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〔裏番外〕狂愛♎︎純愛33
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【同時刻。瀧本学の豪邸】
白い壁に囲まれた洋風の豪邸。
玄関は大理石。
部屋は、イタリアの高級家具に囲まれ、天井にはシャンデリアがいくつも煌びやかさを放っていた。
ーピリリリ♪ピリリリ♪
ここの住人、瀧本学は、広すぎる自室で取り巻き数人と一緒に、鳴り出した携帯を緊張した面持ちで見つめていた。画面に表示された非通知の文字を確認すると、そこにいた取り巻きに視線を送り、今からこの電話を取るぞと目配せして、非通知電話を取った。
瀧本「もしもし…」
緊張気味に口を開いた瀧本が、電話の主の言葉を待ってると、受話器からは、ボイスチェンジャーで声を変えた人物が不敵に話しだす。
『コンニチハ、タキモトサン』
ボイスチェンジャーで変えれた、低いもったりとした声は、淡々と喋るのに、どこか含笑いをしているような、やけにニッたりと口角を上げて喋ってるような、気色の悪い話し方だった。
瀧本「言われた通り、金は振り込んだぞ」
『シンジテイタダケテ、コウエイデス。クックック』
瀧本「お前が言った通り、俺たちは見張られてた。マキと一緒にいやがるのは、元朱雀の右腕…。朱雀が2人もいたなんて…。教えてもらって感謝する」
それは、1週間ほど前。
この非通知の人物から突然警告を受けた。
〝タキモトサン、スザクニネラワレテルヨ〟
声は、不気味にニッたりとしながら、細かな情報を教えてきた。
初めは相手にしなかったが、声の言った通り、営業妨害を頼んだやつが次々捕まっている。バレないように人づてにやったのに、声が言うように、誰かに監視されてるような気がしていた。
そしてまた、非通知の電話がかかってきて、謎の非通知の人物は、取引を持ちかけてきた。それは、金を払って、ある情報を買うというものだった。
瀧本「それで、…例の件だが、あんたを信じて取引をしたい。だから、ちゃんと金は振り込んだ」
『ハイ、カクニンシマシタ』
瀧本「それで?一体どこなんだ」
瀧本は携帯をグッと握り直し、唾を飲み込んだ。
今から手に入れる情報は、どんな手を使っても手に入れられなかった情報。
瀧本の取り巻きも、いよいよだと唾を飲み込み、邪な妄想が膨らんで若干興奮気味だった。
『クックック、デハ、オオシエシマショウ。ワタシトノヤクソク、オボエテラッシャイマスネ?』
瀧本「ああ、〝仕込み終わったら〟、あんたにも〝仕上がり具合〟を見せる。だから早く言えよ」
瀧本は大金払って情報を買い、期待感に鼻を膨らませて興奮気味に言った。
電話の声は、不気味な低音が愉快そうに笑って、まるで優雅な音楽を奏でるように語った。
『オオシエシマショウ。
ジャクテントイッショニ…
〝マキ〟ノ、イバショヲ……』
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【百目鬼side】
マキの電話を切った後、檸檬にマキの大学での聞き込みを頼んだ。
檸檬は数時間後、直ぐに裏を取り、目撃者から話しを聞いたらしい。
マキの言ってることは本当だということだったが、校舎隅で起こったことで、マキが殴られた現場にいたのは数名しかいない。
あとは、目立つマキの顔の痣に、好奇の噂が広まっていた。
檸檬に調べてもらって本当だと言われたが、檸檬はそもそもマキの味方をしているかもしれない。だが、大学に乗り込むには、檸檬じゃないと見た目が紛れられない、だから頼んだが、結局納得できなかった。
檸檬《マキちゃんの痣、超痛そうΣ(゚д゚lll)
百目鬼さん、優しく介抱してあげなよぉー(〃艸〃)ムフッ》
馬鹿げたメールを送って来やがった、あの糞ガキ!!
マキ《檸檬さんと友達とお茶会終わったので、今からタクシーで帰ります(๑>◡<๑)☆》
お茶会ってなんだ…、俺は檸檬に聞き込みをして来いって言ったんだぞ!!
誰がマキと茶ぁしてこいって言った!!
仕事を頼んだんだぞ!なぜ遊んでる!ってメールしたら、檸檬は更にクダラナイ文面をよこしてきた。
檸檬《イヤ〜ん( ๑ ❛ ڡ ❛ ๑ )嫉妬してるのぉ〜?羨ましいならさぁ。
・.:゚。┣\('ロ´\)ちゃぶ台ひっくり返してないで仲直りしなよー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ु⁾⁾ギャハ(爆)》
檸檬…、殺す。
マキから、自宅に着きましたとメールが来た。
俺は、《自宅から一歩も出るな、行って居なかったら話は聞かないからな!》ってメールして、自分の仕事に戻った。
マキの今住んでるマンションは、入り口に管理人がいて、入り口には暗証番号を入れて中に入るタイプのもの。
マンションの中には監視カメラがいたるところにあり、玄関はオートロック。
防犯面では、かなり安全なマンションだからだ。
数時間後。
俺が担当した案件の報告が終わり、後片付けしたらマキのところに向かおうとしてた。
杏子「百目鬼さん、急いでるなら後片付けは私がやっておきますよ」
にっこり微笑まれて、非常に気まづい。
この笑顔…。お見通しといった感じだ。
その時だった。
俺の携帯がけたたましく鳴った。
電話の相手は、瀧本を調べてもらってるやつからだった。
『大変です!!百目鬼さん!』
携帯から聞こえてきたのは、ゾッとするような旋律。
俺は、内容を聞く前に、車に向かって階段を駆け下りた。
次の言葉は、予想がついたからだ。
『瀧本が!マキの家に乗り込みに行きました!!』
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