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俺たちと迷走〜むつ〜
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放課後
俺はイライラしていた。
何故?
修二の野郎が、また黙っていなくなったからだ。
勉強見てもらおうと思ったのに。
町を歩いていると、自分と同じ制服の生徒が四人、私服姿の誰かを囲んでいる。なんだか気になって近づくと、いつかの小学生?が絡まれてるみたいだった。
あっ、あいつ。
あいつなら、マキって奴のことなんか知ってっかも。
むつ「おい!」
不良「あっ、柴田さん!」
四人「ちーっす」
むつ「何してんだ」
普通に聞いたつもりだが、今不機嫌なむつの表情に四人が震え上がる。
不良「え?いや、ま、迷子だっていうから、道を…なぁ?」
三人「そうそう」
ブルブル震える小学生?の少年
明らかに絡まれてると言っていい。
むつ「そりゃよかった、そいつの知り合い、やベーのいるし、いじめてんのかと心配したぜ」
四人「え¨!」
むつが不敵な笑みを浮かべて口角を上げると、四人が青ざめた。
むつはギロリと四人を睨みつける
むつ「ちれ!!!」
蜘蛛の子を散らしたようにピューンと逃げる四人。
それを確認して、むつがギロリと少年を見る。
ビクーッと背筋伸ばし少年は、全身硬直で今にも倒れそうだ。
むつ「逃げるなよ」
低く唸ると、首がもげるぐらい縦にこくこくと頷いた。
少年「……ぁ…りがとう、ご、ごさいました。」
蚊の鳴くような声でお礼を言われ、驚いて、イライラした。
体をカタカタ震わせて、ウザいぐらい長い前髪が目を隠しているため、こいつの表情は全くわからない。
むつ「修二を探してる。…お前をカツアゲした時いた、茶髪の奴、見たか?」
ぶんぶん首を横に振る少年。
むつは黙り込み、しばし考えてから、周りを見渡す、確認してから、少年の手をむんずと掴む。
少年「ひっ!!」
むつ「いちいちビビんじゃねーよ!ちょっと付き合えよ、いいよなぁ?」
凄んだむつに、白目を向きかけた少年は、ズルズル何処かへ引きずられて行った。
******
むつ「お前、名前は?」
近くの公園のベンチに座らせ、むつも同じベンチにどっかり踏ん反り返って座る。
少年「が、が、が、がんりゅう、つ、つ、つよしです!」
むつ「ああん!!はっきり喋りやがれ!!!」
少年「…がんりゅうつよしです…」
むつ「が?がん?…めんどくせー、つよしでいいよな?」
つよし「は、はい」
むつ「どもるんじゃねーよ」
つよし「はい!」
体をブルブルさせているが、シャキッとしてればまぁまぁまし…
と考えたむつだったが、どうも、顔が見えないのが、舐められてるみたいで我慢できなかった。
つよしは、無駄に前髪が長くて目が全く見えない。イラっとしたむつは、手にしていた、輪ゴムをズイッとつよしにむけて出す。
むつ「前髪結んで目が見えるようにしろ」
つよしは、おずおずとうけとったが
つよし「…断りたいです」
むつ「あ?」
つよし「…見せたくありません」
やけにはっきりとした口調だが、体はブルブル震えてちぐはぐだ。
実はこいつはハーフらしい、髪は黒なんだが、こないだカツアゲした時ちらっと見たら、目がミドリ色だった。
態度にイラっとしたが、思うことがあり、息を吐いてから口を開いた。
むつ「おめーよー、人と話す時は目を見ろって、教わらなかったのかよ」
つよし「……すいません、でも」
むつ「でも、ってことは自分の非を認める発言なんだぜ、…て修二が言ってた」
むつは顔を背けて顎の辺りをかいた
つよしは口をぽっかり開けて、むつを眺め、その視線が痒くなったむつがやっぱり我慢ならなくて吠える
むつ「あーもー胸糞悪い!!俺が結べっつってんだから結べよ!!そんな綺麗な色してんだから見せびらかしときゃいいだろうか!!!」
声の圧に押されて、つよしが後ろに下がったが、先程みたいにびびった様子はなく、おずおず口を開く
つよし「き、きれい?」
むつ「あ?俺の言うことが気に食わないとか言うんじゃねーぞ」
つよしは首を傾げ、それからまじまじむつを見て、輪ゴムを見て、ふ、っと笑った
つよし「ありがとうございます」
はぁー!?なんでそこでお礼??ってか話が進まねぇーこのガキ!!
イライラしてたら、つよしが輪ゴムを使って前髪を結び出したので、話を進めることにした。
むつ「マキ、って奴、知ってるか?」
つよし「マキ?」
ちょんまげみたいに、前髪が上に向けられ、重力に負けた毛先がおでこにたれ、その下に、宝石みたいなエメラルド色瞳が二つある。なんとも可笑しい光景だ。
むつ「お前をカツアゲした日に、現れて、やきいれられた。」
つよし「え!!」
むつ「お前の知り合いだろ?」
つよし「…仕返しするんですか?」
むつ「ちげー、何者かと思って、あいつめっちゃテクニックあって…」
おっと、危ない。ついついヤられたこと言いそうになっちまった。
つよし「…。お断りできませんか?」
むつ「はぁ?ふざけんなよ!」
つよし「あなたに、カツアゲされた僕が、あなた達のこと知りたいって言ったら、話してくれますか?」
むつ「なんで、教えなきゃ何ないんだよ!!」
つよし「それと、同じです」
むつ「!!」
なんだよこのガキ!!修二みたいに理詰めか!!こういうのと話して勝てる気がしない…
普段だったらやっちまうが、マキヘの復讐が目的ではないし、ココで手を出してまたヤられても困る。
それに、そうだな、名乗らない奴に名前を聞かれたら、俺だったら即顔面パンチだ
むつ「俺はこの近くの男子高3年の柴田陸奥。本当に、マキって奴が何してる奴か知りたかっただけだ」
つよし「…、あ、あの」
むつ「どもるな!!」
ダメだ、こいつとじゃ埒が明かない。
修二探しに行くか。
つよし「あの、すいません、僕、詳しくは知らないんです」
むつ「そうかよ」
つよし「学校の先輩です」
むつ「あー!?つよしお前いくつだよ!!」
つよし「13歳、中1です」
ベンチから立ち上がって驚いた。
こいつは小さいし童顔だ、外人は大人びて見えるのが多いいがこいつは例外中の例外、小4かとおもってたぜ。
なぜか急に妙な親近感が湧いてきた。
つよし「マキさんは確か高2…」
と、し、し、た、!、!、!
(ズガーン!!)
むつ「そんな馬鹿な!!」
つよし「痛!」
驚きのあまり、むつはつよしの胸ぐらを掴んでおでこをゴチンとぶつけた。
しゃべった勢いでつよしの顔に唾が飛ぶ。
その時だ。
?「手を離しなさい」
やけに鋭い声がした。
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