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ー芽生えー11
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それから数日。
僕は、神さんの言いつけを守ってみみちゃんの依頼について聞かないし、その話題をしている時もなるべく席を外すようにしてた。
神さんの忠告で、最近様子がおかしい原因はほぼ確定されたし、不器用な彼なりに考えてああ言ったと分かったから。僕は知らないふりをすることにした。
みみ「マキちゃん元気?」
空き時間に1人で庭にいたら、みみちゃんがやってきて声をかけてきた。元気?って声をかけたみみちゃんの方が、なんだか元気が無い。
マキ「元気だよ♪ほぼ毎日顔話合わせてるのにどうしたの?」
みみ「…いや、あのね。昨日サークルの飲み会の話あったじゃない?」
マキ「ああ、僕行かないよ」
みみ「…あのさ、もしかして…」
気まずそうに伏せられた目で、なんとなく分かった。僕がこの数日、みみちゃんと礼ちゃんから離れることが増えたのを気にしてるんだ。
マキ「あはは♪最近の僕の態度が気になっちゃった?ごめんね♪。実はね、うちにとっても寂しがりやな子がいてね、しょっ中メールしてたんだけど、最近はみみちゃんたちと一緒なこと多いから控えてたら拗ねちゃったんだ♪」
みみ「…え?…。…もしかして百目鬼さん?」
マキ「シィー。ふふふ♪」
僕の意味深な笑みに察したみみちゃんは、口を塞いで辺りをキョロキョロ見回した。
神さんをダシにしたけどこの場合仕方ないよね♪本当のことを言ったらみみちゃん変に気にしそうだし、まぁ、みみちゃんは口が固いタイプだから心配は無い。
僕が手招きすると、忍び足で僕のそばまで来て、僕の隣に座ってまた辺りを見回す。
マキ「今は11月だから、忙しいんだって、だからいっぱいメール欲しいみたい♪」
みみ「え?でも、一緒に住んでるんだよね?」
マキ「んふふ♪僕が可愛いから、大学で襲われやしないか心配なんだって♪」
みみ「マキちゃん、それ笑い事じゃ無いから」
マキ「ふふ♪大丈夫♪、僕が襲われるようなタマじゃ無いって知ってるでしょ♪」
ウインクしながらキュルンと可愛らしい顔して笑ったら、みみちゃんは冷めた目で僕を見てため息ついた。
みみ「確かにマキちゃん強いし返り討ちにしてるけど、一回や二回じゃ無いじゃん、それ、百目鬼さんに言った方がいいんじゃない?」
マキ「ダメだよ、百目鬼さんに言ったら相手の人海に沈められちゃうよ♪」
みみ「うっ…」
マキ「ふふ♪ウソウソ♪、まぁ、でも、病院送りは免れないね。それに、大学に乗り込んで来ちゃうだろうから、そうなったら大学に通えなくなっちゃうし♪」
みみ「…」
マキ「ふふ♪だから、何事もないってメールしてるの♪忙しくなかったら丁寧に毎時間メールくれるんだけど、今は出来ないから僕からメールしてるの♪
まぁ、実際はみみちゃんたちと一緒に行動するようになって減ったし。外野のやつらは可愛らしい僕を近くで見てみたいだけだから、本気でどうこうできる奴なんかいないよ♪」
ワザとこんな残念な言い方をした。
最近は周りから優しい人ってイメージで見られることの増えた神さん……
怖い人だって思わせたいわけじゃないけど…
神さんが優しい人だって思われるのは嬉しいけど…
神さんは本当に優しいから…
みんなに誤解されやすいのがちゃんと優しい人だって伝わるのは嬉しいけど…
でも…
みみ「…百目鬼さんってすごく優しそうだったけど、やっぱ怒らせたらマズイんだ…」
マキ「うん、すっごい怖いから怒らせない方がいいし、凄く嫉妬深いんだよ♪」
神さんの株を下げたいわけじゃないけど、カッコイイ神さんばかり見られたら、なんかちょっと心配になる。
マキ「飲み会もさ、誘ってくれて嬉しいけど、お許しが出ないと思うんだよね♪」
みみ「でも、今回の集まりは、秋に入ったマキちゃんの歓迎会も兼ねてるんだよ。それでもダメそう?」
マキ「んー。聞いてみてもいいけど、ダメだと思うけどな」
神さんは絶対ダメだって言うな。
修二達の所に遊びに行くっていうのも、眉間にしわを寄せて渋々だし、お迎えに来ちゃったりするし。
飲み会は行ってみたいけど、参加者の素行を知らない神さんは速攻で雷落としそうだし…
みみ「そっか…。そっか…。でも、私たちの前でもメールとか遠慮しなくていいよ、礼ちゃんもマキちゃんのこと気にしてたから。メールのことは詮索しないように礼ちゃんには上手く言っとくし」
マキ「うん、分かった」
みみ「…私も百目鬼さんの気持ち分かるよ」
マキ「え?」
それは意外な回答だった。
みみ「マキちゃんみたいな美人が恋人だったら、心配にもなるよ。それにマキちゃん頑固で意地っ張りだから、見張ってないといざって時に無茶しちゃいそうだし」
マキ「…」
みみ「…マキちゃん、愛されてるね」
何故かみみちゃんはそう言って嬉しそうに笑った。
…。
心理学を勉強している人間だからだろうか?
みみちゃんも、そして礼ちゃんそういうところがあるんだけど、僕の上っ面の言葉が時々通用しない。
僕に近づいてくる人は色々いたけど、みみちゃんや礼ちゃんは、自然と隣にいるのが増えた。
みみちゃんも礼ちゃんも頭がいいっていうのもあったけど、なんだろう、一緒に居て自然な時がある。
みみ「あっ、でも、もしかして私たちにも嫉妬してるの?」
マキ「あっ…うん…少し」
みみ「じゃぁ、遊びに行ったりとか、怒られるのかな?」
マキ「え?」
みみ「冬休みとか、どっか遊びに行けたらいいなって礼ちゃんと話してたんだけど、ほら、12月はイルミネーションとか綺麗じゃん、遊園地とかどうかなって、例えばネズミーランドとか…」
遊びに?
イルミネーション?
ゆう…えん…ち…
ネズミーランド!!☆
マキ「…僕と?」
みみ「うん、私と礼ちゃんとマキちゃんと、氷室威さんとか…みんな誘って…」
遊園地…。
みみちゃんたちと…
友達と遊園地…
修二達とじゃ、デートの邪魔になっちゃうって思ったことはあった…
神さんとは、遊園地は子供っぽいかなって思ってた…
泉は遊園地キャラじゃないし…
行ってみたいとは思ってたけど、相手がいなかった。
みみ「ダメかな?…怒られちゃう?」
マキ「……行きたい…」
みみ「本当♪」
マキ「遊園地行きたい…」
みみ「良かった♪礼ちゃんが大喜びするよ」
マキ「あっ…、でも聞いてみないと…」
みみ「うん、もちろん。私も礼ちゃんも楽しみにしてるから、だから、飲み会の件と合わせて聞いてみて!ね?」
マキ「うん」
なんだろう…
ワクワク?みたないな感じがする…
みみちゃんも礼ちゃんも、女の子だけど、一緒にいて楽しいって思ってる。女の子って苦手だけど、みみちゃんと礼ちゃんは腐女子だからなか?
遊園地はずっと行ってみたかった。
行きたいけど、無理そうだと思って考えもしなかった。
行ってみたいな…
でも、神さんの答えは想像つくなぁ…
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