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森の館⑦
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コウタの目から、とうとう涙がぽろっとこぼれた。
コウタは、湊に関してはいつも自信がない。
愛して欲しい、その気持ちが強いせいか、湊に何度抱かれても、満たされない。
いつでも、湊に捨てられるのではないかという恐怖が、頭から離れない。
もう湊は来てくれないのではないかとコウタが本気で不安になってきた頃、コウタの目の前に見慣れた黒のSUVが静かに横付けされた。
左ハンドルのその車の、歩道側の窓から、窓ガラス越しに、湊が手招きしてくれている。
あぁ… 湊さん…。
コウタは、ホッとして、助手席に回り、震える手でドアを開けて助手席に乗り込んだ。
湊は、助手席に浅く座るコウタに視線を向けると、無言でシートベルトを指差した。
湊に無言で、視線や指だけで命令されると、コウタは身体が熱くなる。
シートベルトを指差された… たったそれだけのことで、コウタの下半身は、震えるほどの熱を帯びた。
「はい。」
コウタが返事をして、シートベルト締めると、湊は微笑んで車を発車させた。
湊は、今日、コウタをどこに連れて行くのか結局最後まで教えてくれなかった。
ただ、コウタは、流れる景色を見ながら、車が郊外に向けて走っていることだけが分かった。
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