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18歳以上ですか?
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◇くらやみ
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重く、苦しい首輪、足枷。
鞭打たれる身体。
ここに来てもう5年がたち、僕は18になった。
「おい、1125番。
飯だ、さっさと身体動かして口開けろ!」
片手にスープみたいなご飯を
ビニールに入れて持ってきた男が叫んだ。
顔を殴られ、口を開けるのも億劫で。
もうご飯なんて要りません…
どこかへ捨てて下さい……
そんな事が頭のなかをループした。
僕は今日、18歳最後の奴隷市場へ出る。
ここの奴隷市場では、19歳になると売れ残り。
どうなるか分からない。
今日売れないと、一生ここにいなければならないのかも知れない。
けど、僕は自分が売れるなんて微塵も思ってなかった。
だってこの5年間、市場へ来た人達はみんな
僕の前を通りすぎていくのだから。
「もういい、どうせお前は今日も売れんだろ。
売れない奴に飯なんか食わせんのがもったいねぇ」
そんなことを言いながら、狭い檻から僕を引きずり出して表にある市場まで引っ張っていった。
裸のままズルズルと引きずられ、かかとが痛い。
けど、涙なんてもうでなかった。
膝を抱えてやっと入れるほどの小さな檻に、再び入れられて檻の上に値段の札が置かれる。
「さぁ、皆様方!
今回も新しく入った奴隷がございます!
ぜひ好みのものを買っていってください!」
あぁ、始まった。
奥のカーテンのようなものが開くと、ぞろぞろと人が入ってきた。
裸のままなんて最初こそ恥ずかしかったが、今となっては何も感じなくなっていた。
これが当たり前なのだと身体が、脳が、そういっていた。
ザワザワと騒がしくなる市場。
僕の目の前は真っ暗に写し出されていた。
希望、そんなもの何処かへ置いてきてしまった。
早く……早く、楽になりたい………死んでしまいたい。
熱を出していたのかもしれない。
身体が暑く息苦しい……。
僕はそのまま意識を手放した。
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