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request〜雪哉〜後編①
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烏磨さんは、負けず嫌いな上に
…完璧主義者でした。
烏磨『…フッ、雪哉さんは本当に淫らな変態さんですね。お気に召したようで良かったです。慰められましたか?』
ひゅ〜〜〜〜〜〜〜〜
ストン。
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翌日。
俺のケーキ屋で、来週出す新作ケーキを決める会議が夕方行われた。
オーナー「ふむ、充が二種類、金森君が一種類、雪哉が4種類だね」
キッチンのテーブルに並ぶのは、来週の秋の新作として出す候補のケーキ。オーナー発案の2種類と合わせると、全部で9個。
オーナーが一つ一つ見てそれぞれのケーキの特徴を聞いたりしてる中、夕方からアルバイトの女の子が着替えてキッチンに顔を出した。
ユメ「おはようございま〜す!やった!秋の新作決めてるんですか!私も味見したい!」
雪哉「おはようユメちゃん」
ユメ「おはようユッキー♪」
アルバイトのユメちゃん。彼女はこの店の看板娘で、俺よりちょっと下。バイト歴が長く一番の仲良しで一つの共通点がある。
ユメ「あー!ユッキーのケーキ4個もある!うわ〜♡もしや恋でもしたかぁ?どんな意地悪な人?」
ユメちゃんや店の人は、俺がゲイのMだと知っている。まぁ、知ってるって言っても、俺って顔に出ちゃうらしいから、イタイ子ってレベルで冗談半分にMっ子と言われるくらい。でも、ユメちゃんは仲良しなので、俺の本当のところをかなり詳しく知ってる。
だから、ユメちゃんといるとテンション上がっちゃって良くお互いの恋話をする。
オーナー「こら、雪哉!雪夢!。煩いぞ〝ダブル雪〟」
ユメちゃんとの共通点、それは名前に雪が付く事。
ユメ「ごめんなさーい。静かにするから味見しまーす!」
オーナー「雪夢…お前は食いたいだけだろ」
雪哉「まぁまぁオーナー、ユメちゃんの食い意地と味覚は結構ヒット作当てるから、いつも品数決める時活躍してるし」
笑いに包まれる厨房。うちの店は、結構アットホーム。みんなで意見を出し合ったり、バイトの女の子が店内の装飾を手書きで季節に合わせて飾ったり、みんなで作るお店だ。
新作ケーキをみんなで試食しながら、次の新作を絞り込む。
試食中、ユメちゃんは俺の隣でコソコソ話し始めた。
ユメ「猛獣の世話しなくなって寂しそうだったから、安心した、やっぱ失恋には次の恋よね♪」
雪哉「いや、だから失恋じゃないって…」
ユメ「だってユッキー、いつも恋を活力に新作ケーキ作るじゃない。今までは猛獣君に食べさせたいケーキを作ってたんでしょ?」
雪哉「恋が活力っていうか、俺は日常をヒントに作ってスイーツ好きの猛獣に味見してもらってただけだから、だって、試作で作ったの捨てるの勿体無いし、猛獣は、ほぼ毎日スイーツ食べてくれるから、毒見役に丁度良かったのであって別に…」
ユメ「で?今度はどんな人?彼女持ち?それとも外婚者?どうせまた振り向きそうに無い相手にトキメいちゃったんでしょ?」
雪哉「……フリーだよ、好きな人もいないって」
ユメ「へー、珍しい。分かった、ノンケだ」
雪哉「うッ…」
ユメ「しかも、ユッキーには振り向かそうな冷たい人だ」
雪哉「うぅ…」
ユメ「ユッキーって本当に難儀な趣味してるよねぇ。好きな人に意地悪されたい、好きにはなってもらいたいけど、甘々は萌えないなんて」
そう、俺が長い間彼氏が出来ない続かないのは、そこに問題がある。
好きな人に虐められたい。意地悪されたい。でも、好きな人には俺の事好きになってほしい。もちろん両思いがいい…
なのに…
付き合っていく内に甘く優しくなっていかれると、萌えない、勃たなくなってしまう……
好きになってほしい、憎しみをぶつけるようなSEXじゃなくて。乱暴だけど意地悪だけど愛がある、そんなに矛盾したものが欲しい…
神は、とても相性のいい相手だった。
恋した時期もあった。だけどそれはかなり昔の事。
神は、SEXする相手を乱暴に扱う事を毎回後悔して苛む。神のSEXは気持ちいいけど、毎回落ち込まれちゃこっちまで暗い気持ちになる。それに、神には好きな人がいた。
ずっとずっと修二君が好きで、ずっとずっと一途に修二君を好きだった。神がSEXの時に修二君の名前を呼ぶ事はほぼ無い。深酒と疲労で本当に暴走した時はまぁあるっちゃあるけど、稀。そういうの、死ぬほど嫌う男だった。
俺と神はセフレだったけど、代わりにはしない。これは神が決めた事だ。
だから、誰より代わりを嫌う神だから、こないだ酔ってお慰めSEXした時、終始愛おしくマキ様の名前を呼び続けた事に驚いた。驚いて、切なくなって、感動して、萎えた。あはは♪。
ユメ「ツンデレ、私は萌えるけどなぁー。意地悪された後、とろけるくらい甘い言葉攻め♡萌えキュン♡」
雪哉「あはは、なんでだろうね」
今は楽観的に捉えてるけど、昔はかなり真剣に悩んだ。そんな時、マキ様の噂を耳にした。何でも特殊な性癖の人間が、マキ様に相談した途端悩みが消えて、パートナーまでできて幸せになるって噂。
何とか探し出して、マキ様に悩みを聞いてもらおうとしたけど、マキ様人気が凄くて俺はたどり着けなかった。
そんな時、友達の友達がマキ様に会ったと言うんだ。その人に会って、マキ様に貰った言葉を聞いた時、俺は感動して救われたような気がした。
だから、俺にとってマキ様は天使で、天使なマキ様が悩んでるなら力になりたいし絶対幸せになってもらいたいって心から思った。
ユメ「ユッキーはさぁ、普段とっても優しいお兄さんだし、本当にいい人だから男女問わずモテるのにね。恋愛になると痛いの大好きっ子ドMちゃんだからねぇー」
雪哉「別にモテないから…」
ユメ「雪夢は、雪哉のこと大好きだよ♡早く白馬に乗っだから王子様が現れてユッキーを虐め倒して愛してくれるといいなぁ」
雪哉「俺も雪夢のこと大好きだよ。俺もそう願いたいよ」
ユメ「今度の人は?」
雪哉「その人はダメだよ、言われちゃったもん…」
烏磨さんは昨日、服の上から麻縄で完璧な亀甲縛りを披露し。俺が興奮してるのを見て満足そうに、『慰められましたか?』と言った。
縛られて興奮した俺は、触って欲しいとか、烏磨さんのを舐めさせて欲しいと懇願したが、烏磨さんは、意地悪な笑みを浮かべてキッパリ断った。
烏磨『私は賭けに負けました。ですから慰めるために、意地悪な事言って話を聞いてあげる約束を守っただけです。前回踏みつけてあげたのは、亀甲縛りを失敗したお詫びです』
雪哉『ッ俺、フェラは得意なんだ、フェラなら目を瞑れば女の人と変わらないし、ここまで付き合ってもらったお礼に……』
烏磨『すみません。私にその気はありません。今も、何の熱も感じませんし』
雪哉『ッ…。そう…ですよね…』
そう、烏磨さんは、あくまで、前回の亀甲縛りで俺がリバースしたのを失敗と捉え、リベンジに来ただけ。
烏磨さんは、男にも興味ないし、俺に反応するわけでもない。
雪哉『…』
烏磨『困りましたね。賭けに負けだから慰めて差し上げましたが、もしかして、私を好きになったとか言うんですか?』
冷たい言い方に、グサっときた。
そしてジワジワゾクゾク広がっていく。
ここで素直に気になってるって言ったら、気持ち悪いと罵られ、二度と関わりたくないと拒否されるんだろうか…。
悲しいのに、ドキドキと脈は早くなる。緊張感が脳内を麻痺させて、それがキモいいいと思ってしまってる自分がいる。
幸せになりたいのに、痛々しい現状に興奮する…。こんなんじゃ…、一生1人だ…
烏磨さんとの出会いは、神が巣立った寂しさを紛らわすのに丁度良かった。
烏磨さんとは、もう会うこともないだろう…
ユメ「ユッキー?」
雪哉「あっ、ヤバイ、ゾクゾクしてきた」
ユメ「もう、ユッキーってば…」
その時、売り子のバイトの女の子が、困ったような顔して厨房に来た。
女の子「雪哉さん…。お客様が…」
呼ばれて行ってみると、そこには、二度と会わないと思った烏磨さんが居た。
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