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(裏)ー芽生えー12
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ガーーーーーーンッ。
…やっちまった…
ドーーーーン。
朝日が痛い…
奏一にも修二にも顔向けできない…
何が大切にするだ…
またキレちまってんじゃねぇか
ズーーーーーーン。
何度こんな風に反省しただろう。
素っ裸でベッドサイドに座ってガックリ項垂れ、両手で頭を抱える事数十回。
俺の後ろではマキが気を失い、涙と精液まみれでグッタリと横たわってる。
クソッ!!
何の進歩もありゃしねぇー!!
昨日の出来事を思い出すと、もう情けなくて情けなくて…
『マキ、好きだ』
『マキ、…好きだ』
『俺の方がお前よりたくさん好きだ』
何が「好きだ」だ!何が「たくさん好きだ」だ!!
何度マキに好きだと言ったって、喘ぎ泣かせてグチャグチャにしちまってキレて気絶させてちゃ意味ねぇだろ!!
そもそも、探し物を探してたんだろ!!
マキを包み込むんじゃなかったのかよ!!
クソッ!クソッ!クソッ!!
マキを大事にしたい。
マキを大切にしたい。
マキを離しはいない。
絶対だ!
そのためには…、俺が人の気持ちを考えられる人間にならなきゃならねぇってのに。
俺は…、マキを貪ってばかりだ…。
情けねぇ…
マキ「…んぅ…」
俺の後ろでマキがブルッと震えた。
落ち込むあまり、布団もかけずにいた事に気がついて、慌てて何か掛けようとしたが、マキの体はドロドロ…
百目鬼「いい歳して、こんなにぶっかけるとか…」
マキを汚した白濁は俺のだ。
マキの中をいっぱいにして、それでも飽き足らずマキの体にぶっかけた。…思い出しただけで情けなさが増す。
昨日は、マキのが勃つことはなかった。
一体どんだけ飲んだんだ…。
百目鬼「マキの体もドロドロだが、シーツはマキの吹いた潮でびしょ濡れだ…、こりゃ、風呂に入れてソファに寝かしてやったほうがいいか…」
すぐに風呂に向かおうと寝室のドアを開けると、ミケが寝室の中に入ってきた。
百目鬼「ミケ…、今ベッドに上がるな、汚れる。マキが心配か?」
ミケは、返事をするみたいに「ミャー」と鳴いて、家具に飛び上がり、ベッドサイドのぬいぐるみに紛れてマキを見下ろした。
百目鬼「ミケ、そこでマキを見ててくれ、俺は風呂の準備をしてすぐ戻るから」
マキは、目覚めた時に俺がいないと寂しがる。
今回なんかは絶対たい居てやったほうがいいだろう。
あんなに不満を溜め込んでたなんて…
やっぱり俺は、何も気づいてやれない…
大きなため息を吐きながら、風呂の支度を済ませ。マキを抱いて移動中ミケに足にまとわりつかれた。リビングのキングに吠えられながらマキを風呂に入れて体を洗ってやった。髪は乾かしてやりたいが、ドライヤーの音で起こしても悪い。
ソファーに毛布を被せて下を柔らかくしてマキを寝かし、寒くないように布団を掛け、グッタリと眠るマキの濡れた髪をタオルで拭きながら、泣き腫らしたマキの顔に胸が痛んだ。
百目鬼「…はぁー、…寂しがらせてたなんて……。考えもしなかった。一緒に住んで、ちょっとでも移動するたびにメールよこせと煩い俺に呆れてるんじゃねぇかと……。大学もモブの巣窟だって顔だしちまったり…マキを独占しすぎて困らせてないかと思ってたのに…。あんな事言うなんて反則だろ…」
『もっと一緒にいたいもん!』
百目鬼「お前は、俺に都合良過ぎに出来過ぎじゃねぇか?」
マキの言葉を思い出し、何とも言えない気持ちが胸を締め付ける。
目を瞑るマキの頬を撫でながら、腫れぼったい瞼に触れると苦しくなる。
百目鬼「どこまで俺を許すつもりだ…。お前はそれでいいのか?それで本当に自分を出せてるか?」
眠ってるマキに問いかけても、答えは返ってこない。
あるのは…
泣かしてグッタリ気絶したマキの寝顔だけ。
百目鬼「……、……。今日は、特別製のフレンチトースト作ってやるからな…」
マキはまだ19才。
思春期真っ只中の寂しがり屋の子供。
奏一にそう言われた事を思い出し、唱えるように反芻した。
今日は土曜日。
マキは大学が休みだ、ゆっくり寝かしてやりたくて、俺の出勤時間に声をかけずに下におりた。
マキがいつ起きてもいいように、フレンチトーストは準備済み、外は雨が降ってて、来客はなく静かな時間が流れた。
杏子や檸檬に許可を取って、30分置きにマキの様子を見に行ったが、マキは死んだように眠ってた。
マキは、お昼になっても起きない。
心配で何度も顔を覗いたが、マキはスヤスヤ眠ってる。
百目鬼「…一応、昼飯も作って置いておくか…」
大食らいのマキの事だから、食べなかった分食べるかもしれないと思って台所に立っていたら、リビングのソファーの方から呻き声が聞こえてきて驚いて振り返る。
マキ「う¨ッ…ぅー…」
百目鬼「どうしたマキ!?吐きそうなのか?」
真っ青な顔したマキに驚いて、思わず両手で受け皿を作り、受け止めようとしたが、マキは激しい拒否反応を示してソファーから落ちそうに…。
しまった!トイレに連れて行くべきか!?
慌ててマキをトイレに担いで行って、トイレで背中をさすってやったが、マキは顔を真っ赤にして涙目で嫌がり、俺をトイレから叩き出しやがった。
切羽詰まったこんな状態でも、マキは醜態を晒すのを嫌がる。まったく困ったやつだ、危なっかしくてしょうがない…。
マキがいつ出てきてもいいように、コップに水を入れて待っていたが、マキはいつまでたっても出てこない。
呼んでも「へーき」というばかりで、いい加減腹が立って、外から無理やり鍵を開けてドアを開くと、マキはトイレで顔を真っ赤に涙目のまま蹲ってた。
百目鬼「おい!全然平気じゃないだろ!こっち来い!」
マキ「ッ!むり…むりぃぃむいむい!」
百目鬼「完全に二日酔いじゃねぇか、一体どんだけ飲んだんだ。出すもん出したなら横になれ」
マキ「むいむい!」
百目鬼「むいむいってなんだ」
マキ「むいむい…、ウ¨ッ…、あぶ…ら…の匂い…」
マキがえづいて初めて気がついた。
昼ごはんに炒め物を作ったその油の匂いが部屋に充満してて、マキは気持ち悪くなっちまったんだ。
百目鬼「す、すまん!」
あぁ、クソ!
優しく起こしてやろうと思ったのに、二日酔いで気持ち悪いかもって頭が完全になかった!!
窓を開け放ち、匂いを外に出そうにも、外は雨で窓が開いてると寒い。そこで、締め切ってあった匂いのしないマキの勉強部屋に毛布を引いて、マキを避難させ、そっと横にしてやる。背中をさすって優しく撫でと、落ち着くようにおでこにキスした。
マキ「ッ!」
百目鬼「大丈夫か?顔赤いな…熱か?それとも酒残ってるのか?…あぁ、水か…水飲めるか?」
情けない。
二日酔いのマキに、フレンチトーストだの昼飯だのとんでもない事だった…
俺ってやつは…
どこまでやらかせば気がすむんだ…
ズーーーン……。
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