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準備⑤
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夏樹が、クスクス笑って、また湊からコウタの手を奪った。
「コウタくん、痛くない?」
「大丈夫です。」
コウタがそう答えると、夏樹はなぜか、ため息をついた。
「コウタくん、ちゃんと答えて。痛くないか?」
「…痛くありません。」
「じゃあ、手、握ってみて。」
コウタは、夏樹の手をギュッと握った。
「うん。開いて。…もう一度、握って。」
なにをさせたいんだ?
コウタは、夏樹の目的がわからないまま、言われた通りに手を動かした。
「…そうだな。とりあえずは、大丈夫だろう。あとは、時々確認して… 」
「分かってますっっ。」
湊が不機嫌そうに、コウタの手を夏樹から取り返した。
「おいで。吊るしてあげる。」
夏樹がコウタの肩に腕を回すと、湊がその腕を払った。
「だから… 邪魔しないでください。」
「なんでだよ?いいだろ?」
「…今日はダメです。」
「はいはい。そうですか。“初めて”は全部自分でやりたいんだな?どうぞ。」
からかうように笑う夏樹を、湊はいまいましそうに、にらんだ。
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