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吊るす③
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「少し緩いですか?」
湊が聞き、夏樹が頷いた。
「そうだな… もうちょい… チェーンふたつ分くらい上げてみろ。」
「チェーンふたつって… 細かいな。」
「しょうがないだろう?初心者を吊るす時は、微調整が大事なんだから。…難しいんなら、やってやろうか?」
夏樹が笑った。
夏樹が笑うと、コウタはなぜかホッとする。
夏樹の笑い声は、心地良い。
「いえ、結構です。」
湊は慎重にリモコンを操作して、夏樹に言われた通りに、チェーンふたつ分だけ巻き取った。
「なんだ。上手にできるじゃないか。」
夏樹は湊をからかいながら、もう一度、背後からコウタの腕と肩を確認した。
「あぁ… いいんじゃないか? コウタくん、肩痛くない?」
「大丈夫です。」
コウタが答えると、夏樹が小さなため息をついて、コウタの正面に回ってきた。
「俺は、痛くないか?って聞いたんだよ?ちゃんと答えて?」
「……痛くありません。」
「分かった。でも、いいかい?質問には正確に答えるんだ。さっき、そう言ったばっかりだよな?お仕置きが必要かな…。」
夏樹は、冗談か本気かわからないような顔でコウタにそう言うと、コウタの頰にペチペチと触れた。
「すみませんでした。」
実際のところ、コウタには、最初の返事のどこがいけなかったのか、よく分からなかった。
しかし、夏樹に叱られているらしいことを察して、とっさに謝罪の言葉を口にした。
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