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「おい、連れてきたぞ。」
ジークの声に、ハッっとして立ち上がる。
「お客さん…まさかこんな奥のもの買うなんて言いやしませんよね。」
「は?おま……おい。
まさか、買うつもりでこの男を呼ばせたのか!?」
ジークは困惑した表情を俺に向けていた。
すまん、ジーク。
この少年から離れられる気がしないのだ…。
今すぐ、自分の腕で抱きしめたい。離したくない。
今まで感じたことのない感情が
俺のなかを駆け巡る。
「この少年をかおう。いくらだ。」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!????」
俺の声をかき消すほどの大きさでジークが叫んだ。
「おい、マジでいってんのか!?」
「ジーク、すまないが話を聞いてくれ。頼む。」
動揺を隠せないジークは口をパクパクさせていたが、俺が頭を下げて頼むと深呼吸ひとつして
「…………正直まだお前がなに言ってるのかわかんねぇけど…お前が頭を下げるほどの理由があんだな。」
「ああ。」
ひとまずは理解してくれたようだ。
「お客さん、
ほんとにこんなボロいの買うんですかい?
何の役にも経たねぇですよ?」
「そんなことはどうでもいい。時間がない。
いくらだ?」
「はぁ、お客さんがいいならそれで。えぇっと、
1125番は……1250000ライズになりますね。」
ぴったりのライズを男に渡す。すると、男は少年を檻から引きずり出し、首輪と足枷から伸びる鎖を俺へ寄越し
「弱ってるんだ、返品は受け付けねぇぞ。」
と言った。
それに「ああ。」とだけ返事をし、少年を抱き抱える
俺は、少年がこの腕の中にいるという事実に心の底からの喜びを感じた。
自分のコートを少年にかぶせ、
迎えに来ていた車へ乗り込む。
「後でじっっっくり話聞くからな。」
「ああ、わかっている」
城につくまでの間、
俺は少年の頭をなで続けた。
※ライズ……この国でのお金のこと。
(思いつきで決めたため深い意味はございません。)
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