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森の館⑥
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誕生日の夜にふたりで外出することを告げられた日から、コウタの誕生日までの一週間を、コウタは期待で高鳴る胸を抑えられずに過ごした。
湊がコウタのためにどんなことを計画してくれているのかと想像し、湊との営みの最中にまで上の空になってしまって、思いっきり頬を打たれてベッドから転がり落ち、裸のままベランダに放り投げられた程だ。
その夜は結局、朝まで許してもらえず、ベランダで凍えながら夜を明かす羽目になり、湊に戒めの鞭をもらうことも抱いてもらうこともできなかった。
翌朝、泣き腫らした顔に何度も平手を打ち込まれて、どうにか許してもらうことができた。
そのせいだかどうだか、分からないが、湊はそれ以来、コウタの後ろを使うことをせず、毎晩、コウタの口だけで終わらせた。
湊の指が蕾に触れ、今日こそは… とコウタが期待しても、湊はその手を引っ込めて、コウタを湊の下半身に押しやった。
その度にコウタは、ひどく落胆したが、それを湊に気づかれないように努めた。
コウタのどこをどう使うかは、湊が決めることだ。
コウタはただ、湊の指示に従う。
湊がコウタの身体を好きに使って満足することができるよう、細心の注意を払って、湊の意図を汲み取る。
コウタは、湊が求めることだけをする。
決して、それ以上を望まない。
それが、ふたりのルールだ。
そうして迎えた誕生日当日、コウタは湊に指定された服を着て、湊との待ち合わせ場所に向かった。
今日のために、湊がコウタに用意した服は、カジュアルではあるが、ややフォーマルな印象にも見えるものだった。
コウタは、指定の時間の30分以上前に到着して湊を待った。
陽が沈み始め空が赤く焼け始めると、コウタにはその赤色がひどく綺麗に見えてじんわりと涙があふれてきた。
赤… 湊さんの好きな色だ…
ふと腕時計に目をやると、約束の時間を10分ほど過ぎていて、コウタは急に不安に飲み込まれた。
スマホを確認したが、湊からの連絡はない。
湊さん… どうして?
もし… もしも、湊さんが来てくれなかったら、 俺はどうすればいいのだろう。
俺はここに、捨てるために呼ばれたのだろうか?
俺は… 捨てられたのか?
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