽物だった…百目鬼さんは僕を助けに来てくれた…
百目鬼さんはまだ僕を要らなくない…
嬉し……
百目鬼「次は、てめぇの番だからな」
ーゴゴゴゴゴゴゴゴッ
あっ……忘れてた。
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