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(番外編)純愛♎︎狂愛10
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苦悩する百目鬼さんは、僕を乱暴に抱いた後、苦しそうに呟いた。
『…ッ…これで…満足か…』
SEXは、愛情を表現したり分かち合ったりする行為だと思ってた…
僕にとっては、好きで触れていたくて、交わって一つになりたいって…。
百目鬼さんは…僕とのSEXに苦痛しか感じてない
そもそも、百目鬼さんは僕とシたいと思ってない…
別に激しく乱暴にしてほしい訳じゃない…
マゾでもなんでもない…
ただ、僕の体は痛みを快楽に変えるように仕込まれてるだけ、だから、百目鬼さんが暴走しようと何しようと、それなりに楽しめるように、体が出来てる。
スローの甘々SEXでも構わない。
触れ合って一つになれれば、それが僕の喜び。
ただ、それだけ…。
好きになって欲しい…
ただそれだけ……だった。
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マキ「杏子さん、こっち終わりました♪」
杏子「マキちゃん仕事が早くて助かるわありがとう」
百目鬼さんとは、あれから一週間ちょっと顔を合わせてない。
でも、マメな百目鬼さんは、忙しい合間を縫って毎日メールしてくれてる。
百目鬼さんは今、最初の依頼の大詰めに来ていた。〝この仕事をしたくて探偵になった〟と言ってたやつ。だけど、内容は僕は知らないし教えてもらえない。だから、事務所に来てもいつもいない。
マキ「檸檬さん、コーヒーどうぞ♪」
檸檬「ありがとうマキちゃん!今丁度飲みに休憩しようかと思ったんだよー。コーヒーと一緒にマキちゃんの天使な笑顔が見れて元気になるよー」
マキ「ンフフ♪檸檬さん疲れすぎですねぇー」
檸檬さんは、僕と百目鬼さんが付き合ってて、〝百目鬼さんを癒す天使〟みたいに扱う。
全然そんなことないのに…
僕がニコニコ返すと、檸檬さんはニヤニヤしながら、小声で耳打ちしてきた。
檸檬「百目鬼さんが羨ましいよ、いつも笑顔のマキちゃんと一緒に居られるなんて、毎日明るくなって幸せだね。上手くいってんでしょ?」
………。
マキ「ふふ、羨ましいでしょ♪」
檸檬「マキちゃん楽しそう、俺もマキちゃんみたいな彼女が欲しいなぁー」
マキ「んふ、それはやめといたほうがいいよ、僕は料理出来ないし、結構手がかかるし、天使っていうより小悪魔だよ♪」
檸檬「ハハッ、百目鬼さんは世話好きだから、手のかかかるくらいが丁度いいよ、マキちゃんのことは構いまくりだし。でもそうだな、簡単なお菓子くらい作れるようになれば百目鬼さん超喜ぶと思うよ」
マキ「お菓子?…」
そう言えば、修二が、混ぜるだけの料理もあるって言ってた。
そんなことを話していたら、噂をすれば影と、言うように、お菓子にまつわる人物が現れた。
雪哉「こんにちはぁー!」
マキ「あ、雪哉さん」
雪哉「あー!マキ様ぁ!今日はマキ様の日なんだねぇ!俺ラッキー!!神のやつ隠してやがったな…」
意味深なことを言う雪哉さんは、大きな紙袋を持ってきていて、中には沢山ケーキが入ってた。
雪哉「今はケーキの売れ行き悪くて、差し入れでーす」
マキ「え、まだ日があるのに売れ残り?」
雪哉「やだな、ちゃんと買ったよ。全部僕が作ったやつだからね、残るなら美味しく食べてもらいたいじゃない」
雪哉さんが持ってきてたケーキは、どれも綺麗で美味しくてほっぺが落っこっちゃう。
雪哉さんは甘い物好きの百目鬼さんのためにしょっちゅう買ってきてたみたい。強面の百目鬼さんは、甘いものが食べたくても、店に入りずらいらしい。だけど僕が来るようになって雪哉さんは遠慮してるみたい。
ってことは、百目鬼さんは甘いもの食べれてないのか…。それで檸檬さんあんなこと…。
杏子さんと檸檬さんと僕と雪哉さんでケーキを食べ、残りは冷蔵庫に入れて、百目鬼さんたちにとってある。食べ終わった食器を一人で洗っていたら、雪哉さんか飲み終わったコップを給湯室に持ってきた。
マキ「あ、置いといてください」
雪哉「ごちそうさま」
マキ「僕の方こそごちそうさまでした♪すっごい美味しかったです♪♪」
僕がニコニコお礼を言うと、雪哉さんは、何か言いたそうにモジモジしている。
マキ「どうしました?」
雪哉「あの…、マキちゃん…」
マキ「はい」
雪哉「もしかして…、神と喧嘩してます?」
マキ「…どうして?」
雪哉さんは申し訳なさげにそう言うと、僕の前で手を合わせ、必死に拝み出した。
雪哉「お願いします!神を見捨てないで下さい!」
マキ「え?」
雪哉「神を見てれば分かります。今年に入って付き合ってますよね?」
マキ「…」
雪哉「最初はみんなのマキ様を取りやがってって思ってたけど、神のやつが〝あんな風に〟なるとは思わなかったし。あっ、でも、マキ様は女神さまだから当然なんだろうけど、マキ様でも神の不器用さまでは治せなかったみたいで、神のやつだいぶ悩んでこんがらがってるみたいだから、流石に助け舟が必要かと…。出しゃばった真似だって分かってるけど、見てらんない感じになっちゃってるし、マキ様が悪いんじゃないですよ!神が全面的に悪いんです。でも…」
途中からは申し訳なさなのかペラペラ喋るから、雪哉さんに「ちょっとまって」と言うと、何故か雪哉さんが真っ赤になった。
雪哉「ごめんなさい…」
マキ「いいえ、百目鬼さんは良い人達に囲まれてるなぁと思っただけですよ。それに、雪哉さんは何か勘違してる」
雪哉「え?」
マキ「百目鬼さんは悪いことなんか何にもしてないよ。悪いのは僕だから。百目鬼さんのせいじゃないですよ。百目鬼さんは確かに不器用だけど、とっても優しい人です」
優しすぎて…、傷ついてる。
雪哉「マキ…さま…?」
マキ「喧嘩はしてません。僕がいつも百目鬼さんを怒らせて、百目鬼さんは優しいから、怒ってしまったことを後悔する。だから百目鬼さんが悪い訳でもないし、喧嘩してるわけでもないので安心して下さい」
雪哉「…」
マキ「百目鬼さんは、とても優しい人です」
あの星の下で、幸せを貰った。
だから、百目鬼さんにも幸せになって欲しい。
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