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18歳以上ですか?
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「ん? もう会っていたのか」
なら話は早いな、とそそくさと座るように促す。そして自慢の白髭をなぞりながら、目の前に座る「かずま」を、口角を上げつつ上から下まで舐めるように見つめた。
「濱松家の子息と聞いたが、歳はいくつだい?」
「・・・18です」
どうやら「かずま」というのは日本名で、イギリス人とのハーフらしい。両親共に海外で活躍する富豪の家系らしく、α性に恵まれた一族だった。だが、兄弟の末っ子の彼だけは、何故かΩで産まれたのだ。
見た目だけが取り柄だと両親にすら蔑まれ、見合い相手を探していた城島家に無理矢理押し込もうとしているらしい。
城島は、家の言いなりになろうとしているかずまに、少し苛立った。
「いいねぇ。見た目も申し分ないし、健気でいい子だ。太史はどう思う?」
「・・・別に、αじゃないって聞いてから気にはなってたけど。あんたそれで良いのかよ」
コクリ、とかずまは頷く。自身はそうするしか家の役に立てない——けれど後悔はしていないと、小さな声で呟いた。
それは城島自身にとって、衝撃だった。そんなにすんなりと自分の運命を受け入れてしまっていいものか。もっとやってみたい事や、見たいものはないのだろうか。
「それじゃ、私はこれで失礼するよ。かずまくん、うちの太史とよく話すと良い。こいつにも、良い刺激になれば良いんだがな」
そう言って、ひらひらと手を靡かせながら部屋を出て行った。
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