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キングの冒険11
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美味しいデザートと飲み物を堪能した華南とむつとみみと礼、今日のお礼だとマキの奢り。会計時には奏一さんがレジにいて、マキと奏一さんが喋ってるのを見て女の子はまたしても悶えてソワソワしていた。
俺は礼ちゃんに抱かれてそれを見てるんだけど、礼ちゃんが心でキャーキャー言うと、俺をぎゅーって抱きしめてくるからちょっと苦しい。
奏一「マキ、今日は修二のところに行くの?」
マキ「あ、まだ決めてないです」
奏一「修二のところに泊まるなら声掛けて、俺も行くから」
奏一さんにそう言われて頭を撫でられたマキは、本当に嬉しそうに笑顔が溢れる。
百目鬼の時とは違う意味で、嬉しそうで恥ずかしそうで安心した顔。百目鬼の時が、大きな蕾の花が綻んでゆっくり花開いて咲くって感じだとしたら、今のマキは、小さな花が温められてポンッポンッポポンって賑やかに咲く感じ。
お店から出る時、みんな一斉にマキに奢りのお礼を言ったら、マキは改めてキングのために協力してくれてありがとうと頭を下げた。
マキ「修二には奢れなかったから、別のお礼するね♪」
マキが修二の腕に抱きついて可愛らしく笑う。
修二「お礼とかいいよ、ケース持ってきただけじゃん」
マキ「だーめ。こういうことはちゃんとしたいの、修二には、いっぱいお世話になってるから」
修二「そんなこと言ったら、僕ちゃんはマキにお世話になりっぱなしなのに」
マキ「え?そんなことないでしょ」
修二「そんなことあるんだよ」
マキ「……。えへ♪じゃあ今晩、たっぷりお礼してもらわなきゃ♪」
マキが修二の腕に抱きついて、悪戯っぽく笑うから、修二がまたそういうこと言って誤魔化すっておでこを人差し指でチョンってしたら、マキは修二はなんでもお見通しだなって顔して笑ってた。
修二に対してマキは、本当の兄弟みたいに、片われみたいに大事にして甘えてる。すごく似ているようで違う2人は、根本で繋がってるところがあるみたいで、修二にはマキのことが分かるみたい。
マキも修二のことは特別で、修二のことは何でも分かるみたい…
俺も修二みたいになりたいなぁ、そしたらマキのこともっと分かってあげられて、守ってやれるのに…
むつ「マキ!ベタベタするなら修二じゃなくて百目鬼にやれよ!」
マキ「僕と修二はラブラブなんだよー」
むつ「修二!マキに甘すぎだぞ!」
また始まった。むつも1日何度同じパターンで怒るのか…。本当にガキだ。
華南「むつとマキは仲がいいなぁ」
みみ「マキちゃんと長いんですか?」
修二とマキとむつがじゃれあってるのを微笑ましく見ていた華南に、みみが聞いてみると、華南は何かを思い出し笑いしながら答えた。
華南「長くはないかなぁ、知り合って2年位で、高校は別だったし」
みみ「そうなんですか、なんか、長年の親友みたい。マキちゃん大学ではこんな顔しないから」
華南「…マキと修二は特別仲がいいからね、あいつら似た者同士だから」
みみ「ああ、分かります。空気というか内側っていうか、中身の雰囲気似てますよね」
華南「分かる?」
みみ「なんとなくですが。ね、礼ちゃん」
礼「いいよねー、男の子ってそういうのが素敵だよね」
みみ「礼ちゃん…」
華南「ハハハッ、あっ!」
女の子と仲良く喋っていた華南が、何かに気がついて声を上げた。
女の子2人も、華南の見た方に視線を向け、それに驚いた。
むつ「マキ!修二から離れろ!」
マキ「やだぁ、修二と今晩イイコトするんだもん♪」
むつ「ふざけんな!」
マキ「きゃー、むつ君のエッチ♪おっぱい触んないでぇー」
むつ「お前胸ねぇーだろ!」
修二「ちょっと2人とも!」
修二に抱きつくマキを引き剥がそうと、むつがマキに抱きついて引っ張って、三人繋がって団子状態。
その光景を、見てはならない人物が目撃してしまった。
ーゴゴゴゴゴゴゴ…
暗雲立ち込めてきても、三人はそれに気付かずイチャイチャしてて、地響きがだんだん大きくなって、見かねた華南が小声でマキに知らせたが…
華南「…マキ!…マキ!」
マキ「なぁに?華南も混ざりたいの?」
華南「ちげーよ…」
マキ「ん?」
可愛らしく首を傾げたマキに、そうじゃなくて!って華南が指差した方角を見たマキは、その存在にやっと気がついた。
マキ「あっ…」
ーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
百目鬼「……」
仁王立ちでイチャイチャしてるマキとむつと修二のさを睨む百目鬼の姿がそこにあった。
マキ「百目鬼さん♪♪」
百目鬼の存在に気が付いたマキが、物凄く嬉しそうな笑顔で百目鬼に駆け寄った。
マキ「迎えに来てくれたの♪ありがとう♪キング見つかったよ♪大学の友達の女の子が一緒に探してくれたんだ♪」
仁王立ちの百目鬼に、マキがひっしと抱きついて、〝お怒り〟の百目鬼にこの場に大学の友達が居るんだと教えると、みみと礼の存在に気が付いた百目鬼から、フッと怒りのオーラが消えた。
マキ「百目鬼さん、こちら大学の同級生のみみちゃんと礼ちゃん♪」
百目鬼「初めまして百目鬼です。本日はキングがお騒がせしてご迷惑をお掛けしてすいませんでした」
営業スマイルに切り替わった百目鬼が、優しい顔で深々頭をさげると、みみと礼も一緒に頭を下げた。
みみ「初めまして、小豆澤みみです」
礼「初めまして、冬宮礼です」
自己紹介した2人を、マキは百目鬼に紹介した。いくつか同じ講義を専攻してるとか、同じサークルに入ってるとか。
その間、みみと礼はドキドキしながらマキと百目鬼の2人を見ていた。百目鬼がマキと同棲していて名字が茉爲宮から百目鬼に変わると聞いたばかりだ。2人が付き合ってるとは聞いてないが、マキが百目鬼を好きで、同棲してて名字が変わると聞いていれば、付き合ってないと思う方が難しい。
マキ「みみちゃん礼ちゃん」
みみ・礼「「はい!」」
頭の中で妄想を繰り広げていたら、急にマキに名前を呼ばれて息ぴったりに返事する2人。
マキは、2人が何を考えていたのか分かるから、クスクス笑ってた。
マキ「ふふ♪百目鬼さんはね、探偵さんなんだ♪困ったことがあったらなんでも言ってね。今回のお礼にタダで相談に乗るから」
マキがみみと礼に百目鬼の名刺を渡す。みみと礼がその名刺をまじまじと見て、みみと礼はなんだか意味深に目を合わせた。
百目鬼「事務所には女性社員もいるから話しやすいと思いますよ。もし話しづらいことなら、マキを通しても構いませんから、何かあったら是非声をかけてくださいね」
2人の空気を察してか、百目鬼が優しく話しかける。
仕事に関しては、百目鬼は勘がいい、頼むからその勘を少しはマキとのことで使ってほしいもんだ。ミケが言ってたけど、出来る人の爪の垢を煎じて飲めば少しは頭が良くなるらしいから、百目鬼は奏一と修二の爪の垢を煎じて飲めばいいんだ。
そんなことを考えていたら、俺の体が礼の腕の中からフワリと浮いた。
え?…ええ?
百目鬼「よぉーキング」
俺の体を片手でつまみ上げた百目鬼が、俺を顔の前に持ってきてギロッと睨んだ。
百目鬼「散歩は楽しかったか?ん?」
ヒッッ!
どどど百目鬼がメッチャ怒ってる!!
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