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6 文化祭
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え、、、なんで、、、?
いや、でも待て待て、田代が拾って、放課後俺が来たら渡すつもりだったかもしれない。
っていや、拾うタイミングは明らかにさっき7組の前で放課後来るように言われた前後。
普通拾ったら大声で呼び止めるだろ。
あー、くそ、問い詰めるのに必要な要素がないな。
とりあえず、まずはホントに俺のか確認しよう。
俺は田代のデスクの一番下の引き出しから俺のものと思われるスマホを取り出そうとしゃがんだ。
そして俺はさっき全く気が付かなかったことに、今気づいた。
「なんだろ、これ、、、」
引き出しの中には2冊程の分厚くなったファイルがあり、写真がはみ出ていた。
俺は興味本位でその写真を引っ張った。
「なっ、、、!?これは、、、俺?」
そこに映っていたのは体育倉庫で片付けをする俺だった。
俺は慌てて分厚いファイルを開いた。
「まじかよ、、、」
そこにあったのは全部俺の写真だった。
写真の中には真正面からのアングルもあるってことは、、、あいつジャージに小型カメラでも仕込んでんな。
気持ち悪すぎて吐きそう。
まずい、、、まさか教師に、そういう奴がいるとは思ってなかった、、、。
俺は直ぐにスマホを開いた。
指紋認証もクリア、つまり間違いなく俺のだ。
すぐにマナーモードを解除する。
やばい、やばい、なんとかしなきゃ。
俺がなんとかしなきゃ。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、」
呼吸が苦しい。
「、、はい、では、今度の大会については、、、」
田代の電話はまだ続いてる。
出入口はただ一つ。
田代が邪魔で逃げれない。
あいつ、、これ計算済みとしたら、、、
俺はこのあと、あいつに、何される?
どうしよう、どうしよう、どうしよう、、、
もうあの人は助けてくれない。
わからない、わからない。
頼る人なんて、もういない。
一人で生きていくと決めた。
自分が望んだんだろ?
俺はここ最近の幸せに慣れ過ぎてた。
俺は幸せになれる人間じゃないことを、忘れちまったから、こういうバチが当たるんだ。
俺は恐怖で立てなくなりただスマホを握りしめていた。
ブー、ブー、ブー
「あ、りゅう、、、」
りゅうから電話が来た。
そうだ、すぐ戻るって俺が言ったんだ。
もう30分以上経ってる。
心配してくれてる。
、、、俺は何を怯えている。
助けてくれるあの人はもういなくても、友達は出来た。
俺なんかって言わないでって辛そうな顔してくれる友達が出来た。
頼る人がいなくなって、守りたいものが出来た。
幸せになっていい人間じゃないかもしれない。
でも、幸せな場所が出来た。
俺の幸せは、俺が守る。
俺は立ち上がり、ドアに向かって歩きながら通話ボタンを押した。
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