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【理由】
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「真田さーん!休憩終了です!」
マネージャーの鈴木さんが俺を呼ぶ声がする。
連続ドラマの撮影現場は毎回こんな風にたくさんの人がいて、休憩中は大声を出さないと聞こえない。
「はい、今行きます。」
食べていた差し入れのフィナンシェの残りを口に放り込み、俺は撮影セットの方へ向かった。
「また甘いものですか?体重管理も必要っていつもあれだけ…」
「俺太らないし、ちょっとくらい、ね?」
溜息をついた鈴木さんは俺が芸能活動を始めた時からついてくれてるマネージャーなので、その辺はよくわかっているのだろう。
それ以上何も言ってこなかった。
今の自分は幸せだと俺は思う。
確かに仕事に忙殺されてプライベートはほぼ無いことだってあるし、辛いことだって沢山ある。
それでも、10年前に比べたら。
あの時に比べたらどんな自分だって幸せだと思えるのだ。
そんな今の俺になるための、きっかけをくれた人にもう一度会いたい。
そんな不純な理由で俺は芸能活動を続けて来たのだ。
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