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湊の愛し方①
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リビングでは、湊が、さっきと同じ場所に、同じように座っていた。
テレビからは、相変わらず騒がしい声が聞こえている。
湊は、コウタに気づくと、にっこり笑った。
コウタはたったそれだけで、全身の痛みを忘れてしまうくらい、心が踊った。
あぁ… 湊さん…。
湊さん… 見て…。
俺の身体… 見て…。
コウタはまばたきをするのも忘れて、湊をジッと見つめたまま、ふらふらと湊の前まで進み、ソファに体を沈めた湊の前にたどり着くと、湊の足元に正座した。
湊は、柔和な笑顔をコウタに向けた。
「ずいぶん早かったな。」
そういえば、テレビ番組はさっき2人で並んで見ていたものと同じだ。
騒がしいだけの、くだらない番組。
見ていたわけじゃない。
ただ、ついていただけだ。
コウタが振り返って、テレビの上にかけられている時計を確認すると、コウタがここを離れてから、まだ40
分程しか経っていなかった。
湊と離れてコウタが耐え抜いた苦痛の時間は、コウタには数時間にも感じられたが、たったの40分程の間のことだったのだ。
いつものように湊の前に行儀良く座ったコウタは、湊を喜ばせるためにハルの部屋で何をしたかを、詳細に湊に話し始めた。
コウタが、どの道具を選んだのか。
それを使って、ハルが、どのようにコウタを打ったのか。
与えられた苦痛がどのようなものだったのか。
コウタがどうやってそれに耐えたのか。
そして、そのあと、ハルにどのように感謝の意を伝えたのか…。
その時、コウタのどんな動きに、ハルがどう反応したのかまで、コウタは記憶にある全てを湊に報告した。
コウタの長い報告の間ずっと、湊はコウタの頭を撫でながら、優しい笑みを絶やさなかった。
「へぇ… がんばったな。」
湊さんが、褒めてくれた。
湊さんが、喜んでくれている。
湊さん、愛してるんだ。
俺、本当に愛してるんだ。
コウタは、自分の頭を撫でる湊の手が、コウタの努力を讃えてくれている様な気がして、身体がとろけるくらい幸せな気持ちで満たされていた。
あぁ… 湊さん。
俺、なんだってするよ。
湊さんが喜んでくれるなら、こんな痛みは痛みじゃない。
もっとひどいことだって、なんだってできるよ。
だって、愛してるんだ。
こんなに愛してるんだ。
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