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14〔裏番外〕ゆくえ……
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犬??
夢は夢だと思いながら、驚いてしまう。
百目鬼「…誰かに助けて貰って、破けた服の代わりに背広を貸してもらって後日返そうとして公園会ったりとかしなかったか?」
マキ「え?背広?犬散歩してた人は、女の人だったよ。犬にはまた公園で会ったりしたけど…、何でそんなこと聞くの?」
犬…
百目鬼「成一にいじめられてて靴隠されたり、ランドセル水浸しにされたりとか…」
思わず夢での出来事を追求すると、マキは驚いたようにピクッと反応して、冷静に言葉にする。
マキ「……成一になんか聞いたの?確かにそんなこともあったけど…、小学生のやる子供じみたただのイタズラだよ」
…出来事は、本当にあったこと…なのか?
…しかし、アレを子供じみたイタズラだと片付けるって、マキはやっぱりどうしようもないな…。
アレは、タチの悪いイジメだ。
百目鬼「…チッ、今後は指一本触らせねぇ、視界に入ろうものなら葬ってやる」
マキ「ッ!?」
毒づいた俺に、俺が夢に見たことを知らないマキが驚いて瞳を瞬いてる。
俺は、小さい子にするみたいに頭をよしよし撫でてやりながら…
〝頑張ったな、でも頑張り過ぎて自分を蔑ろにすんなよ。強くあろうとするのはいいが、お前はそんなに強くねぇぞ畜生が…〟
と、複雑な気持ちで撫でてると、マキは眉間にシワを寄せながら俺を見つめる。
マキ「怖い言い方しないでよ。賢史さんに逮捕されちゃうよ…」
百目鬼「逮捕されるようなヘマするわけねぇだろ」
マキ「……、話さなきゃよかった…。神さんがそんなこと言うなら、僕、もう話したくない…」
ムスッとしたマキ。
本来ならそこでイラっとして喧嘩になるんだが、俺は嬉しいって変な感情が広がった。
百目鬼「なぜ口を尖らせる?」
マキ「神さんが怖いこと言うからじゃん」
百目鬼「お前に害を為すものを取っ払おうとしただけだろ?」
マキは益々ムッとして、俺を睨んでくる。
マキ「僕は、害を与えられたんじゃない。成一さんは思春期で、親戚だと思ってた僕が、父親の愛人の子供だと知ってショックでちょこっと意地悪しただけだし、僕はなんとも思ってない。それに万が一、神さんが賢史さんに逮捕されちゃったら、僕はどうすればいいの?神さん不足で死んじゃうよ?」
睨みを利かせながら、俺を上目遣いで見つめる小悪魔は、その瞳で俺を刺激しようと怒りながらワザと可愛らしい仕草をしやがる。
マキ「今回助けてもらったのは感謝してるけど、これ以上はいらない。成一に構う暇あったら僕に構って♪」
魔性のオーラを漂わせながら、俺を誘惑しする。〝人の道から外れたことをさせない〟と言いたげに、俺が喜びそうなことを言って気を引いてやがる。
小4の茉爲宮優絆と違い、擦れた今のマキは、小4よりだいぶ人との関わり合いで嘘をたくさん付き、自分を隠す術を覚えてしまった。
人に頼る甘え方も、自分を曝け出して愛してもらう甘え方も知らずに育って、それが普通で当たり前だったんだ。
茉爲宮優絆はまだ空きがあったから感情が透けて分かりやすかった…
ある意味、小4の茉爲宮優絆は、今よりは素直で可愛かったんだな……。
頑固だったが…………
百目鬼「分かった。構倒してやる」
マキ「ふえ…?!」
真顔で答えた俺に、マキは少し驚いた。予想と違った答えだったのだろうか?まぁ、そんな事今はどうでもいい。言ったからには責任とってもらおう。
百目鬼「今日は晩ご飯なにがいい?お前の好きなもの作ってやる。大学終わったらすぐに帰ってこいよ」
マキ「…神さんの作るものならなんでも美味しいよ」
百目鬼「お前の!一番好きなものは何だ?」
マキ「え?なんでそんな気合い入ってんの?神さんの作るものなら…」
百目鬼「お前の一番好きなものを作る言ってんだろ!」
マキ「……ハンバーグ?」
歯切れの悪い答えに、迫り過ぎたかと反省して、一度深呼吸してから聞いてみた。
百目鬼「なんで疑問系なんだよ、食べたいものとかないのかよ」
するとマキは、目をキョロキョロさせて迷いながら、顔を赤らめてゴニョゴニョ言い出す。
マキ「だって…本当に神さんが作るものならなんでも食べたいし…、神さんが作ってくれたものは本当に美味しいし…」
百目鬼「……せめて食材を言うとかよ、食べてみたいものはないのか?」
可愛く口を尖らせてピヨピヨ言ってるマキを見ないようにしながら、さらに問い詰めると、何か思いついたようで、今度は幻の猫耳生やして、きゆるるんって可愛らしくウルウルした瞳で俺を見つめながらお願いポーズで小首を傾げやがった。
マキ「……食べてみたいもの…、なんでもいい?」
声まで可愛らしく変えて、おねだり。
どうやら、ぶち犯されて俺に喰われたいらしい。
百目鬼「そう言ってんだろ」
マキ「怒らない♪?」
百目鬼「さっさと吐け!」
今日から大学だと心の中で唱えて平常心をフル稼働してるのに、小悪魔マキは凶悪に可愛らしさを振りまくからタチが悪い!
俺はマキに優しくする!俺はマキに優しくする!俺はマキに優しくする!
マキはワザとらしく凶悪に可愛い面で、猫耳をピコっと立てて、しっぽをゆらゆらおねだりしてきやがった。
マキ「百目鬼さんの好きなものが食べたいな♡」
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