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恋人
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「悪かった」
そう言った彼の表情は、屈辱にまみれていた。
一目で不本意だと分かるそれに悲しくなる。
言葉じゃない。
それを言わせる存在が自分ではないということを突き付ける謝罪。
その存在の大きさに、俺たちの関係も限界だと思うと笑えた。
限界だ。
無くなればいい。
関係があるから何故、どうしてと沸き上がる思いに苦しむ。
関係が邪魔なんだ。
そうだ。邪魔だ。邪魔だったんだ。
限界だと、無くなればいいと思った瞬間、今まで笑えなかったのが嘘のように笑えたんだ。
彼がいらない訳じゃない。
いらなかったのは――。
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