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(番外編)純愛>♎︎<狂愛21
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【マキside】
夕陽の光が差し込見始めたリビングで、心理学書を広げながらノートを取る。
夏休みが終わる。明後日から始まる大学の準備をしながら、他にも恋愛心理学も読みあさっていた。
自分のことになった途端、コントロール出来なくなった。…色々分かってるはずなのに、何も冷静に考えられず、すれ違ってばかりいた。今は、お互いのことを話して、やっと分かり合って幸せなはずなのに、恋愛に付きまとうのは、失う恐怖。
黙々とペンを走らせ、ノートにびっしり書き込む。僕は書き取りをするのが1番覚えやすい。勉強しながら、時折、膝の上で気持ちよさそうにしてるキングを撫でたりしながら。
そうしていると、車が真下で止まった音がした。百目鬼さんが帰ってきた。
僕は慌てて勉強道具を仕舞い込む。勉強してる姿を人に見せるのは、あまり好きじゃない。
玄関で待機して、百目鬼さんが鍵を開けた瞬間、笑顔で出迎えた。
マキ「おかえりなさーい♪」
百目鬼さんは、僕の腕の中にキングがいるのを見て、眉を寄せた。
百目鬼「…ああ、ただいま」
マキ「ふふ♪拗ねない拗ねない♪。ほらほら、おかえりなさいのチューしてあげる♪」
背伸びしてチュッと唇を重ねても、百目鬼さんはご機嫌斜め。ま、いつものことだから、気にしなーい♪
百目鬼「勉強はしたのか」
マキ「うん、いーっぱいしたよ♪」
百目鬼「キングと遊んでたの間違いだろ」
マキ「ふふふ♪」
ニコニコしている僕を見て、百目鬼さんはウッと喉を詰まらせた。何か考えるように小さく唸る。僕が不思議に首をかしげてると、百目鬼さんはソワソワ視線を泳がせて話し始めた。
百目鬼「…あー…、マキ」
マキ「なぁに?」
可愛らしく小首を傾げて百目鬼さんを見つめると、百目鬼さんは、咳払いをしてから大きな紙袋を僕に手渡した。
百目鬼「ッ…服を買って来た」
マキ「え?。わぁ〜♪ありがとう♪♪百目鬼さん♪♪」
紙袋には、僕がよく行く洋服屋さんのロゴが付いてて驚いた。
百目鬼さんはいつ、僕がそこに行くって知ってたんだろう?いつもスーツの百目鬼さんはオシャレに詳しくは見えないのに…、ってか、この若者向けのお店に百目鬼さんが買い物に行ったっていうのが…。うふふ♪♪見たかったなぁ、可愛いかったろうなぁ♪♪
って、ソワソワしながら買物する百目鬼さんを想像して嬉しくて、舞い上がっていたら…
百目鬼「監禁ごっこはお終いだ。出掛けるからこれに着がえろ」
突然、急転直下。
監禁…ごっこ…
ごっこ…だよね…。オモチャだもん…。いつでも外れるし、携帯も自由に使えてた…。あは♪馬鹿だなぁ僕。百目鬼さんは過去を反省しててこんなことしたくないって知ってたのに。それはいいことなのに…。
今、百目鬼さんの言葉に落ち込んだ…。
百目鬼さんが僕の足枷を外して、鎖をしまってる。
今日終わりを迎えなくても、明後日には大学だから、その時にはどちらにしろ、監禁なんてお終いだった。それが2日早まっただけ…
それだけのことで、それ以外の意味はないのに、足枷が無い足首は、何だか…寒い感じがした。
百目鬼「まぁ、そんな顔するな、今日はその服で我慢してくれ」
百目鬼さんは、僕が洋服を気に入らなかったと勘違いしたみたいで、僕の頭を申し訳なさそうに撫でる。
違う!洋服はとってもカッコいいし、僕が選ぶのより露出が少ないものなのが百目鬼さんらしくて嬉しいくらいで!
マキ「ち…」
百目鬼「明日、一緒に買い物に行こうな」
へ?
百目鬼さんの言葉に、僕はキョトンと瞳を瞬いた。
一緒に買いに?
買い直すってこと?そんな…
百目鬼「なんだ?明日は予定あるのか?」
マキ「無い、無いよ」
百目鬼「なら…。まーなんだ、自分で選ぶほうがいいだろうからな」
マキ「ううん。百目鬼さんの選んでくれた服カッコいいよ!これで十分だよ」
百目鬼「…いや、だから、それだけじゃ足らないし他にも…」
マキ「足らない?他?」
百目鬼「……。ゴホン。その…これから色々と揃えなきゃだろ…」
百目鬼さんの耳は赤くなってた。
ソワソワ恥ずかしそうな百目鬼さんは珍しくて、僕はキョトンと見つめるばかりで、百目鬼さんの言葉の意味がピンと来てなかった。
そうして可愛いらしく小首を傾げてキョトンとしたままでいたら、百目鬼さんは真っ赤な耳で僕を睨みつけてキレだした。
百目鬼「あーもー!だからッ!色々必要なもんあるから買い物に行こうっつってんだよ!」
マキ「色々?」
百目鬼「ワザとか!」
百目鬼さんは、僕の顔面をガシッと掴み、僕が百目鬼さんを見つめられなくして、やっと主語を口にした。
百目鬼「これから一緒に住むんだから!食器とか!日用品とか!お前は服も少ねぇーから買い足せよ!」
ふにゃ?
目が点になった。
一緒に住むって改めて言われて凄く凄く嬉しかったけど、食器は別に足らなくないし、日用品も今使ってるので十分だし、服は増やさなくても足りてるよ?。と思ってしまった。
マキ「…今あるので足りてるよ?」
百目鬼「なんでだ!!そこは喜べよ!!修二の家にはあるんだろうが!!お前専用のもん買い揃えに行こうって言ってんだよ!!」
・・・・。
え?
…………。
え?
マキ「えーーーーーッ!!!!」
驚いて絶叫した僕を見て。百目鬼さんはブツブツ言い出す。「これで伝わらねぇってなんでだ?何処が悪りぃーんだよ、畜生」
だけど僕は嬉し恥ずかし爆発絶叫中。
僕専用の食器!?僕専用の日用品!?僕の洋服を買うの!?
ぎゃーーーー!!想像しただけで顔から火吹く!!頭がショートしちゃうよ!!同棲の定番!!お揃いのコップとか!!歯ブラシ並べたりとか!?そんなことしたら死んじゃう!!萌え死しちゃうよ!!恥ずかしいよー!!
ってか!修二の家に僕のマグカップとお茶碗とお箸とスエット置いてあるのに張り合ったの!?何なの!?何なんだよ!!
ライオンの着ぐるみ着たティーカッププードル恐るべし!!
百目鬼さんって人は、何処まで可愛く出来てるんの!!?
僕は萌え萌え幸福死してしまうッ!!
プシュゥゥ〜
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