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父との生活
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頭が揺れる
強い痛み
力の入らない手足
普段より視界が狭まった左目
生温い体液
悪寒と吐き気
俺が父に引き取られてから数日
父は毎日朝からアルコールを飲んだ
泣いて泣いて泣きまくったあと、
俺を見て、口を震わせてから、
父は俺に暴力を振るうようになった
暴力を振るう時の父は
怒ったような
泣きそうな
つらそうな
悲しいような
そんな目をしていた
「お前がいなければ」
「アイツはお前のせいで」
「なんでアイツが」
「お前なんか」
「死ねばいいのに」
「生まれなければよかったのに」
「お前が悪い」
「人殺し」
殴る時も蹴る時も何をする時も言われた
つらかった
引き取られてからは学校に行かなかった
学校には母親を亡くしたショックで休んでいる
ということになっていたらしい
学校に行かないということは
俺がどんなに泣いてもどんなに傷付けられても
誰も気付かない、という事だった
顔も手足も服を着ていても見える所に
傷は大量に付けられた
痛いし辛いし暑いし寒いし毎日しんどかった
でも、これも全部俺のせいだと言われた
そうなのかな、と思った
全部俺が悪くて、母が死んだのは俺のせいで
俺が母さんを殺した
間接的には俺が殺したんだ
殴られながら、蹴られながら、
朦朧とする意識の中、そう思った
2ヶ月ほど暴力が振るわれたある日
父親は朝から出掛けた
俺は部屋の隅っこでしゃがんで
父が出ていった扉を見た
逃げようかと思った
ベランダを見た
逃げたいなと思った
ただひたすら、そんな事を考えていた
考えても、行動をする勇気なんて無かった
その頃には俺はガリガリで力も無かった
走って逃げたり、ベランダから飛び降りる事さえ
体力的にも、精神的にも、出来なかった
ぼーっと、ベランダを見ていると
父が帰ってきた
父は知らない男の人を連れていた
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