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◆ 偵察
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この国の王になってから数年が立ったが、やはり。
闇商売である奴隷の売買は今も行われている。
「ヒムル国王、本当にご自分で行かれるのですか。
偵察ならわたくしどもにお任せしてくだされば……」
「いえ。しっかりと自分の目で確かめたいのです。
それに、信頼できる強い護衛もついていますから。」
「なら、よろしいのですが……
万が一のような事がないようにしてくださいね…」
「ええ。わかっています。
では、留守の間ここを頼みますよ。」
「はい、お気をつけて。」
深くお辞儀をする使用人達に城のことを任せて、車を出させる。
現在深夜2時。
開催されるのは2時半からだと情報が入っている。
「ほんとに行くのか?ヒムル。
お前ああいった所苦手じゃねぇか。」
信頼できる強い護衛こと『ジーク』は、俺が国王家に生まれた頃から一緒にいる親友でもある。
その頃から奴隷制度は存在していて、町中でもよく目にしていた……
その光景を見る度に、苛立つ俺をジークは
「今はダメだ。」と言って止めてくれていた。
「そもそもこの奴隷制度が始まったのは、
俺の先先代の国王がクソみたいな脳をしていたせいなんだ。………………この制度、俺の代で終わらせる。」
「相っ変わらず、城のみんなの前で見せる
『ヒムル国王』とは大違いだな。」
変なものを見るような目をするジークにムッとして
「ジーク、お前だって城内では『忠実な護衛』というバリバリの仮面を付けているじゃないか。
それに、俺とお前二人の時は上下関係は気にしない約束だろう。」
「まーそう拗ねんなって!お互い様ってことだろ!
……っと、着いたみたいだぜ。」
「ああ。」
ゆっくりと止まった車から降り、
俺とジークは一般人の格好をして
人混みに紛れ込んだ。
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