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ー芽生え歌うー3
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『マキ…』
『マキ…』
神さん…?
えへへ…、神さんあったかい。
『マキ…俺はッ………』
え?
何?なんて言ったの?
『お前より…たくさん…好きなんだぞ………』
ーチュッ
温かい感触が、僕のおでこに触れて離れた。
ぬくぬくの布団の中で、あったかい腕に抱かれて意識が浮上した。
百目鬼「マキ…、具合はどうだ?」
眠くてしょぼしょぼする瞼は開かないけど、寝ぼけた頭の中に、大好きな神さんの低音ボイスがいつもより優しく響いて、僕は安心して神さんの腕の中に頬をすり寄せる。
百目鬼「まだ気持ち悪いか?」
何故そんなことを聞かれるのか疑問に思って、ようやく開けた瞳に、神さんの顔が近づいて来て、ビックリしている間に唇が重なった。
マキ「ンっ…」
え?…キス?
チュッ、チュッて触れるだけのキス。
まるで、キスで起こすみたいに優しく優しく触れては、甘やかすようにはんで僕の意識を揺り動かす。
ふえ?
ふえええ?!
マキ「んんッ…ぁん…じ、神さ…ゥン…」
百目鬼「ん?」
「ん?」じゃないでしょ!!?
なんでこんな起こし方なの!?
なんで優しい顔して「ん?」とか言いながらまだキスしてくるの!?
マキ「んぅ…、じ、…ちょっ…まっ、…ぁん」
百目鬼「ん?起きるのか?」
マキ「起きます」
目が冴えたよ!!
そこは、僕の勉強部屋。
昨日のまま、僕は朝まで寝たみたい。
もしかして神さんまで付き合わせた?モーフを引いただけの床は神さんには固かった筈なのに…
百目鬼「具合は?」
またしても僕の体調を聞かれてハッとした。
昨日の醜態の数々…
ギャァアーーーーーー!!!
百目鬼「まだ顔が赤いな、昨日はたっぷり1日寝たのにな。お前、次こんなことしたらただじゃ済まさないからな」
神さんは低い声でそう言いながら眉間にシワを寄せてるのに、その言葉とは裏腹に、めちゃくちゃ甘やかすような優しい仕草で僕の頭を撫でてきた。
ちょ、ちょっと何々!?
恥ずかしいんですけど!!
甘やかすように優しく頬に触れて撫で、ゆっくり乱れた髪を後ろに流してくれる。その手が、壊れ物を扱うみたいに優しく優しく触れてくる。
言ってることとやってることがチグハグだよ神さん!
マキ「ごめんなさい…もうしません…」
神さんは、謝る僕にまたヨシヨシしてきた。
眉間にシワを寄せながら、チグハグな優しい声で、調子はどうかと聞いてきたから、体は重たいけど大丈夫だと答えると、僕をベッドから抱き上げてお姫様抱っこでリビングに移動し、ソファーに横にしてくれた。
百目鬼「何か食えそうか?」
マキ「うん、お腹空いてる…」
百目鬼「温かいものがいいか?、昨日は何も食べてないから軽めがいいだろ」
マキ「…うん、神さんに任せる」
なんだか擽ったい神さんの態度に僕はモジモジしていたら、神さんは1分もしないでおじやを持って戻ってきた。
マキ「うわぁ、美味そー」
ほんわりしたいい匂いに、食欲が湧く。胃がモヤっとしていた気がしたが、これならいっぱい食べれそう。胃は重たくてもお腹は空いてた僕は、思わず舌舐めずりして体を起こそうとしたら、思ったより体が重だるい。
百目鬼「無理するな、食べさせてやるから」
は?
神さんの言葉に驚いていたら、神さんがクッションを僕の背中に重ねてくれて、頭を起こした僕の横で、おじやをレンゲにすくってフゥーフゥーしだした。
マキ「ちょっ!…何してるの!?」
百目鬼「何って、おじやを冷ましてるんだろ」
いつも通り、自分が何してるか分かってない神さんは、超ド真面目の真顔で答える。
いやいやいや!!
それ!フゥーフゥーした後どうするつもりかってことなんですけどッ!!
百目鬼「ほら、口開けろ」
んもォォーー!!!
だから!!
どうして真顔でそんなことしちゃうの!!
百目鬼「無理そうか?」
羞恥パニックの僕に気付かない神さんが、僕がおじやを食べないのを見て、シュンと元気が無くなった。
マキ「食べれる!食べたい!食べたいです!」
慌てて口を開けた僕に、神さんは本当に?って疑いの眼差しで見てきたけど、お腹空いたってアピったら、念のためにとか言ってもう一度フゥーフゥーしてから僕の口におじやを運び入れてくれた。
んぎゃぁーーーー!
なんなのなんなの!なんなんだよ!!
もうおじやの味わかんないよォォー!!
強面の神さんが、おじやをレンゲにすくってフゥーフゥー冷ましてくれるこの構図!!
にゃんにゃのにゃんにゃの!
恥ずいし!可愛すぎだし!!
なんなんなの!?
写メりたい!!
マキ「あっ!、そ、そういえば神さん仕事は!?」
パッと時計を見たら、10時になっていた。
百目鬼「今日も雨が降っててな、午前中はパソコンで済むから、お前は気にしなくていい。
マキ「えっ、いいよ、悪いよ。こうなったのは自業自得だし」
本当に醜態の続きで申し訳なくてそう言ったのに、その言葉を聞いた神さんは、なぜか怒っちゃった。
ーゴゴゴッ
百目鬼「ウルサイ。お前は黙って食え」
はにゃにゃにゃ…
なんで怒るの??
百目鬼「水分もしっかりとれ、昨日は飲まず食わずだったから血が回らなくてダルいいんだ」
マキ「でも…」
お仕事の邪魔だけはしたくない…
神さんの手を煩わせたくないだけなのに…
百目鬼「黙れ。口答えするならキスして塞ぐぞ」
マキ「ふえ!?」
ギロッと睨んできたと思ったら、おじやを口に突っ込まれた。
神さんは、僕に水の入ったコップを押し付け「飲め」と目で命令してくる。その水の入ったコップにはストロー付きの蓋がしてあって、寄っかかってても飲めるようになってた。
優しい優しい神さん…
ストローとか蓋つきコップとか、おじやだって支度してあったんだ…すぐ出てきたし。
神さんって本当に凄い。
恥ずかしくて、俯いてとんがり口でモグモグしてたら、神さんの大きな手が僕の頭をヨシヨシ撫でてきた。
百目鬼「残してもいいから、食べれるだけは食えよ。ほら、口開けろ」
うぅ…、食べれるけど…。
モグモグ…
そのおじや、全部アーンする気?
お腹はまだまだ空いてるけど…
僕の胸は、もうパンパンです。
僕のライフは何度破裂するんだろう…
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