アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
6〔裏番外〕ゆくえ……
-
マキ「ど、ど、百目鬼さん、見られてるよ、恥ずかしいよぉ〜」
百目鬼「聞こえない」
マキ「ッ…。じ、じ…ん…さん」
念願の買い物に出掛けたマキは、俺の腕に捕まってピッタリ寄り添い歩いてる。
今日は普通のデートだ。
マキの望み通りの買い物デート
マキの望み通り腕に寄り添って…
なのにこの恥ずかしがりよう。
マジ勘弁してほしい。公共の場で俺に襲われたいのか…
百目鬼「何故恥ずかしい、お前がそうしたいと言ったんだろ?」
マキ「だから、僕は着替えさせてって言ったのに、せっかくデート用に新調した白のフリルのワンピースがあったのに…。〝男の格好のまま〟なんて…」
マキは、今日の買い物にいつものように女装で来ようとしていた。
だが、俺は取り繕ったマキではなく、そのままのマキが良かった。
あんな写真を見た後なら尚更だ。
『女装じゃなくて、ありのままのお前でいいだろ』
と言ったら、マキは〝何故か〟またリンゴになってもじもじして、口をとがらせた。
理由を尋ねると『ッ…また…そういうこと無自覚に言っちゃう…』とか拗ねた後『だって女の子の格好じゃなきゃ、手を繋いでくれないでしょ!』とか言い出すし『僕、今腰の奥がジンジンして上手く歩けないし、これ以上休んだらお店閉まっちゃうし!』と、煩い。まぁ、俺が盛ったからいけないんだが…
最近少し気になるってることがある。
マキは、前に俺がキレて乱暴に扱っても、平気な顔して歩き回ってたのに、最近は、終わった後腰が立たなかったり、ベッドから暫く出ない事が増えた。
乱暴なことも無茶苦茶なやり方もしないように気をつけてるのに…
…どうしたんだ?
前と変わったことといえば、連日の行為…、だがマキは嫌がるどころか可愛いツラして誘ってきやがるし…、そう言えば、誘ってるような素振りはあるが跨ってはこない…、それに魔性化せず、真っ赤になることの方が増えた……。
……うーん。
……単に、ヤり過ぎか?…
前よりは優しくできてると思っていたんだが…、やはり負担が大きいか……
俺も、少し自粛するべきだな…
もう大学も始まるし、マキの望む通りの毎晩は無理だな…。
こんな状態になっちまうようじぁ…
ふにゃっと可愛いツラして気怠い色気を無駄に振り巻いて無自覚で男を惹きつけるエロガキが!
それにマキをジロジロ見てる野郎ども、惚けたツラしてんじゃねぇ、こいつは俺のだ!
百目鬼「男の格好のままで、手を繋ぎたかったんだろ?」
マキ「そ、そういう訳じゃ…、ってか、絶対百目鬼さんは…」
百目鬼「ん?」
マキ「ッ…じ…んさんは…。嫌がると…」
百目鬼「…嫌だとは言ってない、というより、男のお前が俺に張り付いてたら目立つ、近所やよく利用するところで好奇の目で見られながら歩くのは遠慮したいし、近所の誰かに見られてからかわれたり、知らない奴らにゲイカップルだと思われたくなかった」
マキ「だから女装するんじゃん」
百目鬼「だから!、今日は生活県外のショッピングモールに来たんだろ」
マキ「ッ!」
百目鬼「なんだかんだ買い物デートなんかしたことなかったからな。したかったんだろ?ちゃんとお前が好みそうな店もあるだろ、確かこの店だろ?いつも修二たちが買い物デートしてて羨ましいと言ってたやつは…」
マキ「ッ…ッ…」
マキは顔も耳も首も真っ赤にして、涙目で俺を見上げたかと思ったら、パッと花が咲いたような笑顔で飛びついてきた。
マキ「神さん大好き♡チューしちゃう♡」
百目鬼「バッ!…それは止めろ!!」
マキ「えー♪いいじゃんいいじゃん♡」
百目鬼「買い物する前から騒ぐんじゃない!」
マキ「えー♪チュウするだけじゃん♡」
百目鬼「さっきまでの恥じらいはどうした!!」
マキ「神さんがいちいち可愛いしカッコいいのがいけなんじゃん♡」
だから!いちいち可愛いのはテメェーだろうが!!
マキ「チュウしちゃダメェ〜♡?」
バカじゃねぇのか!猫耳生やして可愛らしく小首を傾げるな!剥くぞ!!
百目鬼「ダメだ!」
マキ「じゃあ僕、欲しい物があるんだけど」
百目鬼「買ってやるから離れろ!」
マキ「ふふふ♡ありがとう神さん♡」
俺はこの後、この軽率な発言をめちゃくちゃ後悔する事になる。今後は軽率な発言はしないようにしようと心に決めた。
なんと、マキの欲しい物とは…
マキ「うふふ♡むつが見つけて僕コレ欲しかったんだよねぇー♡でも、むつたちは3個セットが無くて、むつは買えずに残念がってたんだァー♡むつに自慢しちゃおっと♡」
……ドーン!!
コップを隣に並べると、ハート型になる柄のマグカップだった。
マキ「百目鬼さん絶対嫌がると思ったから、僕、今幸せー♡」
賢史や矢田や檸檬に見つかったら一生笑われる!!
マキ「神さん見て見て♪こっちに綺麗なお皿があるよー♪」
…まぁ、マキが楽しそうだから…、今回は良しとするか…
うぅ…、絶対賢史にはバレたくねぇ…
俺は、マキと付き合って10ヶ月になろうとしている。まぁ、途中離れた時期もあったが、無事に元に戻ったし、前よりいい関係にはなったと思う。
長い間一緒にいながら、
俺は今日初めて、
マキの食器の好みや、
洋服の好みを知った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
839 / 1004