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(番外編)純愛♎︎狂愛21
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菫「いらっしゃぁーい。あら、マキちゃぁあん♪」
賢史さんが連れ去った先は、菫ママの店だった。
菫ママが嬉しそうにヒッシと抱きついて来た、大柄なママは、百目鬼さんより大きくて、僕はスッポリ収まる。
賢史「ママ、俺も居るんだけど」
菫「あんたは懲りないわねぇ。またマキちゃんにちょっかいかけて」
賢史「神がいらないって言うから拾った」
菫「もう、程々にしないと馬に蹴られるのよ」
そう言いながら、菫ママは僕と賢史さんを席に案内する。賢史さんは僕にぴったりくっついてソファーに座るなりお酒を頼み、僕にジュースを頼んでくれた。
賢史「ほら」
賢史さんが僕に四角い箱を投げるようによこす。
賢史「姫香達からのお礼。なんか有名な菓子だって」
マキ「あ、ありがとうございます」
中身はパームクーヘンと書いてある。バームクーヘン大好き♪
お菓子の箱を貰って賢史さんからさり気なく体を離すと、賢史さんはまた寄ってきて、僕の肩を抱いた。
賢史「で?」
マキ「は?」
賢史「付き合ってどれ位?」
マキ「また、その話ですか?」
僕がうんざりと答えると、賢史さんはケタケタ笑った。
賢史「お前は隠してるつもりでも、神の奴1ミリも隠せてないぜ?今日のあいつの顔とかマジウケた」
ゲラゲラ笑いながら、テーブルに届いたビールを一気に飲み干し、テーブルにダンッと音を立てて置き、定員を呼びつける。
賢史「キャサリーン、お代わりー。ついでにマキちゃんになんか出したってー」
キャサリン「はーい。
賢史さん、神に告げ口しちゃうわよぉー」
野太いおっさん声を、可愛らしく作って返事するキャサリンは、金髪のカツラで青髭うっすら。
賢史「あはは、今頃必死こいて探してるから、もう暫くほっときゃいいんだ、神の奴マキちゃん殴ったんだぜ」
キャサリン「ぇえ!」
賢史「あいつは今反省中、マキちゃんのためだよ」
「乙女を殴るなんて最低」って、キャサリンを味方につけ、新しいビールをもらい、僕にフルーツ盛りが出された。
賢史さんって遊びなれてる感が半端ない。
賢史「聞いたぜ女王様、今度は神を庇ってナイフの前に飛び出したって?」
マキ「…何でも知ってますね」
賢史「ああ、百目鬼事務所には歩く拡声器が居るからな」
クックと笑った賢史さんは、急に真顔になり、僕をジッと見据えた。
賢史「なぁ、マジな話し、お前は神とどうなの?」
マキ「百目鬼さんに直接伺っては?」
僕がとぼけると、賢史さんは目を細めて声のトーンをさらに落とした。
賢史「…お前、なんかやらかしたろ」
賢史さんの目はいつになく真剣だ。
賢史「お前を尾行してる奴がいるぞ」
マキ「えっ!」
賢史「さっき事務所に着いた時、妙な視線を感じた。お前担いでここに来たら、くっついてきたぞ。ありゃプロだな、トウシローなら尻尾掴んでやったんだが、必要以上に近づいて来ない」
僕に尾行?
ハッ!!
もしかして、清史郎さん?
賢史「思い当たる節があるんだな」
マキ「…調べてみないとなんとも」
賢史「それと、神と敵対してる朱雀の奴らが動いてる、どうやら、神が奏一と接触したからみたいだ。お前、身の回りには気を付けろよ」
マキ「え?朱雀?」
賢史「言ったろ、未だに神を恨んでる奴らがいるって、神もお前も気づいてないかも知れないが、お前の女版が神の女だって、目ぇつけられてるぞ。だから、付き合ってんなら、神の弱点として狙われるぞ。念のために俺の携番教えておくから」
マキ「…」
賢史さんは、百目鬼さんの事が心配なんだなぁ…。
マキ「…ふふっ♪」
賢史「あ?何がおかしい」
マキ「賢史さんは、百目鬼さんのことが大好きなんだなぁと思って♪」
賢史「ぁア¨?!気色悪いこと言うなよ!」
マキ「またまたぁ、照れちゃってぇ♪
百目鬼さんが奏一さんの依頼を受けるの、心配だったんでしょ♪僕のことまで心配してくれて♪」
賢史「言っとくがお前の心配はしてないからな!しないからな!そのために教えといてるんだ!神に迷惑をかけるなよ」
マキ「ふふっ♪心配して頂きありがとうございます♪」
賢史さんはこの話しをするために連れてきたのかな。やっぱ、なんかかんか百目鬼さんの為なんだよね。
でも、抱いた肩は離してもらえない…。
諦めてフルーツをモソモソ食べ始めたら、お店の扉が〝ガチャッ!〟と開いた。
髪の毛をビッショリ濡らしたまま雫を滴らし、黒の長袖シャツにジーパン姿の百目鬼さんがそこにいた。
菫「あら〜、水も滴るいい男♪」
あっ、髪濡れたままだ、私服姿とか初めて見た。
百目鬼「賢史!」
賢史「14分…、意外に早かったな、ホテルに連れ込んだとは思わなかったんだな」
百目鬼「半径1キロのホテルはもう調べた」
賢史「さようですか」
百目鬼「賢史、何度も言うがマキは先生様からの預かりものなんだぞ!」
マキ「…」
百目鬼さんの私服姿と濡れ髪に、店のお姉様方が騒ついて、目からハートが飛び出してる。はっきり言って、僕はハート型の心臓が飛び出しそう。
か、可愛い。カッコイイ。食べちゃいたい。
百目鬼「マキ、てめぇーもこんな時間にホイホイついて行きやがって」
えー…、僕攫われたんだけどぉー。
百目鬼「後で覚えてろよ」
ギロッと睨まれて、怖い顔って思いながら、心の底ではその言葉の意味に、ゾクゾクッと期待してしまった。
〝お仕置き〟それは、僕のずっと待ち望んでいた行為。それがお互いを愛しく思っての行為では無くても、もう、体も心も限界まで来ていた。本当は、〝お仕置き〟ではなくて、〝僕を求て〟百目鬼さんから触れてもらえるのを待っていた、そのために、自分が激しい不安に襲われるのにも耐えていたのに、セックスに依存して触れてもらえない限界は、その大事な意味などより、触れてもらえる、触れられる行為に期待した。
百目鬼さんの言葉の奥に、〝お仕置き〟を期待してしまった。
〝好きだから〟セックスする、〝心〟ではなくて、〝セックスできること〟の〝体〟が喜んだ…
百目鬼さんは、そんな僕の欲望を読み取り、嫌悪感を現わに睨みつけてきた。
アハッ、出会った頃に、逆戻りだ…
僕は、ただの淫乱だ…って思われてる。
でも、それを否定も出来ない、百目鬼さんに触れてもらえるなら、なんだっていい…、今更、崩れたものがそう簡単に元に戻るとは思わない。
賢史さんと接触する僕を、全裸で取り返そうとしてくれたことに喜んだ…
嫉妬してくれて嬉しいって…
思ってた…
浅ましい誤解だった
菫ママの店から引きずられるようにして、百目鬼事務所の前までたどり着くと、百目鬼さんの肩に担がれ、階段を登り玄関で靴を脱ぐ暇も与えてもらえず、寝室へ運ばれベッドに放り投げられた。
マキ「ギャッ!」
ベッドが激しく軋み、次の瞬間、百目鬼さんが覆いかぶさってきた。
百目鬼「お前はできれば誰でもいいんだな!」
マキ「ッ違う!」
百目鬼「セックスしたいっていつも顔に書いてあった!ずっと不満だったんだろ!」
マキ「ッ!!」
百目鬼「簡単に賢史について行きやがって!肩抱かれて呑気にデザート食べて、今夜慰めてもらうつもりだったんだろ!!」
違う!
確かに…、逃げなかった。逃げようとしなかった。百目鬼さんが直ぐにおい避けて来てくれるって、必死な顔で連れ戻しに来てくれるって期待して…
百目鬼「そんなにヤりたいなら相手してやる」
百目鬼さんが馬乗りで僕の服を脱がしにかかる。
こんな状態なのに、震えるほど体は喜んでる。
マキ「あっ…」
百目鬼「チッ!もう完勃ちじゃねぇーか糞が…」
待ち望んだセックス…
ずっとずっとシたかった…
触れてもらえるなら…
なんだって…
そこに〝恋〟がなくても…
!!
マキ「…や…」
百目鬼「あ?」
マキ「…いや…」
百目鬼「…」
マキ「…いやだ…シたくない…」
百目鬼「!!」
マキ「僕…百目鬼さんと…」
〝愛のあるセックスがしたい…〟
って、言葉は…
胸のボタンが弾ける音に掻き消された…
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