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溺愛4
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ユリちゃんは、つよしの〝オネエさん〟。
本当はお兄さんなんだけど、菫ママ達みたいなオカマさん。みんなからはあだ名で〝ユリちゃん〟と呼ばれているが、本当の名前は〝ユリウス〟。
つよしと同じオランダ人とのハーフで、年は凄く離れてるけど血の繋がった兄弟。つよしの家は3人兄弟で、姉、兄のユリちゃんと、つよしの順番。
1番上のお姉さんは結婚して、神さんと同じ駅に住んでるんだって。ちなみに、そのお姉さんの結婚相手が、つよしの昔好きだった人。というか、僕が同じ寮生だった時までの一年前くらいまでは、手帳に写真を持ってた。今は…どうかな?
マキ「久しぶりだね♪ユリちゃんいつ来たの?」
ユリ「二週間前だよ。やだぁ、マキちゃんなんかますます綺麗になった?美人って羨ましい」
ユリちゃんはオランダと日本を行ったり来たりしてて、日本も長いから日本語ペラペラ。
彼女はニューハーフで、女の子になりたい人。
だから、綺麗な可愛いお洋服にヒールの高い靴を履いてとても女性らしい。
ユリ「こんにちは、お買い物中すいません。ユリっていいます」
ユリちゃんはサングラスを外して、神さんに丁寧にお辞儀した。
サングラスを外した瞬間、つよしと同じ綺麗なエメラルドグリーンの瞳が見えて、神さんが少し驚いてた。
マキ「神さん、こちら、ユリちゃん。こないだ菫ママの店で会った僕の友達のつよしのオネエさんだよ」
百目鬼「始めまして、百目鬼です」
神さんも営業スマイルで対応していたが、なぜか繋いでいた手にギュッと力を込められた。
…嫉妬?…お姉さんだって紹介したのに?それとも百目鬼さん、探偵だから、分かっちゃたのかな?ユリちゃんが男だって…。
僕らが手を繋いでいるのを見たユリちゃんは、手をつないでる僕たちを見て急に顔を赤くした。
ユリ「あっ、えっ、も、もしかして、マキちゃんの…」
ユリちゃんが、神さんは彼氏かって聞こうとしたのが分かったけど、この人混みだから気を使って濁して。僕は答えに迷ってチラッと神さんを伺った。言っても良いのか、神さんの反応が気になって。
そしたら、神さんは、僕の視線には気がついてなくて、真っ直ぐユリちゃんを見ながら答えた。
百目鬼「そうです」
迷いの無い答えを聞いた瞬間、ユリちゃんが顔を赤くしながら両手で口元を抑えて「きゃー」って小声で羨ましそうにジタバタしてたけど。
僕まで顔が熱くなって心の中で〝きゃー!〟って叫んじゃったよ!
だってだって百目鬼さんの身近な存在じゃない人にまで言っちゃっていいんだって、もう隠さないんだって初めて実感したから。
ユリ「やだやだごめんなさいお邪魔して、でも素敵!マキちゃん良かったね!超カッコいい人じゃない!超羨ましい!」
女子高生が騒ぐみたいに、キャーキャーあくまで小声で騒ぐユリちゃん、内股で足をパタパタさせて、手で顔を隠しながら、その指の間からしっかり僕たちをチラ見してまた恥ずかしそうにキャーキャー小声で騒ぐ。
女の人みたいに可愛らしいユリちゃん、口元を隠してるその手の爪は、派手目なキラキラネイルで綺麗にしてあって、化粧や仕草、隅々まで気を使て可愛いらしくしてるし、外人の堀の深い感じがキリッとした女性に見えるから、男の人に見えない、見た目だけなら本当の女性に見えるし、声も結構綺麗。学生の時声楽を習ってたって。
…神さんを彼氏だって紹介するのって新鮮でなんだかこそばゆい…。そういえば、神さんと初対面なのに、神さんを怖がらずにこんなに笑顔でカッコいいって初めて言われたかも…。
マキ「えへへ♪うん、とっても優しいんだよ、今日も買い物に連れてきてくれて、服選んでもらっちゃった♪」
思わずにやけた顔で言ってしまった僕に、ユリちゃんは「やぁん、幸せそうな笑顔しちゃって、ご馳走様」って言って、僕の肩を叩く。
ユリ「私も恋人作ってお買い物デートしたいなぁ」
マキ「あれ?今いないの?」
ユリ「そうなのー。今募集中♪。良いなぁ、どれ選んでもらったの?」
マキ「全部だよ」
ユリ「全部!?え?え?あっ!そのロゴにその柄!今年限定色のコートじゃない?!」
神さんが選んでくれた縞模様のコートを見て、大興奮のユリちゃん。僕らが行った店にユリちゃんも行ったことあるらしい。カバンからオシャレ雑誌を取り出して、お店の特集記事を見せてくれた。そしたら、結構なお値段で限定販売してる数少ないコートだった。
他にも神さんが選んだ服が載ってて、白いフワフワのセーターとか、薄い青の長袖シャツとか、どれも今年お勧めのカラーだったり、新作だったり。このお店はシンプルな服が多くて爽やか系と可愛い系とあるんだけど、神さんのチョイスしたものは、どれも僕のイメージに合うとユリちゃんがキャッキャして自分の事のように喜んでた。
ユリ「あー、羨ましい!百目鬼さんってお洒落なんですね、コーデネートも可愛いし、美人で可愛いマキちゃんをよく分かってる素敵な服ばっかり。マキちゃん色白だから、飾りがいもあるしね。良いなぁマキちゃん素敵な人見つけて羨ましい」
…そうなんだ、僕はてっきり…清楚系が好きな百目鬼さんがそういうの着て欲しくて選んだのかと思ってた。
だって、男が服を買うのはそれを脱がしたいからっていうし…。
…僕のイメージ…
神さんの中で、僕って悪戯で淫乱の魔性じゃないのかな?…神さんは僕のことどんなイメージなのかな?
ユリちゃんがおしゃべりしてる間、神さんをチラッと見たけど、神さんはそっぽ向いて眉間にシワを寄せてた。不機嫌そうで怖いけど、たぶん照れて拗ねてるんだと思う。こんな風にばらされちゃったら立場無いもんね。きっとまた、いっぱい事前調査して色々考えてくれたんだ。
強面な大きな体の神さんが、僕にバレないように身を小さくして隠れてパソコンや雑誌でデート先をコソコソ調べてたのを想像したら、もう可愛くて愛おしくて、今すぐ抱きしめてキスして跨りたかった。
ユリ「って!私の馬鹿ッ!長話してごめんね!」
マキ「ううん、大丈夫。またつよしと一緒に遊ぼうね」
凄く良いことを教えてもらえたし♪
ユリ「うん、つよしに連絡させるね。すいません百目鬼さん、それじゃあ失礼します」
ユリちゃんがペコペコ謝りながら、バーゲンの人混みに見えなくなった。
ユリちゃんの姿が見えなくなったら、百目鬼さんがボソッと呟く。
百目鬼「あれ…、男だよな」
マキ「…うん、ニューハーフさんだよ。見た目じゃ分からないくらい可愛いでしょ」
百目鬼「いや、そういうのはすぐ分かる。何年菫ママの店に通ってると思ってんだ。綺麗にしてても隠せない部分もある」
さすが探偵さん。
百目鬼「しかし、お前もそうだが、外人の目の色は生で見ると迫力あるな、透き通るような綺麗なエメラルドグリーンだな…」
…。
マキ「…外人って、僕はクオーターで、ユリちゃんとつよしはハーフだよ」
百目鬼「お前がクオーターなのは知ってるよ」
大きな手がワシワシと僕の頭を撫でながら、神さんが笑ってる。なんだか…
僕は頭の上の百目鬼さんの手に指を絡めて、その腕に寄り添った。
百目鬼「ん?どうした?」
マキ「…ううん、もう帰ろう…。
…帰ってイチャイチャしたい」
百目鬼「おい…」
マキ「んふふ♪」
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