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ロンディネット城。
父王が居住する城である。
国内にはいくつかの城を持っているが、ここの城を使うことがほほとんど。気まぐれも時たま。
城に入ればキャアキャアと女中の声があがり、軽くあしらうと次々と男たちが現れる。
城内で働くものたちだ。
「王は」
「はっ。陛下はただいま、緋煌の間にてお客様とお会いになられております」
「客?」
「はい。我々はそのように伺っております」
「わかった。下がってよい」
元気のある返事とともに頭を低くして静かに下がる。
緋煌の間は個人的に王が人と会うための場所で、王と親しいものしかそこには招かれない。
珍しい来客もあったものだと緋煌の間の近くにくると、ちょうどその部屋の扉が開く。
扉から出てきた人物はまさに自分が求めていた人だった。
「おや、もう来てたのかい」
「何事かと思いまして」
数日前にも会っているため、特に挨拶は不要だったが客人がいるとなれば別である。
次に出てくる人物に対し身構えていると、なかなか出てこなかった。
「ん?ああ、私の客か。もう帰ったよ。あれはシャイでね、城の中で魔法はご法度というのに、まったく」
「……陛下がそこまで許している相手とは」
「いやね、古い知人の紹介で知り合ったんだ。いつかお前にも紹介しよう。そうそう、もう普通に喋っていいよ。ここには私たちしかいない」
ああ、と相槌をうって、父王の連れられながら父王の執務室へと向かった。
何故呼び出したのか甚だ疑問だったのだが、その解はのちに冷や汗を滝のように流すこととなる。
「さて、クラウス。君はあの学校で大変成績が良いのはよく耳にしている。とても誇らしい。しかしだ。3年生になろう君が、王の息子という立場の君が、なかなかどうして、下の方が自由奔放みたいじゃないか」
父親とこのような話になろうとは到底思わなかった。
「女の子じゃないから良いという問題ではないよ。君の行動は節度あるものではない。相手との合意の有無はともかく、もっと自覚を持ちなさい。君が動くことでどれだけの影響があるのか」
完全にしくった。
口止めはしていたが、どこからか漏れたのだろう。
スーリアムに知られれば微塵切りにされそうだ。
あれは父親より怖い。容赦はしない人間だ。
はぁと一息吐いた父王はさらに言葉を続ける。
「だが、下については年相応、悩むところもあるだろう。そこで、だ。君に救済措置をとろう。私が用意した者と暮らしたまえ。これは命令だ。監視役兼召使いと思ってもらって良い。彼は何でもできるからな」
「はっ………はぁ?」
「君に拒否権はないよ。さぁ、帰った帰った。私は忙しいからね。これからマリアンヌとジョージとご飯だ」
「ちょ、俺の分……」
「ちゃんと学校で食べなさい。寮のマナーだろう」
ぐうの音も出ず、そんな様子に父王は高らかに笑っていた。
バタンッと大きな音を立てて扉を閉める。
パタパタと足音が聞こえ、思った以上の音に衛兵が走ってきているのだと悟るがそんなことはどうでもよく、早足で王城を後にした。
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