アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
番外編⑪泡になって消える狂愛に口づけを
-
百目鬼さんとは、あれから会ってない。
彼は、探偵事務所のある自分の住む土地に帰って行った…。
【二週間後】
つよし「ママママ、マキさん!やめて!」
マキ「いいじゃん♪もう一週間も我慢してるんだから♪」
つよし「だ、だ、ダメですぅ!」
マキ「いい加減限界♪」
マキは妖艶に微笑んで舌なめずりした。
つよし「泉さんから、マキさんを外に出すなって言われてるんです!」
マキ「限界なの、いい加減、骨太のイケメンが食べたいの!君みたいなお子様じゃ立つもんも勃たないの!」
ーガチャ
泉「マキ…うるさいですよ」
ここは神明学園寮内。マキの通う学校。夏休み中…マキは荒れていた。
泉「…椎名さんが心配してますよ」
マキ「メイちゃん?何で?会ってないのに?」
思い当たる事が無くて目をパチクリさせる。
泉「こないだから元気がないと…」
マキ「それはさぁー、泉のせいじゃん!」
泉「私の?」
マキ「せっかくの夏休みなのに、外出禁止!バイトも禁止!見張りにつよしまで用意しちゃって!この二週間缶詰なんだけど!」
つよし「ご、ごめんなさい」
マキは、2週間前から何故か泉に寮に待機を命じられ、何度か脱走しようとしたら、一週間前からつよしが見張りでつけられ寝泊まりしている。
泉「…つよしさんは謝らなくていいんですよ。マキが夜遊びしようとするからでしょ」
マキ「夜遊びなんて今までもしてたじゃん!今更禁止っておかしくない?毎日ろくに寝れないし!欲求不満でウズウズしちゃって!毎日マイケルに慰めてもらってるんだから!」
泉が冷ややかな目でマキを見る。
泉「マイケルって、そこの真っ黒な極太のバイブのことですか?」
マキ「そう!マイケル!昨日から電池無くて刺激不足なんだぞ!!外出させろ!!」
泉「…、外出したら、電池買うだけですか?外泊はさせませんよ」
マキ「もちろん、電池買って、ちょっとそこらのいい男とアオカンしてから帰ってくる♪」
泉「…変態」
マキ「褒めないで♪」
泉「褒めてません…」
マキ「それとも泉が相手してくれる?」
泉「…私はパートナーがいますので、代わりに〝女性〟を紹介しましょう」
マキ「ギャッ!嫌がらせ!ゲイに対する嫌がらせだ!もうやだ、外出させてよ!恋人作れって言ったの泉じゃん!出会いを求めて何が悪いのさ!夏だよ!恋の季節じゃん!」
泉「ハァー。…漁りに行くくらいなら、あの人に電話すればいいじゃないですか」
マキ「!」
ーズキン
二週間…。
痛みは…消えてくれなかった。
肌の感触も…。早く消してしまいたい。
マキ「ふふ、泉の意地悪」
恨みがましく泉を睨む。
泉は、そんなマキを呆れたようにみて、部屋から出て扉を閉め。部屋の前で大きくため息つく。
泉(マキは、もともと素行が良くなくて、節操が無かった。先生が拾って躾けのバイトを与え(性交禁止)、私が監視役になってからはマシになった。そして最近、修二さんと、出会ってからは落ち着いていたのに…。困りました…)
ーピリピリ♪
泉の携帯が鳴り、泉がすぐに出る。
泉「はい。・・・マキは部屋で大人しく…」
言いかけた時、扉の向こうからつよしの悲鳴が聞こえた。
つよし『ぎゃぁーー!!マキさんが三階から飛び降りたぁ!う〜(気絶)』
泉「…(怒)。先生…マキは逃亡しました」
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
マキは、公園に逃げ込んでいた。
自室でボディーバックを引っ掴み、三階窓から木を使って飛び降りたのはいいが、ランニングシャツにホットパンツの部屋着スタイル、走ったから汗で上は完全に透けている。
公園にいる人間がさっきっからマキをチラチラ見ていた。
マキ「あー、服買わないとマズイかも…」
透けて見える桜色のちくび。
ホットパンツから見える色白の生足。
汗がつたう鎖骨と首すじ。
その時。
「うわっ!なんつー卑猥な格好で歩いてんだ!?」
その聞き慣れた低い声にマキは振り返る。
華南「透けてるぞマキ!!」
むつ「ゲッ!?ちくび丸見えなんだけど!」
修二「ちょっと、マキ!前隠して!!」
マキの大好きな3人が仲良く一緒にいた。
マキ「あはは、俺男だよ?」
相変わらず面白い3人は、まるで女の子に言うセリフを言って慌てていて、マキは吹き出した。
華南「お前は、見た目が男か女かわかんねぇし、エロ過ぎなんだよ」
むつ「歩くエロ本だな…」
マキ「むつは文才無いなぁ、歩くビーナスって言ってよ」
修二「ふざけてないで、マキ、僕ちゃんの日除けのパーカー貸してあげるよ」
マキ「ありがとう修二♪」
修二が薄手のパーカーを脱いでマキに手渡そうとしたら、マキが修二に抱きついた。
マキ「ん〜♪首すじから華南の香水の匂いがする♪朝からお楽しみだったのかな?♪」
修二「ぁ…」
むつ「抱きつくな!」
華南「嗅ぐな!」
2人に叱られながらニヤニヤが止まらない。この面白い3人に会えて、マキの心は弾んでる。修二に抱きつきながら可愛らしくむつを見つめておねだりした。
マキ「むつ君、僕、暇なんだよ遊んで♪」
むつ「ってか、お前どうしたの?目ん玉真っ黒じゃん」
マキ「え?」
むつが突然ドキリとすることを言う。
すると華南がマキの顔を覗き込む。
華南「…クマもできてるなぁ」
野生児の勘が鋭いのを忘れていた。
マキ「あは♪うちの寮クーラー壊れててぇ、全然眠れないのよねぇー♪」
そして、察しのいい人がもう一人。
修二「…。マキ、喉乾いた?」
マキ「ん?ああ…確かに…走ったし…」
修二「むつ、華南と飲み物買ってきて」
むつ「!、ぁ…おぉ」
華南「ついでに俺たちも…修二は紅茶でいい?」
修二「うん」
3人が目配せしたのが見えて、マキは気分がしぼむ、嫌な予感がしたからだ。
マキ「なぁに?ラブラブじゃん…」
修二「マキのおかげだよ」
マキ「あは♪そうでした♪僕ってばキューピットさんでした♪」
修二「マ〜キ。泉さんから電話があったよ」
やっぱり…。
マキ「フッ…。…さすが泉…手回しが早い」
修二「何があったの?」
マキ「泉が何か言った?」
修二「いや、むつがさっき目ん玉真っ黒だって言ってたろ?」
マキ「…いーなー、僕も君たちのとこ混ぜてよぉ♪4Pしない?」
修二「しません」
マキ「じゃあ…修二だけでもいいよぉ〜♪」
むつ「お前は一回ぶん殴られたいのか?」
戻ってきたむつが不機嫌に吠える。
マキ「あは♪むつ君意地悪ぅ〜♪じゃあ華南でもいいよぉ♪」
むつ「華南も俺のだ!」
マキ「むつって嫉妬深い♪」
ーコツン
マキの頭の上に缶ジュースが乗せられ。
低い声が優しく言った。
華南「ふざけてばっかでむつを熱くするなよ」
その動作が、甘い記憶を呼び覚ました。
あの時頭の上に乗せられたのは、スティックシュガーだった。
百目鬼『…やっぱ疲れてたんじゃないか、ふざけてばかりいるからだぞ』
マキ(ふふ、…重症)
マキ「ねぇ、修二」
修二「なに?」
マキ「今幸せ?」
修二「え!?」
真っ赤な修二。その表情が物語ってる。
むつ「幸せだよ!」
華南「むつに聞いてないだろ?」
むつ「ぅ…」
聞かなくても充分分かった。
3人には、キラキラしたものが見える。
修二「…幸せ…だよ…」
マキ「ふふ、修二真っ赤♪可愛い♪」
恋人…か。
マキ「ふふ、さて、お邪魔虫は退散します♪」
むつ「はぁあ!?邪魔だなんて言ってねぇだろ!ここにいろよ!」
マキ「え?」
むつ「え?ってなんだその間抜け面は、いつもは図々しく離れないくせに」
華南「何があったか知らないけど、泉さんにはまだここにいるの言ってないし、近くで祭りがあるし、一緒にどお?」
修二「華南の家に浴衣があるから、僕ちゃん達着替えてから行くけど、マキも着ていく?」
華南「俺んところ4人兄弟だから浴衣が4着あるぜ」
マキ「ぁ…えっと…」
マキは戸惑いを隠せなくて、瞳をパチクリ瞬かせた。
誘われるとは思ってなかった。
むつ「何だよ、来るのかこないのかハッキリしろよ」
マキ「浴衣…」
むつ「ん?」
モジモジしだしたマキにむつが苛立つ。
むつ「おい」
マキ「浴衣の3人…美味しそう♪」
ぶりっ子みたいに頬に両手で挟んでキャッ♪って喜んでたら、むつが殴りかかって来そうになり、それを修二と華南がなだめていて、マキはさらにけらけら笑った。
泉「マキ!!」
公園の入り口に、泉の姿があった。
あーあ、今回もそうそう見つかりました。
非常にご立腹だったので、マキは逃亡を断念して、泉のお迎えの車に乗り込んだ。
修二と華南が心配そうにしていたので、ニコニコ手を振ったけど…、あまり効果はなさそうだ。
マキ「チェッ、浴衣デートしたかったな」
泉「先生が呼んでるので後にして下さい」
マキ「えー、後でー?後で外出していいの?解禁なの?」
泉「いいですよ。先生の来客にキチンと挨拶出来たら構いませんよ」
マキ「………来客?…」
まさか……
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
358 / 1004