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6 文化祭
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『純!?今どこだ!』
りゅうが慌てたように電話に出た。
「俺さはじめてなんだ、守りたいって思えたの。友達が出来たのも。りゅうのおかげだ。」
『純?どこにいる?何かあったのか?すぐ行くから、教えてくれ。』
俺は教官室のドアに内側から鍵をかけた。
どうせ鍵は持ってるはずだ。
ただの気休めだけど、まあしないよりはましかな。
田代は俺がドアの近くに来たのに気づいたらしい。
「すみません、今から会議がありますので、では失礼します。、、、おい、何やってるんだー、桃田?」
扉を開けようとしている。
俺は思いっきり扉を体で押し、鍵が回らないように捻った。
ゴリラに敵うわけもないけど、まあ多少は時間稼ぎになる、、、はず。
「ごめん、ちょっと遅くなりそう。待ってて、必ず戻るから。」
俺はそのまま電話を切った。
本音を言えば助けて欲しい。
怖い。
でも俺は、りゅうまで失いたくはない。
過去の失敗を繰り返すほど馬鹿じゃない。
「先生、あんた、俺の事嫌いだと思ってたよ。」
さあ、戦おう。
これは俺のあまりに遅すぎる初陣だ。
なぁ、俺が昔からこうやって自分でどうにかしようとしてたらさ、もっと一緒にいれたかな、兄さん。
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