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36〔裏番外〕ゆくえ……
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怒り出したマキが俺を叩いて押したが、俺はそんなことじゃビクともしない、俺を叩くマキの手を両手で押さえたが、マキはジタジタ暴れるのをやめない。
マキ「離して!ッ…離せっ!!」
マキが珍しく感情的な言葉を使ってる。それだけ俺がマキを傷つけてるという現実と、マキが感情的になってくれてるという喜び、ここは、本当に慎重に受け止めて返さねば、事態を悪化させる。
百目鬼「…怒ってるじゃないか」
マキの手は離さず冷静に返すと、マキはハッとして悲しい顔をした。
マキ「ッ…違う!昨日のことは怒ってない!僕が余計なことをしたからいけない」
百目鬼「余計なことじゃない!」
思わず怒鳴った自分にしまったと思ったが、もう遅い。いつもこうだ、いつもすぐに怒鳴ってキレて傷つけて…。
百目鬼「昨日のポトフは俺のために作ってくれたんだろ?」
マキ「でも、あんな不味いもの百目鬼さんに出すべきじゃなかった!」
百目鬼「不味くない!」
マキ「不味いよ!結局百目鬼さんに味付けしてもらったし、具材は溶けて無くなってたし、ウインナー破裂して味無くなってたし」
百目鬼「初めて作ったんだからしょうがないだろ?俺だって、初めての定食作った時焦がすは味濃いはで散々だった」
マキ「え?そうなの?」
百目鬼「そうだ、誰だって初めは上手くいかない、そうやって失敗して上手くなっていくんだ」
マキ「失敗…」
百目鬼「ッ!違う!失敗したって言いたいんじゃなくて、お前にはお前の理想の味と見た目があったろ?そこに届かないと感じたから失敗と感じただろ?でも、昨日のは、薄くなりすぎたってお前は気付いてコンソメ足そうとしてたし、それを俺が横から勝手に口出ししただけだ。知らなかったんだ、許してくれ」
マキ「やめて…、百目鬼さんは悪くない」
百目鬼「なら、なぜキスしたら怒った?」
マキ「だって、朝はほっぺじゃん」
百目鬼「これから口にする」
マキ「そういうのやだ。無理して僕に合わせないで」
百目鬼「無理はしてない。俺だって羞恥心はあるんだぞ、若いお前の感覚に恥ずかしいと思うんだぞ。俺が抵抗なくそういうことサラッとやったらやったでおかしいだろ」
マキ「ッ…」
百目鬼「それに、合わせるのは悪いことばかりじゃない、俺は、人に合わせるのは得意な方じゃないが、お前は恋人だろ、お前と合う丁度いいところを常に探してるだけだ」
マキ「僕が合わせると怒るくせに」
百目鬼「お前は100%人に合わせるだろ、だからせめて半分にしてくれなきゃ俺たちが本当の意味で合う訳ない。俺たちのルールを作ろうと言ったのはお前だろ?マキ」
マキ「……」
百目鬼「俺とお前じゃ、お前の負担が100%だ。10も年上の男が年下の恋人に100%甘やかされてたら情けないだろ。『そんなことないし、僕はそれでいい』とか言うなよ」
マキ(ギクッ)
百目鬼「俺は、甘やかしたいんだ、お前を甘やかして俺しか見れなくして、全部手に入れたい」
マキ「……もう、百目鬼さんのものだよ?」
百目鬼「神だ」
マキ「…神さんの…ものだよ…」
百目鬼「本当に?」
なら、何故腕時計をくれない。
マキ「本当だよ…」
百目鬼「…キスしてもいいか?」
マキ「…ッ…じ…」
マキの顔が真っ赤になったのは、否定じゃないと、目の前の唇を奪った。
マキ「んっ…んふぅ…」
さっきと違って、ジュピター色の瞳がふわりと溶けて閉じられた、押さえつけた両手からも力が抜けて、俺が指を絡めても、マキは拒む事なく俺の指を握り返し、俺に身を任せて甘い吐息を漏らす。
マキ「はぁ……じ…さぁん…」
百目鬼「毎朝そんな色っぽい顔されちゃ困るんだがなぁ」
色白の肌を桜色に染めて、開かれた唇は濡れて誘う。
瞳は溶けて物欲しそうに欲情している。
無自覚の色気を、毎朝そんな風にだだ漏らしにされて、俺の理性は持つだろうか?
マキ「…神さん…本当はキスしたくないでしょ?」
百目鬼「あ?」
マキ「そんな風に眉間にシワ寄せて、〝キレそうだ〟って顔してる。いつも嫌そうなのが可愛くてついついお強請りしたけど…」
うっ…
百目鬼「嫌なんじゃない。……ッ……。
お前を…壊してしまわないか、
俺はいつも怖くて堪らない…」
マキ「…」
百目鬼「だが、お前が言った。お前は壊れないと…、俺に何をされても壊れないと…、だから、優しくしたい…、お前が快感に溶けて俺の事しか考えられないように、甘く甘く溶かしてやりたい」
マキ「ッ…もう、溶けちゃってるってば…これ以上なんて無理」
百目鬼「無理じゃない、理性がある範囲が限界なだけだ。俺は理性なんかぶっ飛ぶくらいお前を貪ってばかりなんだから、たまにはお前が理性無くして俺を欲しがれよ」
マキ「ッ…ッ…、もうやだこの人………無自覚はどっちッ!…」
真っ赤な顔してプリプリ怒るマキ。だが、普段ヘラヘラしてるやつのこういう顔は…
百目鬼「怒った顔は可愛いな」
マキ「はぁあッ!?」
百目鬼「まだ赤くなるのか、リンゴになったお前は甘くて美味い」
もう一度唇にキスをして、そのまま首へ下がりながら、マキの服の中に手を忍ばせて体に触れる。すでに熱くなり始めたマキの体は、完全に欲情しているのに
マキ「やんっ…あっ、…駄目だよ…」
百目鬼「いやなら、シないが…、家までは我慢できないぞ」
マキ「…我慢出来ないの?」
百目鬼「そんな不思議そうな顔することじゃないだろ、俺はいつだってお前とシたいぞ、いつだって喰っちまいたいくらいだ。我慢しなくていいと言ったのはお前だろ」
マキ「じゃ…じゃあ、なんで回数制限するの?」
百目鬼「あ?それは説明したろ、お前が気だるいお色気フェレモンだだ漏れでどこぞのモブ共を釣ってくるからだろうが!」
マキ「ふふふ、僕、そんな簡単に襲われないよ、空手の有段者だし合気道もやってたし、それ聞いて手を出す奴は体で思い知ってもらうし、だから…」
百目鬼「ほぉ、襲ってきた奴は体で思い知ってもらったのか…」
マキ「………………………えへ♪」
可愛らしくほっぺに人差し指をやりながら、舌をぺろりと出しやがった。
この〜〜糞ガキがぁ〜〜!!!!
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