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ー芽生えー14
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百目鬼事務所は、忙しい時期に突入していた。
賢史さんと会った翌日から、神さんはまた賢史さんの紹介の新しい依頼を受けたらしい。
年末に近づくと、世の中はクリスマスや年明け準備と忙しいが、おめでたいイベントが近くなると、探偵事務所には浮気調査が増えるらしい。
まだ11月だというのに、百目鬼事務所には浮気調査やら素行調査が増えた。
マキ「神さん、まだ仕事するの?」
百目鬼「あー、もうこんな時間か、悪い、今行くから先にベッド入ってろ」
マキ「僕のことは良いんだよ、ベッドは神さんの匂いでいっぱいだから。でも、神さんは最近ちゃんと寝てる?僕のこと寝かしつけた後起きてパソコンしてるでしょ」
百目鬼「前に比べればちゃんと寝てる。ほらほら、抱っこしてやるから余計なこと考えるな」
マキ「子供扱い?」
百目鬼「子供だろ?」
マキ「子供にあんなことするの?」
百目鬼「煽らないで大人しくしろ、喰われてーのか」
マキ「た、べ、て♪」
百目鬼「ッ…」
前に矢田さんに聞いたことある。僕と出会う前、2年前の神さんは、もっと忙しくしてて、残業や徹夜が当たり前で馬車馬のように働いていたという。
それにはいくつか理由があって。強面の神さんと矢田さんが居る百目鬼事務所は、一般のお客様がいなくて、賢史さんが百目鬼事務所を紹介して回ってくる仕事ばかりしていた。刑事である賢史さんの関係から回ってくる仕事は、どれも事件性のあるもので、ほとんど神さんがこなしていた。心配性の神さんは、危険性の高い仕事を檸檬さんにやらせず。
仕事の選り好みやセーブすることもなかった、ソレをしたら、檸檬さんや杏子さんや矢田さんやお給料が払えないからって、とにかく働きまくってたって…
今は、一般の仕事が増えたから、ペット探しから素行調査や浮気調査まで、事件性の無いものばかりなので、檸檬さんが普通に仕事出来るようになって、神さんも無理に働くなった。と言っても、賢史さんからの紹介の仕事をやらなくなった訳じゃ無いし、危険性の高いものは神さんが担当する。今は、徹夜などを減らしただけで、神さんが沢山働いてることには変わり無いのだけど、今の神さんの生活の仕方に変わったのを、檸檬さんや杏子さんや矢田さんは喜んでた。
事務所に1人残って食事はカップ麺やコンビニ弁当、1日二箱のタバコに、寝るのはソファーだった神さんの生活が…
今は僕にご飯を食べさせるために三食手作りで、夜は7時に帰宅して、僕と晩御飯食べてお風呂入って、残業をやったりするけど、僕とベッドで寝て。朝は朝食作って僕を起こして一緒に食べて。タバコも減ったし、休みも取ろうとしなかった神さんが、僕のことを心配して仕事の合間に休憩と称して迎えに行ったり、デートのために休みを取ったり。
人間らしくなったって言ってた…
だから、最近忙しくなってきててパソコンに向かう機会が増えたりしてても、一緒にご飯食べて、一緒に寝てるだけでも贅沢なことなんだよなぁって思う。
同棲前は、一週間会わないとか普通にあったし…
僕が料理作れたら、少しは楽なんだろうなぁ…
…、
修二はできる範囲だけど料理してるし…
奏一さんはプロ並みだし…
……。
ユリちゃんは、料理得意だな…
掃除や洗濯だけ出来ても、料理できなきゃ負担減らせないよね……。
料理かぁ……。
********************
修二「うーん」
修二にマンツーマンで料理を教わったけど、壊滅的な包丁さばきの僕。
むつ「うわ、お前の切ったの全部繋がっちまってるぜ」
むつに笑われて、僕のガラスのハートは粉々。
むつ「ってかさ、マキ。お前百目鬼とヨリ戻したのに修二にべったりすぎやしないか?」
拗ねた顔のむつ。僕が家に来ると、修二が僕に構ってばっかだからいじけてるみたい。
マキ「しょうがないじゃん、百目鬼さんは毎日仕事なんだもん。今日は休講で午前中暇だから、むつくんの顔見に来たのに酷い」
むつ「嘘つけ!、修二に構って構ってってベタベタしやがって、百目鬼に構ってもらえよ!今日だけじゃ無いぞ、放課後もしょっちゅう来るじゃんか、こないだなんか俺抜きでおっぱじめやがって」
来なきゃ来ないで怒るくせに、来たら来たでいじけるんだから。いつまでもお子様だなぁ。
神さんは忙しいんだよ。
華南の性欲まで僕のせいにしないでほしい。…そう言えば。華南は大丈夫なのかな?
マキ「あれは僕のせいじゃ無いよ、華南が勝手に修二とイチャイチャしだしたんだよ。僕だって百目鬼さんに構ってもらいたいけど、百目鬼さん仕事だよ?今は忙しい時期なんだ。僕は探偵事務所のアルバイトクビのままだから、事務所に居られないし、かといって部屋で1人は寂しいしー」
むつ「キングがいんだろうが!」
マキ「キング今散歩行きたがらないんだよ、こないだ迷子になったのが怖かったみたい。今はミケにくっついて回ってるんだ」
むつ「だからって、うちに来て毎度無謀な料理教室してもなぁ、お前料理向いてないんじゃね?」
こないだ修二と華南がイチャイチャしたのを僕のせいにして不機嫌なむつくんの八つ当たり。
プリプリ怒ってる姿は、キングが不機嫌に神さんに吠えてる時と同じだから見てて可笑しくて仕方ないんだけどな。
さすがに理不尽な八つ当たりに、修二がむつくんを叱ってくれた。
修二「こらこら、人のこといえないでしょ、むつだってなんでも大雑把に切ればいいと思って」
むつ「切れてるんだからよくね?」
修二「ダメだよ、火の通り方がバラバラになっちゃうじゃん」
むつ「えー、そうなったらレンジでチンすればいいじゃん」
修二「もぉー。あっ!むつ、そろそろ時間だよ」
修二が時計に目をやると、むつが出勤する時間になってた。
むつ「しまった!今日はつよしの姉ちゃんが予約してんだった」
え?!
慌てて荷物を持つむつに聞いてみると、ユリちゃんが今日1番で予約してるらしい。
マキ「僕もいっていい?」
むつ「あ?つよしの姉ちゃんに会いに行くのか?あの人今日はマッサージの後デートだって言ってたぜ」
マキ「え?…デート?誰と?」
むつ「は?誰かなんて知らないよ、男と出掛けるって言ってたから」
…出掛ける?
誰と?
神さんと?
でも、神さんは今忙しくて…。
半日休みの買い物デートしたのもだいぶ前だし…
…って、ユリちゃんと神さんは知り合いって訳じゃ無いし…、神さんの可能性なんか無いに等しいのに、香水付きのワイシャツで疑うなんて、昼ドラのワンシーンみたい。
ユリちゃんは、僕と神さんが付き合ってるの知ってるし、そんなことする人じゃ無いし。
今は彼氏いないって言ってたなぁ…。
じゃあ一体誰とデートだろう?
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