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(番外編)純愛>♎︎<狂愛30
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おでこが触れ合ったまま、百目鬼さんは困ったように優しく微笑む。
百目鬼さんの眉間の深いシワが、今もきっと猛獣と戦ってて必死に優しくあろうとしてくれてると分かる、それが少し寂しいけど、でも、すごく嬉しい。
震える僕の手を握ってくれた百目鬼さんは、今日は生まれ変わったみたいにカッコ良くて、こっちは心臓破裂寸前で、どうしちゃったのかと思ったけど。最後、怖いと言った僕に「俺も怖い」と返してくれた時、ああ、いつもの〝恋愛に臆病な〟百目鬼さんが頑張って言葉にしてくれてるんだって思った。
正直に素直な気持ちを言えと言い続けてくれた百目鬼さんが、僕に、百目鬼さんの気持ちを教えてくれた。
僕たちが、同じ気持ちだって、教えてくれた。
怖くても百目鬼さんと一緒なら…
マキ「百目鬼さん…好き…大好き…」
百目鬼「マキ…」
絡まる視線が、自然とお互いを吸い寄せる、包むように握ってくれてた手の指が誓いのように絡まって。僕の震える唇と、百目鬼さんの熱い唇が、意思をもって愛おしむように重な………
賢史「おーい。神く〜ん、お姉様方がよだれ垂らしてるけど、女王様の涙に濡れたエッローいキス顔をお披露目するのかなぁ?」
賢史さんのチャラけた声に、咄嗟に百目鬼さんが僕の顔を隠すように胸の中に抱いて、あたりを睨む。
そこには、ハァハァキャハキャハ言いながらガン見するお姉様方がと、顔真っ赤な純情系男子2名、その他数名。
菫ママ「お二人さん、そういうのは帰ってからおやりなさいよ。熱い熱い」
賢史「そうだぞ神。せっかく俺がカッコいいシナリオになるように相談にのってやったのに、途中から好き勝手喋りやがって、〝俺も怖い〟じゃねぇだろ、〝俺と一緒なら怖くない、マキ、愛してる〟だろーよ。ちゃんと決めろよ」
百目鬼「なっ!?誰がそんなセリフ言うか!!こないだと言ってることちげーじゃねーか!!」
相談?
ああ、そっか、百目鬼さんが急にカッコよくなったのは賢史さんのアドバイスか…
びっくりしたなぁ…
むつ「うわっ、ダッサ、おっさん2人で告白のセリフ考えたとか引くわ」
賢史「やだなー、〝俺も怖い〟だなんて後ろ向きなダサいセリフ俺は考えないぞ」
むつ「愛してるとか胡散臭いあんたのいいそうなセリフもダサい」
むつ君と賢史さんは一生仲良くなれそうにありません。
キャサリン「やん♡愛してるって素敵じゃない♪」
リボン「きゃぁあ♪♪私はストレートに〝好き〟の方がいいわぁー。濡れてきちゃう♪」
むつ君と賢史さんの言い合いは、周りに飛び火。お姉様方まで混ざってヤンヤヤンヤといつもと変わらぬお祭り騒ぎになりました。
百目鬼「てめーら!うるせーぞ!!」
百目鬼さんが吠えても、事態を収拾するどころか、日に油を注ぐ。
矢田「そ、そうです!百目鬼さんの晴れ舞台をからかうなんて賢史さん酷いっす!百目鬼さん、今回は失敗出来ないって!寝る間も惜しんで〝ロマンチックな告白〟の特集雑誌見て勉強してたんすよ!!檸檬さんが教えてくれたっす!」
檸檬「ぎゃあーーー!!矢田ちゃん!!」
賢史「ギャハハハハハ!!!」
檸檬さんまで巻き込んで、百目鬼さんはプッツン寸前。
百目鬼「矢ぁー田ぁー!檸檬!!」
矢田「えっ!?なんで怒るんすか?」
檸檬「わわわわっ!助けて杏子!」
杏子「わー、雪哉さんのケーキどれも美味しいです、この新作絶対売れますよ」
雪哉「ありがとう杏子さん。…ところで烏磨さん、それ、俺の分なんですけど、そんなに気に入ってくれたんですか?」
烏磨「んー、まぁまぁですね。こっちのクリームを使ったケーキはなんとも言えない舌触りと鼻に抜ける香りは絶妙です。他のどの店でも味わった事のないものですね。こちらの新作も初めての味わいですが、外はほろ苦いのに、中が甘すぎやしませんか?」
雪哉「そ、その割にそれ3個目ですよね。文句言うけど人の分まで…。この新作はこの甘さでいいんです。これは、マキ様の好みに合わせて誰かさんと味を決めたものですから」
華南「へー、百目鬼さんってさ、なんでいい線いくのになんで決めきれねぇーのかな?。このケーキうまっ」
修二「決まんなくてもいいじゃん、十分かっこいいよ、見てよ、マキの嬉しそうな顔」
むつ「カッコいくないぞ!修二は百目鬼に甘いんだよ!あれのどこがカッコいいんだよ!俺はプロポーズする時しくじったりしねーぞ!!修二と華南をメロメロにして惚れ直させてやるし!!」
修二・華南
(プロポーズを計画してるのか…)
得意げなむつ君残念、プロポーズ作戦が露呈してるよ。
奏一「全く。うるさくてごめんよつよし君」
つよし「い、いえ!う、羨ましいです。こんな風に賑やかな友達とか、す、好きな人に、好きって言える勇気とか…」
賢史「おやおや、君も告白する勇気が欲しいのかい?お兄さんがアドバイスを手取り足とり腰取り…」
奏一「ゴホン!児童福祉…」
賢史「なぁ、奏一お兄さん、お兄さんの恋愛相談にも乗るぜ?好きな男いる?欲求不満?」
奏一「上等だ」
つよし「け、けけけけけけ喧嘩はやめてください!!」
みんなありがとう。
マキ「ふふ♪、あはははは♪」
みんな大好き♪
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