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俺たちの選択肢〜むつ〜
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修二は、トイレの鏡の前で帽子を取り、見慣れない青いカーディガンからよく着てる灰色のカーディガンに着替えようとしているところだった。
むつ「あれ?着替えんの?」
修二「ん?…うん」
珍しく、視線が慌ただしく動いて、俺の後ろを気にしたようだったが、直ぐににっこり笑った。
修二「…偶然だね」
むつ「だな。一緒に帰ろうぜ」
修二「うん。…むつはどこ行ってたの?」
修二は、帽子と眼鏡と青いカーディガンを、持っていたカバンにしまい込みながら、鏡ごしに俺を見た。
むつ「吉良さんの知り合いんとこ、修二は?」
修二「ん?ああ……新しくできたワッフル屋に行ってきた」
むつ「うわ〜イイなぁ、俺も超行きたかったぁ、すげ〜並んでたじゃん、入れたの?」
修二「ッ…、ごめん、お見上げ買っとけば良かったね。うん、中で食べたよ」
むつ「へー、イイなぁ…」
修二「明日一緒に行く?」
むつ「男って浮かねぇ?」
修二「ふふ、テイクアウトもあるよ」
むつ「お!行く行く。修二はよく入れたなぁ、誰と行ってきたんだ?」
修二「…え…あー」
俺が見たのは百目鬼さんだけだったが、他に、女の子とかいたのかなって思っただけだったのに、それまで軽快に話していた修二が、突然言葉に詰まった。
ん?なんだ?何で言葉に詰まる?百目鬼さんとのこと言いずらい?なんで?
むつ「…」
修二「……百目鬼さんって覚えてる?」
むつ「ん?…ウン」
修二「あの人と2人で行ってきた」
むつ「へー、ソウナンダー…」
男2人でワッフル屋ってどうなの?
百目鬼さんってそんなにワッフル好きだったのか?
修二「兄貴と喧嘩したんだって、相談されたんだ」
うわ!あの奏一さんと?怖え〜。
元やんちゃ同士、こじれそうだな…
修二「…むつ、あのさ、むつを男と見込んでお願いがあるんだ。僕が百目鬼さんと会ってるの、2人だけの秘密にしてくれない?兄貴と仲直りする前に、兄貴の耳に入ったらさらにこじれそうだからさ、ね?」
おお!?マジ?俺頼られてる?
確かに、昔から奏一さんは、修二を間に立たせたり修二を使って取り入ろうとした奴らボッコボコにしてたよな…。ってか朱雀の右腕と特攻隊長が激突したらビル一個倒壊すんじゃなかろうか…恐ろしい。
むつ「そうか、奏一さん怒ったら怖いもんな、分かった協力する」
修二「ありがとう。…むつは吉良さんと何してたの?」
むつ「俺は、吉良さんの紹介でバイト決めてきたぜ。7月に短期のバイトするから、8月は旅行しようぜ」
修二「…うん」
むつ「あとさ、俺たちのバイトの最終日お前も来いよ、海でデートしよう」
修二「え!?」
むつ「なんだよその反応…」
修二「あっ…ちがうよ、デ…デートなんて言葉使うからビックリして…」
むつ「は?恋人同士が出掛けたら、デートだろうが!」
俺の言葉に修二の顔がみるみる赤くなる。
修二「…ぁ…うん」
むつ「なんだよまだ慣れねぇーの?」
修二「あっ…いや…、ほら、僕達でかけるって言ったら基本商店街じゃん、デートスポット的なとこって、何か緊張するなって…」
そもそも付き合ってからは、商店街に出かけるのすら片手で足りてしまうことに気づき、ちょっと反省したいとおもったが、照れ笑いしている修二が妙に可愛くて、ついついムラっとした。
むつ「…じゃあ、デートの練習して帰ろう」
修二「デートの練習?」
むつ「手、出して」
俺の考えに気づいた修二が、みるみる赤くなって、パッと手を背中に隠した。
修二「…むつ君、それはちょっと…」
むつ「ちょっとならいいんだな!」
俺はニカッと笑って。有無を言わさず修二の手を掴み、指を絡めて引きずるようにして歩き出す。
修二「あっ!違う!そういう意味じゃないよ!ちょっとマズイってこと!」
むつ「きーこーえーなーい」
修二「むつ!」
修二は散々口で抵抗したが、本気の本気で嫌なら腕づくでなんとかすりゃいいと思ってほっといた。
本当は俺だって恥ずかしい。
付き合って2ヶ月もたつのに、まともなデートをしたことがないことを改めて思い知った。しょうがない、男だから、隣に好きな奴がいたら、エッチしたくなっちまうし、男同士だからそう考えることに不満は感じなかった、これが女なら、やれどっか連れてけ、ムードが無いってなったろうけど。
俺たち、2ヶ月でセックスとプチ喧嘩しかしてねぇ…
そら小学生の恋愛って言われても言い返せないわな。
でも、俺は反省した!
これからは俺も、これからのために頑張る!
楽しみにしてろ、夏休み中は海に旅行に。夏休み終わりには、サプライズで驚かしてやるからな♪
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