アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ー芽生え歌うー8
-
朱色の花びらはいつも、僕が神さんのものだという証。
今はもう見えない猛獣の牙の痕はいつも、嫉妬と独占欲という名の愛情の証。
僕はいつも、神さんに囚われたまま…
今日も僕の体よ美味しくなあれと祈って磨いてる。
神さんが、ジュピター色だと言って、好いてくれている瞳を黒のカラコンで隠して。
火照った顔は冷やして、太枠のこげ茶の眼鏡で顔を隠し。
神さんの大きなごつい手が、慣れない手つきで毎日丁寧に洗って乾かしてくれるサラサラのウルフカットを下ろしてうなじを隠し、タートルネックを正してしっかり首をカバーして、バッチリ真面目くんに変身した。
…。
僕の変身はバッチリだったんだけど。
礼「…、今日のマキちゃん、凄く、艶(あや)しいワイルドな匂いがする…」
突然僕の後ろに現れた礼ちゃんは、本日3限目から講義が一緒。
顔を赤くして、礼ちゃんは僕の隠されたうなじのキスマークを見透かすように見つめながら、事件解決の糸口を掴む寸前の探偵のように、「むむむ」と唸って、その心は悶えるような期待に膨らんでいる。
礼ちゃん「朝から愛し合っちゃってたりしてー♪」
冗談めかして言われたけど、流石、礼ちゃん大正解。
朝から襲ったつもりが襲われて、いじけた神さんに濃厚な、いってらっしゃいのチューをされて足腰ガクガクなんです♪。
フフッ♪
ワイルドな匂いって、もしかして神さんの香水が移香かな?…それとも僕の体にかかった神さんの匂いだったりして♪
フフフッ♪♪
僕の体から神さんの匂いだってぇ♪
服の裾を鼻に近づけて、スゥーっと鼻から深呼吸してみたら、僕の服からふわりと香る。あの逞しい独占欲に抱きしめられてるような匂いに、なんだかくすぐったくてドキドキときめいて、お尻が疼いてキュッとなっちゃって、なんだか嬉しくて、僕の心は忙しい。
神さんの匂いだぁ…
ふふっ♪
…あぁ…、なんか欲しくてムズムズしちゃうけど…
…えへへ…♪
なんか…ほぉんわかするような…
へへ♪
僕が、神さんにつつまれてるみたい。
僕の体から神さんの匂いがするだって、ふふふっ♪
なんだろう…
なんか………
なんだろう……
こういう感覚なんていうのかな…
もう一度ゆっくりと深呼吸してみると、神さんに抱きしめられてるような気がして…
あぁ…
なんだろう…
こんな感じ
大昔に知ってたような…
初めてなような…
そうだ…
修二たちや奏一さんと居る時に微かに感じた憧れに似てるような…。
似てるけど、もっと濃くて甘くてあったかくて…
ふわふわする…
この感覚…
あぁ…そっか…
なんだか…
すっごく…
……〝安心するなぁあ♪〟……
礼「マキちゃん!!」
急に、礼ちゃんが小声で悲鳴をあげて、僕の顔の前に立ちはだかる。
礼「顔!顔!その顔やばいって!」
マキ「え?」
わたわた僕の前で慌てる礼ちゃん。
僕、そんな変な顔した?
神さんのこと考えてうっかり緩んだだらしない顔したかな?
礼「やばいエr…」
みみ「あーきーらちゃん!」
ーゴッ!!
礼ちゃんが必死に何か言おうとしたら、すかさずみみちゃんが礼ちゃんの後ろから脳天に手刀を食らわし、礼ちゃんがうずくまっちゃった。
礼「イタァーい!」
みみ「もぉ、礼ちゃんったら、興奮してマキちゃんを押し倒しそうな勢いだったわよ」
澄ました顔して現れたみみちゃん。
だけど今、ゴッって音したけど…
痛そぉー…。
マキ「大丈夫?」
礼「だいじょーぶ…、危なく口から危険な本音が溢れちゃうとこだったぁ」
マキ「危険?」
礼「あはは、マキちゃんは気にしないで。みぃちゃんサンキュー」
みみ「どういたしまして」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
959 / 1004