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そして4年後。10月20日。初めて行く母親の故郷。写真を見てからわくわくが止まらなかった。そんな人に今日会える事に緊張してもいた。
首を軽く締め付けているチョーカーが気になり、ついそこばかり触ってしまう。
ローランドの本家にいた頃に見た、よく似た建物があった。そこで行われるパーティーに出席しているのは勿論アルファばかりで、かずまは自身に向けられる視線にも次第に気付いた。
受け入れてもらえるのだろうか。そんな不安が付きまとう。けれどやはり、話してみたい、結婚は出来なかったとしても、友達になってみたい。意気込んでいると、目の前の人にぶつかり、ノアは尻もちを付いてしまった。
「っ・・・」
「大丈夫、ですか」
(この人・・・)
視線を声の方へやると、そこには写真より少し大人になっていた城島の姿があった。
そして、ノアは思わず声を発した。
「たいし、さん・・・」
ずっとずっと、会ってみたいと思っていた。外国の人間なんてノアからは一番遠い存在で、関わりを持てるなんて思ってもいなかった。それが結婚相手と言うのだから尚更だ。
目の前の彼は、不機嫌そうに眉を寄せてこちらを見下ろしている。それが何だか、14歳の頃に貰った中の写真にそっくりで。
(変わってないんだなあ)
と、ノアは心の中で呟いた。
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