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男子高校生の俺たち〜むつ〜
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修二「どうしたの?」
修二が合流した頃。
カラオケルームは異様な空気になっていた。
ご機嫌斜めのむつと
冷や汗ダラダラの華南
なぜか涙目で縮こまるつよし
そのつよしの頭を撫でる克哉
修二は呆れたような声を出し、高校生3人を見つめる。
修二「克哉?なんでつよし泣かしてんの?」
克哉「俺じゃないよ!」
華南「すまん、俺とむつだ」
むつ「はぁー?俺か?」
華南「お前がバラすからだろ?」
華南の言葉で自体を把握したらしい修二は、眉間に右手をあて深いため息をついた。
修二「むーつー」
むつ「うっ…」
だって華南が!!
…うぅ
修二にじっとり見られて、肩をすくめた。
むつ「つよし…悪かった…」
搾り出すような声。つよしに届いたか怪しい。
修二「つよし、帰るか?送るよ」
むつ「え!?なんで!」
修二「むつ!」
むつ「っ…」
つよし「…はい」
つよしが逃げるようにカラオケルームから出て、修二が後を追う。
むつ「だー!ちきしょう!」
華南「すまん…むつ」
項垂れた華南が暗い声を出し。
克哉はむつと華南を交互に見る。
カラオケルームに入ってから、しばらくは平和だった。でも、やたら華南がつよしにベタベタして、やたらつよしが顔を赤くするのを見て、イライラが溜まってきた。
自体が急変したのは、克哉が入れた片思いの歌に、つよしが涙ぐんだことからだ。
好きになってはいけない人に恋をした主人公が、その恋を諦めようとしてできなくて、毎日夜空を眺めては思い出に夢を重ね、朝には平気なふりして笑って隣にいるという内容のもの。
克哉の歌がうまかったせいか、歌に引き込まれたつよしが涙をにじませた。
華南『そういう恋してるの?』
つよし『っ…』
克哉『片思い?辛いよね』
むつ『告ったの?』
ブンブンと首を振るつよし
華南『相手は気持ち知ってるの?』
むつ『告っちゃえばいいのに』
つよし『っ!』
華南『いや!無闇に告白なんてよくないんじゃないかな?』
むつ『はぁー?好きだって言わなきゃ相手だってわかんないじゃん』
克哉『まぁ、でも恋愛は難しいからね』
むつ『難しいからこねくり回したって無駄だよ、つよしの場合、好きなら好きだって相手の男に言わなきゃ意識してもらえないじゃん』
つよし『!』
克哉『え?』
華南『むつ…』
むつ『あっ…』
克哉『えーー!!』
そこで終われば収拾も出来たのに、フォローしようとして、さらにホモであることを口にしたり、俺と華南が付き合ってる話してあいこにしようとしたら、克哉が『まさか片思いの相手って』なんて言い出して俺を見るから華南が『そうなのか⁉︎』なんてパニクって、面倒になった俺がキレた…
俺が悪かった…悪かったが…。
つよしには改めて後でメールしようと反省するが、なんて謝っていいか分からず一晩携帯を眺めた。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
次の日。
携帯を握りしめて、結局今だつよしにメールできずにいた。
つよしのことといい…
付き合い出したのにうまくいかない修二といい…
俺は今はっきり言って疲れてる…
なのに…
眠い目を瞬かせ…
俺は気色の悪い状態に固まっていた。
男子校の下駄箱にそぐわない、ピンクの封筒にハートのシール。
手にとって見るまでもないラブレターの差出人は、もちろん同じ男子校の生徒。
むつ「キモイ…」
今週の月曜から毎日ある手紙の主は、匿名で同じ人物。
《柴田睦美様》
と、綺麗に大きく書かれてるため、そこらへんに捨てる訳にもいかず、かといって持っていたくない。
むつは仕方なく指先でつまんで、校舎裏の焼却炉に向う。
中身を読むこともなく、燃える火の中に放り込むと、手紙は跡形も無くなった。
?「酷いな」
むつの背後で声がしたが、むつにはそこに人がいたことも、その人物が誰かもわかっていたので、振り返らず大きくため息ついた。
?「あっ今、めんどくさいのに見つかったって思ったでしょ?」
その通りだったが、一応否定するために、背後の人物の方に振り返る。
むつ「そんなことないっすよ、吉良(きら)さん」
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