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結‐3
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「何かさー」
木兎の声が赤葦の回想を遮る。
「お前、今、オレ以外のコト考えてただろ?
何かさぁ……何かそういうの、ムカつく」
木兎が不貞腐れた声を出す。
「は?」
赤葦が眉を寄せる。
「オレが、あかーしの一番じゃないの、って何かイヤだ」
「はあ?!……あんた、何 言ってんですか!」
赤葦が声を上げる。
「木兎さん、……放っといてくれ、って、あんたが言ったんじゃないですか!」
人の気も知らないで、と赤葦が睨む。
「そうなんだけども!ブツリ的には放っておいて欲しいんだけど、キモチ的にはオレを大事にして欲しいってゆーか……!」
木兎が、ぷ、と頬を膨らます。
「……あんた、滅茶苦茶ですね」
木兎の仕草に、心を動かされそうになるのを押さえ、敢えて呆れたように呟く。
「大体!お前もオレと、一緒に行くんだからな!打ち合わせとか、色々あるだろ!」
「何ですって?!」
赤葦が驚いた勢いで椅子から立ち上がる。
「行くだろ?お前も」
木兎が、疑う余地なし、というように赤葦を見る。
「行く、って……どこに?」
「へ?イタリアに決まってんじゃん」
何を今更、と木兎が笑う。
「……誰が?」
呆然と赤葦が問い掛ける。
「オレ!と、あかーし!」
嬉しそうに木兎が答える。
「……………どこに?」
「だから、イタリアって!オレの移籍先!あかーしはオレのマネージャー兼トレーナー兼通訳!
チームにも了解もらってるし!てか、条件のひとつだし!」
「そんな、……っ!」
そんな事、ってあるのか。
オレを遠ざけておいたクセに。
オレに何も教えてくれなかったクセに。
勝手に、オレを連れていくことを前提で、オレが付いて行くことを疑いもせず。オレを、……
「え。……まさかイヤなの?!」
木兎が慌てたように言う。
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